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#1376 総合評価落札方式の茶番 Feb.11, 2011 [32. 市立根室病院建て替え]

 11日付北海道新聞根室地域版に市立病院建て替えの入札記事が載っていた。見出しと冒頭部分だけ転載する。記事本文は新聞で読んで欲しい。入札情報は市のホームページのアドレスを貼り付けておいた。

 入札に総合評価方式
 市初導入 地域貢献度なども加味
【根室】市は市立根室病院の改築工事の競争入札に初めて
導入した「総合評価落札方式」を、新年度の公共工事入札にも適用していく方針だ。入札金額の多寡だけでは低価格競争が進むため、企業の能力や地域貢献の取り組みを加味することで品質の確保を図る。
 ・・・

 入札したのは「鹿島・岩倉・渡辺」特定建設工事共同企業体の20.13億円で、もう一つのJVが19.79億円だ。なんと金額の高いほうが「正々堂々と落札」しているのだから、驚かざるをえない。入札の常識を覆すできごとである。

 理由もなしに突然新評価方式など持ち出すはずがないではないか。なぜ、こういう入札方式を突然持ち出したのかは、評価点を見るとわかる。二つのJVの評価点で差が出ているのは「地域貢献度」である。除雪などでの地域貢献が高かったということだ。
 これでは土木工事を主体に受注しているW建設のJVが落札するに決まっている。地域貢献度の評点の差2点がそのまま総合点の差である。W建設は政治力がある。どの政治家が関与していたかは35年間ふるさとを空けていた私は疎いが市民はその実態をよく知っている。
 これで、市長が誰のタメに市初導入の入札方式を採用したのか分かるだろう。このような入札方式では他の業者が落札できるはずがないからである。現に最低入札業者が落札できなかった。入札に参加したジョイントベンチャーは2社のみである。勝負は入札前からついていた。
 残念ながら市議会でも問題にはならないだろう。このような評価方式を実施すれば、市とつながりの強い業者が仕事を独占することになり、新規参入が困難になる。他地域からの算入も不可能になる。つまり「オール根室」という「根室村の仲良しクラブ」のメンバーにならなければ市からの受注はますますできにくくなるということだ。市の発注工事金額は高くなり、歳出予算規模が膨らみ財政が危うくなる。いままでだって、共産党以外に反対票を投じた反骨精神のある議員は一人もいないのだから、今回もこのような入札方式の導入を追及し反対する議員はいないだろう。自分の立場や利益を度外視して、ひたすらふるさとのために考え行動できる市議が一人もいないということだ。数人でいいからかっこいい市議が出て欲しい。無理だろうか?
 根室の凋落はこういうところから弾みがついてしまう。根室村では絵に描いたような「非関税障壁」「不公正競争」ともいえる「総合評価方式」を導入した。旧弊はますます成長し根室はますます衰退する。
 国勢調査の結果も昨日出た、人口は2.9万人だ。人口減少が加速している。市議会も町議会の規模で十分だ。定数は15人程度で十分だろう。あるいは、月額報酬を10万円にして30人にするという手もある。いまのままではオール与党で市政チェックができぬ。

 1月中旬の根室高校芭蕉同窓会に行ったときのこと、誰かが言った。根室を牛耳っているのは昭和19年組み。市長、W建設社長、根室漁業組合長の名前を挙げていた。もう一人誰かを上げていたような気がするが、忘れた。つまり、かれらは「同期の桜」ということだ。
 われわれ団塊世代はどういうわけか一人も市役所に勤務したものがいない。保険金詐欺事件でマスコミに取りざたされた組合理事長とは違って、根室漁業組合ではしっかり仕事をして定年を迎えた者ばかりで、物を言わない実直な仕事人だ。こういうときに同期で名前が一人も上がらないのは幸いである。もちろん同期で誰かがふるさとのためにならないことをしたら、いさめる同期が何人もいる。私たちは高校時代も含めて学生運動が強かった時代をくぐっており、私利私欲や恣意的な振る舞いを嫌った世代だ。世代間でこうも考えが違うのかと驚いている。

 総合評価点や入札金額等については市のホームページにあり閲覧できる。
*「市立根室病院改築工事入札結果」
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/doc/5093d9d779458dae4925782b0014ff55?OpenDocument?OpenDocument

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もやしさんま

(総合評価方式による入札) = (公開型官製談合)?
公開性の程は疑わしいので = (開き直り型官製談合)

でもきっと市長は「談合なんて言われたら心外だ」と言うでしょう。悪いことをしているという認識はないでしょうから。
ですから「自己中無神経市製談合類似入札」としておきましょうか。

相撲の八百長と似たり寄ったりです。それなら始めから入札なんかしなければいいのに

by もやしさんま (2011-02-11 20:44) 

mami

消防を落札した会社は今年度3件市の物件を建設中です。

そちらもどうなんでしょうね?

何日か前の新聞で内科が7名から5名に減り、麻酔科と産婦人科の医師がそれぞれ着任予定とありましたが…内科が減るのはいかがなものでしょう?

産婦人科に至ってはもう誰も期待していない気がしますが。
by mami (2011-02-11 21:20) 

ebisu

もやしさんまさんへ

8人の部長で協議したと新聞に書いてありましたが、だれも反対しないのでしょうかね、情けない。

>「自己中無神経市製談合類似入札」

なるほど。


by ebisu (2011-02-11 22:44) 

ebisu

mamiさんへ

消防の入札情報は市役所のホームページには載っていませんでした。

医師の情報はあくまでも「計画」ですから、単なる辻褄併せの可能性が大きい。
プラスのほうはあてにはなりませんが、マイナスのほうは確実です。

来るぞ、来るぞって去年も言っていましたね。2年目、何年でも使いまわしできそうです。
こうでも発表しないと、予算編成ができないということでしょう。
by ebisu (2011-02-11 22:52) 

通りすがり

内科の2名減は、元々本来は札医大1内からの消化器内科1名のところ、新しい医師が赴任したのに先任者も残ったため2名だったので、その二人が3月一杯で退職し新たな派遣が正規の1名だけなので1名減。更にやはり札医大卒の一般内科師が定年で辞めるため、内科全体で2名減となるようです。つまり来年度の内科は院長(一般内科・札医大2内)、消化器内科医1名(札医大1枚)、循環器内科2名(北大)、一般内科1名(北大2内)の5名と言う表向きの布陣ですが、実際には内科医はもう一人居ます。
現在透析室を管理しているU医師は元々内科医です。病院側は何故か彼女を内科として表示せず泌尿器科としています。確かに1年前までは透析室は泌尿器科が管理していて彼女が手伝っておりましたが、彼女はあくまでも内科医で泌尿器科医ではありません。誰が考えても可笑しい所属のままなのは、対外的に透析室は泌尿器科が管理している(一般に多くの病院では泌尿器科が透析室を管理しているので泌尿器科医は透析も専門のことが多い)と思わせるための作戦なんでしょうか。

件の産婦人科医は結局根室にくるようですね。あれ程北大小児科絡みで揉めて一旦は病院の方から招聘を諦めたと聞いていましたが、その後北大小児科と話が付いたのでしょうか。一度は断られた産婦人科医にしてみれば、縁談の復活にはそれなりの条件があるかも知れません。例えば身分は副院長とか・・・。
by 通りすがり (2011-02-14 01:01) 

ebisu

丁寧な解説ありがとうございます。

新聞では科ごとに医者の増減数が示されるだけで、それ以上の説明がない。もちろん、病院側が内容を公表しないからだろうが、毎年この時期になると予算の関係で都合のよい数字が並べられるが、マイナスのほうはともかくプラスのほうは裏付けがあるのかないのか、情報の確度がわからない。

市民が一番知りたい情報はさっぱり出てこない。
こうして解説してもらえると、根室の地域医療の迷走振りがわかる。

病院の運営方針について院長や市長、事務長のご意見を伺いたいものだ。もっと、フランクに市民説明かを開催して状況を市民へ説明したほうがいいのでは?
by ebisu (2011-02-14 14:09) 

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