2013年度の根室市予算案をチェック、第三回目である。大きな項目を中心に洗いなおしていきたい。

【分析3: 病院事業赤字はどこ?いくら?】
 建て替えられた病院事業赤字は一般会計から「繰出金」という項目で補填されているはず。歳出内訳を点検してみよう。

 諸会費     1.5億円
 総務費     8.3
 民政費    48.1
 衛生費    25.0
 労働費     0.5
 農林水産業費 4.6
 商工費     1.5
 土木費    15.0 
 消防費     2.2
 教育費     9.8
 公債費    18.8
 諸支出金    0.3
 職員費    30.6
 災害復旧費  0.0
 予備費     0.1
 歳出合計  166.4億円

 さて、病院事業の今年度の赤字額は16億円である。この予算の歳出項目のどこに病院事業赤字がもぐりこんでいるのだろう?金額から見て、「民生費」か「衛生費」しかありえない。ではいくら見込んでいるのだろう。
 今年度の赤字見込み額16億円をベースにしたら、新建物建物減価償却費や新しく購入した機器の減価償却費やリース料で2億円強は費用が増加する。それに旧建物の除却損が2.5億円程度あるだろう。赤字見込み額は20億円を超える

 新しい機械やシステムが買取なら一般会計から補填の必要はない。一般会計からの赤字補填繰出金はいったいいくらになるのだろう。取材に応じた市側は市長と財政課のようだが、この点について説明がない。記者は訊くべきであった。

  根室市民は病院事業赤字はどれくらいになるのか、市財政はその負担に耐えうるのかを気にかけている。市立根室病院は地域医療の中核。

 道新読者の一人として、追跡取材をしてくれたらうれしい。
 もちろん、市議会でも質問がなされ、市政チェック機能が果たされることを期待している。


(一般会計で通常の方法では補填できないから、市債発行が8億円の制限を越えて24億円にもなっているとみてよい。病院建て替えがあったので、今年度の市債発行額は50億円だった。実質的に病院事業赤字はもう一般会計では補填できないレベルに達してしまっている。
 だが、市債で負担を先送りしてはいけない。市債発行上限8億円を守り、一般会計で穴埋めすべきだ
 市債発行額を8億円とすると、予算規模は150億円である。16億円分の経費カットをしなければならぬということ
 それには30億円の「職員費」に手をつけ、他の費用も徹底的にゼロベースで見直すしかないだろう。問題の先送りは財政破綻への最短コースである。根室市の財政破綻を避ける道はある、問題に正面から取り組むことだ。逃げてはいけない。
 たとえば今年度の病院事業赤字16億円のうち6億円補填すると假定すると、市役所職員の給与・賞与はおおよそ20%カットとなる。まずは事態の深刻さを認識しよう。クラッシュの仕方がひどいと元も子もなくす。リスクは風船のようにどんどん膨らんでいく。危険ラインは通り越したが、いつ破裂するのか誰にも分からぬ。
 国の財政はもっと悪い。来年3月末に国の借金額が1100兆円を超えてしまう。いつクラッシュしても不思議ではない。地方交付税交付金が半額になる可能性があるということ。国からの補助金を当てにして、ハコモノを作ってはいけない。)

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