昨夜(11日)9時半の気温は1.5度だった、寒い。今朝も2度くらいまで下がっていたのではないだろうか。

 10日付の北海道新聞根室地域版に標記記事が載った。さんま祭りは金比羅神社のお祭りと並びいまや根室の2大イベントの一つだろう。

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節目の第20回「根室さんま祭り」
  予算1.4倍、盛大に
    9月15,16日 来月までに目玉検討
【根室】秋の一大イベント「根室さんま祭り」を主催する協賛会(会長・大阪鉄夫根室漁業組合長)は9日、市内で総会を開き、20回目を迎える今年の日程を9月15日、16日に決めた。節目の開催を盛り上げるため、予算を約4割増やし、水揚げ日本一の根室サンマを広くアピールする。(栗田直樹)

 根室さんま祭りは1993年、市内の若手経営者らが港まつりの一催事として炭火焼サンマ500㌔を約400人に無料提供したのが最初。2回目からJR根室駅に会場を移し、2000年から再び根室港へ。現在の原型になる長さ約100mの焼き台でサンマ6㌧を振る舞い、来場者は一気に2万人台に。03年には過去最高の3万4千人を集めるなど、毎年1万5千~2万2千人が訪れる。
 総会では大坂会長が「さんま祭りは北海道を代表する味覚イベント。節目の今年は根室をさらに活気づけるものにしたい」とあいさつした。
 事業予算では滋賀負担金を前年の2.4倍の650万円とし、総予算も1599万円と前年比37%増。炭火焼きサンマ提供など従来のプログラムに加え記念行事の目玉は6月までに初会合を開く実行委員会で検討する。
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*「さんま祭り、予算4割増し 根室」道新ニュース
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/371234.html

【事実】
 市の負担金が2.4倍の650万円だそうだ。デフレスパイラルの世の中に予算が2.4倍もつけられるとはよほど資金が潤沢のようだが、そうではない。市の予算は数年前の140億円台から170億円に膨らんでしまっている。病院赤字特例債のように損失補填ができずに損失の繰り延べによって予算規模が膨らんでいるという側面もあるのだ。現に市役所は昼休みに南側の部屋の照明を消してまで経費節減に努力している。一般市民のわたしには「無駄遣い?」が許される状況ではなさそうにみえる。

 さて簡単な計算をしてみよう。
  650万円/2.4=270万円
 前年の市の負担金は270万円、つまり380万円増額したことになる。
 それではさんま祭りの予算総額はどうか?
  1599万円/1.37=1167万円
 さんま祭りの予算総額は432万円増えたが、そのうちの380万円は市の負担である。なんと増額分の87.9%が市の負担金で賄われることになるようだ。とにかくこうして「盛大な」さんま祭りが挙行される。

【試算】
 さんま祭りの参加者の95%は根室市民だろう。野外で炭火で焼くサンマは家で焼いて食べるものと違ってじつに美味い。会場では炭火でこんがり焼いたサンマに市民が舌鼓を打ち、笑顔の花畑のようになっている、いいものだ。
 無粋な話しだが6㌧のサンマ、1匹200円徴収すればいくらになるのだろう?計算を簡単にするために1匹200gとして計算してみよう。
  6㌧×1000kg×1000=6,000,000g
  6,000,000g/200g×@200円=6,000,000円

 これに諸経費300万円もあれば市民参加の「根室さんま祭り」は可能ではないか?何に総額1600万円もかけるのか情報が公開されていないからわからない。
 根室市商工観光課のホームページを見ても内訳がどこにもない、こういう情報はオープンであるべきだろう。イベントの予算と決算をホームページ上で公表すればいい。もちろん税理士さんがチェックして意見書添付してアップするくらいのこともやるべきだ。それが大人の仕事だ。根室市の協賛金を支出しているイベントは予算・決算・外部監査情報をネット上に公開するように条例をつくって義務付けたらいい。そうした有益な条例をつくり旧弊を改めることは市議たち本来の仕事だ。20人もいるのだからそれくらいはなんとかできるだろう。

(自分たちでお金を出し合って運営し公費が投入されていなければいくら使おうが勝手であるが、市の予算が投入されたらそうはいかない。きちんと情報公開すべきで、それがいやなら会場に集まりさんま祭りを楽しむ私たちに負担を求めたらいい。その場合でも予算と決算はブログを立ち上げてカンパしてくれた不特定多数の人々に公表すべきだし、それが大人の仕事のやり方というものだ。
 会場でカンパを募ってもいいのではないか?金比羅さんのお祭りも町内会を通じて協賛金寄付が回ってくる、各祭典区も寄付集めにまわってくる。一軒当たり数千円の負担になっているがそれでも祭りは続いている。寄付の集まる範囲でやるというのもひとつの見識である。
 根室にはやたらとイベントを主催する団体が多く、関係者は市の協賛金をほしがるし、市もすぐに出す。そういう一部の人間同士のなあなあの構造やイージーなやり方がマチの活性化を阻害してきたとは考えぬか?一部の人間だけの村落共同体となってイベントを運営し、一般市民に背を向けてきた。私はそれらをひっくるめて根室の旧弊と呼んでいる。規模を広げず、何らかの形で参加する市民に負担を求めるイベントもあるようだ。良識あるイベント運営が町の活性化の礎だろう。そろそろやり方を変えよう。)

 根室に活気を!そういう心意気はよしとしたい。
 根室サンマのブランド化なら大消費地の東京で開催するのがあたりまえだが、そういう目的ではないようだ。

【漁業組合によるサンマ放射能汚染データ公表】
 ひとつ気がかりなことがある。福島第一原発事故による放射能汚染の影響である。偏西風の関係から陸地よりも太平洋に落ちた放射性物質のほうがはるかに量が大きい。いまも川を通じて放射能汚染水が海へ垂れ流されており、これは防ぎようがない。
 サンマは回遊魚で紀伊半島沖や四国沿岸や九州沿岸で生まれ、稚魚となって房総沖や福島沖を通って餌を食べて北上する。今年とれる2年ものサンマはこうした汚染海域を3度回遊することになる。
 房総沖や福島沖のプランクトンや小魚は放射能に汚染されているから、それを捕食して北上してくるサンマがセシウムやストロンチウムに汚染されていると考えるのは当然のことだろう。消費者は漠然とした不安をサンマにも抱いている。

 少々の放射能汚染があっても還暦を過ぎた私は大好きな秋のサンマをがまんするつもりはない。ことしも安い大衆魚に感謝しながら美味しくいただこうと思う。

 仕事は誠実に正直にと私は常々ブログに書いている。ことしは獲れたサンマの放射能測定を週単位で行って逐一根室漁業組合のホームページ上で公表し、消費者に核種別放射能汚染数値を知らせるべきだろう。サンプリングの仕方から測定、公表の手順をあらかじめ決めておいて、インチキが入り込まぬようにドキュメントを残してデータをとっておこう。ますは「放射能測定手順書」をつくり、ホームページで公表しよう。サンマの時期が近づいている。こうした大人の仕事をだんどりよくやれる人材が根室漁業組合にいてほしい。歯舞漁業組合が柔軟で商品開発も上手だから、すでに放射能測定とデータ公表に向けてなんらかの計画を進めているかも知れぬ。落石漁業組合はどうするのだろう。太平洋側に港をもつのはこの3漁業組合である。東から順に、歯舞漁港、花咲港、落石漁港、これらの港にサンマが陸揚げされる。
 放射性廃棄物基準である100ベクレル/kgを超えるなんてことはないだろうが、値がいくらであろうと測定結果を毎週公表する体制をとるべきだ。データが低ければ根室水揚げサンマはそれだけで信頼を集めることになる。それが根室サンマに対する消費者の信頼を維持する最良の方策だろう。
 食品への漠然とした不安が蔓延しつつある昨今、根室の生産者は正直・誠実だと全国の消費者に知らしめたいものだ。
 福島第一原発事故で陸地よりも海のほうの放射能汚染がひどいにもかかわらず、サンマ水揚げ日本一を自称する根室がサンマの放射能汚染情報公表についてなにも議論をしないとか生産物の放射能汚染データを自ら公表しないというのでは消費者の信頼を裏切ることになりはしないか。
 まだ間に合う。避けては通れない問題、避けて通ったら信頼を失うような重大問題がここにある。

  
(昔は港祭りの花火大会は地元商店がお金を出し合ってやっていた。「○○商店、□□花火」とアナウンスがあり、しばらく待っているとシュルシュル・ドーンと上がったものだ。いつの間にか花火大会は市が丸抱えでやっているようだ。イベントは結構だが、次々に増やし、市の予算をふくらますのはいかがなものか、この辺でたちどまって考えるべきではないのか?夕張市が第三セクターを作って箱物を増やしていった図に似ていないだろうか?
 イベントを増やしても、ちっとも根室のマチの活性化につながらないことは夕張市でもわが町でも結論が出ている。市の予算を増やしてイベントを10倍にしたって人口が増えるわけではない。それに関連する業者が潤うだけで、市役所は職員の給与をカットし昼休みに電気を消して経費節減するという事態に追い込まれている。市立病院事業赤字は前年度ついに13億円を超え、今年度はさらに増えそうである。建物が新しくなれば減価償却が増えてさらに赤字額は15億円を超えるかも知れぬ。市役所建物だって老朽化して大きな地震が来れば危ない。とても無駄遣いをしている余裕はないように思うがちがいますか?)
  

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