7月末に病院へ問い合わせたが、いろいろあって回答が来たのが9月26日。それで再度不明な点をメールで質問するも、議会対応で忙しいことを理由に回答がなされていない。

 わかったことの一つは、部門別損益計算がなされていないことと経理規程がないこと。やっていない理由は配賦計算ができないからだという。
 社員が100人を超えるような民間会社では、部門別月次決算はあたりまえのことだ。予算も部門別・月別に編成されて、全社予算が部門別・月別明細をもってつくられる。各部門長は自分のところて作った予算に責任がある。

 これがないのでは、部門別の採算はわかるはずがないし、予算統制責任が誰にもなくなるから予算管理もできない。だから、市立根室病院は昨年度16億円強の赤字を出し、毎年数億円もの予算差異を出し続けて、足りない分を根室市の一般会計から補填するという情けないことになっている。
 事務長の役割の半分は根室市の一般会計予算から足りないお金を補填してもらう調整役だ。予算管理がしっかりしていればこんな仕事はなくなる。自らやることを放棄した経営改善の外部委託もまったくおかしいし、こんな小規模の病院で参事役なんて役職員がなぜ存在するのかわたくしには理解できない。各自が余計な仕事を抱え込んでいるか仕事の仕方が悪いからだろう。こういうことも赤字を膨らませている要因の一つだ。

 団塊世代で首都圏で仕事をしてきた者たちの中には優良な専門知識と経験を積んだ者がいる。そういう者たちがふるさとに戻ってきたら、町の改革にとっては貴重な人的資源となる。利用しない手はない。団塊世代はボランティアでこれから数年間社会のお役に立ってから消えていけばいい。心を開け、閉鎖的になるな。
 ぐずぐずして問題の先送りばかりやっていると、雪だるま式に問題が大きくなっていく。市立根室病院事業赤字は前市長時代の2倍の16億円に膨らみ、今年度はさらに増大して20億円を超える。最後は根室市の財政破綻と苦難の二十数年間が待ち受けている。市職員の半数はリストラ、残った人も給与30%カットが現実である。どうやったらいいのかわからなければ、わたしのように経営管理の専門知識と経験をもった市民の協力を仰げ。

 二つ目は経理規程がないことだ。民間会社は中小企業でもきちんとしたところは経理規程をもっている。会社の勘定とオーナーの勘定を峻別することはもちろん、支出権限についても予算内と予算外の権限表をもって仕事をしている。予算外の支出についてはその都度稟議書を起案して金額に応じて権限者あるいは機関が決定を行う。すべて文書になって残る。
 かように民間会社では予算内と予算外外支出についての権限と責任が明確になっている。

 こういう規程類や制度、そしてそれを支えるシステムを作ることが、恣意的な支出と、この数年間で2倍の16億円に膨らんだ赤字を縮小するために必要な経営改革の第一歩である。
 経営管理の基本を外すから赤字額が膨らみ続ける、新建物や更新した設備類の償却負担で今年度の実質赤字額はは20億円を超えることになるだろう。

 数回のシリーズでこの問題を扱う。根室市議会議員の皆さんは弊ブログを読んで、しっかり市政チェックの責を果たしてもらいたい。
 


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(メモ:所要時間15分)