新病棟ができあがってまもなく稼動するが、昨日(14日)に見学会が催された。#2173のコメント欄に見学した人の書き込みがあるので、読んでもらいたい。

 北海道新聞地域版にも記事が載った。写真も一枚あり、外来診察室前の椅子が写っている。以前は廊下の両側に椅子があったのだが、それが真ん中に背中合わせに置かれている。ほとんど前のマンマということだ。

 電子カルテを考えていたら、診療実務の流れが変わるから、待合スペースのとり方はこうはならなかっただろう。つまり、実務の変更を考えずに建築仕様を決めたということだ。32の外来ブースと待合スペースの椅子の配置にそれが現れている。
 女性記者さんなかなか鋭い写真を掲載しているが、マスコミの役割は批判的な目でチェックすることにもある。職員の感想を取材すべきだった。

 ずいぶん広くなった。ベッド数が199から135に減少したのに、2割スペースが広がっている。しかしそれらは異常に多い個室(35)とこれまた常勤医の数(12~15)に比べて以上ともいえるほど多い外来診察室(32)に食われてしまったから、必要なスペースがない。

 一番の問題は外来待合スペースが狭いこと職員食堂がないことである。
 いったい職員はどこで食事するのだろう?百人を超えるスタッフが働いているだろうから、あとからスペースをとるのはむずかしい。病棟内にとるわけにはいかない、衛生管理上の問題があるからだ。

 不思議なのは、図面のチェックは院内の担当部署、市議会建て替え特別委、市役所担当部署がやっていたはずだが、責任あるこれらの組織がこんな基本的なことすらチェックできなかったこと
 わたしは1999年に横浜のある病院の病棟建て替えで神奈川県庁の医事課長や横浜市の担当部署とネゴしたことがある。特に横浜市役所の担当部署は図面のチェックがうるさかった。給食調理スペースの動線、汚染地域と衛生地域の区別など実務に関するチェックがしっかりなされた。職員食堂スペースを見逃すようなトロイ仕事ではない。

 こんな基本的なことを3組織がそろって見逃したのだから、どうやら根室の関係者達は基本的知識がなく仕事に不慣れだったと判断するしかないそうであっても看護師さんたちの意見をちょっと聞くだけでチェックできた関係者は基本的な知識すらないのに独善的で、それゆえに起こしてしまった「必然の事故」といえる
 だからオープンな場で議論しないといけないというのだ。市議会議員の資質も大いに問題がある。担当組織がそろいもそろってこの程度の仕事しかできないのだから、一般市民の目で計画段階からチェックする必要がある
 市民説明会を開いて図面のチェックをすれば看護師さんもebisuも参加するからこんなチョンボはありえない。実務経験のある市民の意見を無視してはいけない、自分たちだけでやるとこういう風に基本のところで大チョンボとなる。
 市民説明会開催を拒否し続けたのは長谷川俊輔現市長である。市議3名の市議会で開催要求があったにも関わらず拒否した。だから責任がどこにあるかはハッキリしている。市長、市議会特別委のメンバー、建て替え市民整備委員会、病院事務局である
 これからの市政に反省材料を提供しているのだが、あいかわらす同じ枠組みで市政が運営されている。このままではこの町はかれらにぐちゃぐちゃにされる

 昨年のいまころだったか、モデル病室を見たが、
①洗面台がせまかった
②ベッドサイドに置くべき備品入れが入り口と室内の中間に並べられているので使い勝手が悪い、これはベッドサイドに置くべき。
③病室内の備品の色は白に統一すべき

 色の統一は落ち着きを演出する。色に配慮することは大事なことだが、無視されている。
 一例を挙げると、光洋中学校の塗り替え工事。給食センターと廊下でつながっているので、同じ色にすれば落ち着いたいい感じになっただろうが、まるで余った塗料を使ったのかのようなどぎつい配色になってしまった。当初は強い違和感があった。色の調和はセンスである。品よくまとめるには、どぎつい色をいくつも使ってはいけない。見学時にその場にいた人へ意見ははっきり申し上げた。

 いまさらだが、個室が多すぎること外来診察ブースの数が多すぎることそれに療養型病棟のないことは取り返しがつかぬ。外断熱もなく、これだけスペースを広げてしまったら燃料費がたいへんだ。そして必要なスペース(職員食堂)がない。一般市民を無視して病院事務局、市役所、市議会だけでやるとこういうことになる。坪単価も2倍だ。そして今年の赤字額は15億円を超え、4月からはじまる新年度の赤字額は20億円前後となるだろう

 もうごまかしている余裕はない、口を酸っぱくしていっていることだが、また繰り返し言う。
 仕事は正直に誠実にやろう。毎日、毎週、毎月、毎年、仕事に関係のある勉強をし続けよう
 いい仕事はしっかりした専門知識とそれを使うことで磨いた仕事の技倆によって決まる。手を抜いてはならない。仕事は世のため人のためにやるもの。そうすることでわたしたちは生活の糧を得ていることを忘れてはならぬ


*#2173 市立根室病院の小児科はどうなる? Jan. 12, 2012
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-12

*#2171 市立根室病院の経営状況 : 15億円の赤字、まもなく新病棟完成 Jan. 7, 2012
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-07




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