標記は10月11日北海道新聞朝刊根室地域版に載っていた情報である。
 監査委員はその仕事の性質上、独立性が強く求められる。市と取引関係にある大地みらい信金の元専務理事を根室市の監査委員に迎えることに市議会から異論が出るのが当然だろう。

 同じ記事の中に、2008年度に根室市が行った市立病院の不良債務(累積未処理損失)10億5千万円の赤字特例債への言及がある。これは大地みらい信金が引き受けたのではなかったか?根室市が年度末に資金不足を生じた際にも短期資金を大地みらい信金から借り入れてはいないだろうか?

 このように根室市と取引関係にある業者の元専務理事が監査委員をすることには疑義があるのは当然だろう。根室人の常識が疑われる。

 市長選挙が終わって有権者の36.3%の支持を受けて現職の長谷川市長が3選、市議会で所信表明をしたが、反省の色がない。支持母体は「オール根室」を自称する10%程度だが、その「村」の中から監査委員を人選したのでは監査が名目的なものになりかねない。根室漁業保険組合でも落石漁業組合でも監査が名目的なものとなり実質的な監査機能が失われたために不祥事を起こしたのではなかったのか。どちらの事件最近数年前の話だ、過去から学ぶなら「村」の外から監査委員を迎え、監査機能が正常に働くようにすべきだ。

 取引業者の専務理事が、財政規模の野放図な拡大や市債膨張(大地みらい信金からの借入金増大を含む)に客観的な監査意見を述べることができるのだろうか、わたしは懸念を抱かざるを得ない。
 会計監査論において監査人は「独立不羈の第三者」であることが求められている。この言葉にはじめて接したのは根高2年のときで公認会計士という職業に畏敬の念を感じた。この精神は監査に携わる人々にあまねく求められる要件である。
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独立不羈:他からの何の束縛も受けないこと。何の束縛も受けることなく、みずからの考えに従って事を行うこと。
第三者:ある法律関係の当事者、その包括承継人以外の者であらたにその法律関係に利害関係を持つに至った者。
   ・・・大辞林より
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 国債残高が1000兆円を超えて国の財政が破綻しかねないリスクが増大している。じきに歳入と歳出のバランスのとれた緊縮財政しか選択の余地がなくなりそうだ。地方交付税交付金が当てにならなくなることを予測して準備をしなければならない重要な時期にあたる。

 大地みらい信金の元理事長K氏も明治公園再開発に関する市民委員会(じつは市長の諮問委員会)の委員長を引き受け、委員の一人から異論が出たにも関わらず40億円の再開発に異例の速さで賛成結論をだした。今度は元専務理事が監査委員だという。大地みらい信金さん、どこかネジがおかしくなってはいませんか?破綻でどこかに吸収されてしまった夕張信金だってこれほど露骨に夕張市政に関与するようなことはやらなかった。
 コンプライアンス委員会が信金内にあると思うのだが・・・退職後の理事たちの首に鈴はつけられませんか?世間はこういうやりかたが大地みらい信金の経営スタイルだと受けとりますよ、誇りをもってほしいですね。市長を支持しなかった有権者63.7%にはこういう類のことが嫌いな人が多数含まれていると考えていい。
 わたしは47年前の根室信金しか知りませんが、地元の「信金さん」の愛称で呼ばれる金融機関でした。家がすぐ近くだったので、小学2年生くらいから信金で預金の出し入れをするのは長男の私の役割でしたからとっても懐かしい。そういう「信金さん」のこころを取り戻してもらいたい。ムリなのですか?土台がすっかり腐っているなら、基礎から造りなおせばいいだけのこと。
 「経営努力」の方向が違います。地元企業を育成し株式上場をサポートするというような、本来業務に関わることでやっていないことがあるでしょう。土台を造りなおすことと本来業務にチャレンジしてください。

 引き受けた元専務理事が監査の専門書をひとつでも読んだことがあれば、適任でないことはおわかりだろう。辞退されるのがいいというのは同期の一人ebisuの意見。

 ■ 仕事は基本に忠実にやろう



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