市立根室病院の赤字が前市長時代に比べて2倍以上に膨らみ、昨年度は17.2億円もの巨額になっている。市債の新規発行枠を8億円と決めていた市財政も、いつのまにか枠を外したようで24億円に拡大し、市財政は悪化しつつある。

 年間売上の範囲内(25億円)に収めるべきだというコンサルタント提案を無視して、総事業費70億円もの巨費をかけて病院建て替えを行った。療養病棟がないという地域医療上の欠陥を覆い隠すために、老健施設の30ベッド増床に国基準(1ベッド当たり200万円)の15倍もの9億円の補助金を支出した。いままた、明治公園の再開発をやろうとしている。市議会の承認を得ているので全部合法的だが、市議会が市政チェック機能を果たせていないようにみえる。

 わずか数年の期間にこれだけ病院事業の経営状況が悪化するのは、理由があるはずだが、市議会でも少しも明らかにならない。
 たとえば、病院事業には市議の監査役がいるが、もちろん専門家ではない。本を何冊か読み専門的な知識がなければ監査業務をやれるはずがない。だからさまざまな組織に監査役あるいは監査人がいるが、決算書にメクラ判を押すだけという例が多い。そういう監査を繰り返しているとたががゆるんで不正が起きることになる。市立病院は事務長で一度経験しているはず。
 病院内部には内部牽制組織もない。病院長と参事がやりたい放題という声が病院内部やお辞めになった医師たちから聞こえてくる。

 だれもチェックできない現状を打開するには病院事業に外部監査を導入すればよい。公認会計士による外部監査を行えば経営のチェックはできる。
 内部監査も並行して行えばよい。外部監査人と内部監査業務担当者が連携して経営を正常化していくという方法がある。

 根室市の財政を市議会がチェックできないなら、これも専門家による外部監査を導入したらよい。市議会で決議し、予算をとればいい。

 BS放送の放送大学で「組織運営と内部監査」という15回シリーズの講座が今日からはじまっている。日曜日13時から45分間の講座だ。監査業務に携わっている人や、監査業務に興味がある人はDVDに録画して勉強したらどうだろう。
 根室市の財政にとっては市立病院の赤字拡大は最重要な問題のはずだから、監査について大学レベルの専門知識が必要だ。

 自分達で町をよくしないといつまでたってもよくならない。努力なしにいい町はできぬのはあたりまえ。補助金頼みのビザなし交流を柱とする北方領土返還運動もあなた任せの根性なし、ベトナムへサンマ輸出も市役所頼みの意気地なし、市立病院建て替えも老健施設増床も補助金頼み、ビザなし交流のための埠頭整備と送迎施設建設も市財政の悪化を理由に100%国の補助金を当てにする厚かましさ。なんでも他人様を当てにし、自分達で努力しようとしない。ホイド根性がすっかり身についてしまっている。他人頼みや補助金頼みはすっかりやめてしまおう。地道な努力の尊さを知るべきだ。10年20年努力すれば町はまるでちがったものになる。

 市政チェックや具体的な提案という市議の仕事をまっとうするには、専門知識がいくつも必要だから、持ち合わせがないならそれぞれ関係する本を十数冊ずつ買い求めて勉強するしかない。報酬と仕事はセットであるというのは世間の常識というものだから、ふるさとのために、ぜひ努力してもらいたい。そういう真摯な姿で仕事に取り組む市議をebisuは応援したい。副業市議だから勉強するヒマがないとか、専門書を読む基礎学力がないとかいう言い訳はしないでほしい。わたし達選挙民は、あなたたちが職責を全うすることを信じて投票したのだから。

 さて、根室市議たちのなかで何人がこの放送大学講座を見るだろう?



*#2513 市立根室病院の経営状況について:財政再建特別委は機能しているか?  Nov. 28, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28

*#2505 根室市 財源不足7億3500万円 Nov.20, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20

*#2473 市立根室病院を外部の医師はどうみているか? Nov. 1, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-01-1


 2009年11月に外部監査の導入に弊ブログ#791で言及しているのでお読みいただきたい。

 養老牛温泉夜話(7)番外編 <根室市大企業論> #791 Nov. 8, 2009 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-11-08-1






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