根室の市議定数は20人だが、前々回は定数ぴったり、前回は+1だった。前回選挙の前に市民4団体から定数削減要求がでるも、市議たちは定数削減問題を次の市議に委ねるとして放置し、ほとんどの者が再選を果たした。先送りされた定数削減問題は2年半も経ってからようやく中間報告がだされたが、削減必要なしとの結論。好い加減な屁理屈にあきれた市民が多かっただろう。

 根室の市議は市長提案にことごとく賛成し、承認してきた。病院建て替え問題でもコンサルタント提案の25億円を無視して63億円もかけて建て替えが続行中である。12~15名の常勤医に32の外来診察ブースをもち電子カルテを含む実務設計すらなされなかった。コストカットがなさた形跡がなく、市民説明会は一度も開かれなかった。市長は自らが選んだ委員による市民整備委員会の承認を持って市民へ説明したと強弁した。こういう暴挙に対して三人の市議が市民説明会開催を要求したが、市長はこれを無視、実質的に市議会の市政チェック機能はゼロに等しい状況が続いている。こういう市政運営が続いたからマチは活性を失い人口は1966年の4.9万人から先月末2.9万人を割ることになったのではないか。中標津と比べるとその凋落ぶりが目立つ。中標津は1966年には1.6万人ほどだったが現在2.4万人、空港まである。地元スーパーである東武サウスヒルズは繁盛している。根室では中央デパート、ファミリーデパート、シーサイドがつぶれ、最後の地元資本マルシェもJRの傘下に入ったから地元資本のみで運営しているスーパーはない。マチの衰退振りは同じ根室管内の中標津町と比べてみたらよくわかる。

 根室のマチでは異論を唱えるといろいろしっぺ返しがあるからみな物を言わぬ。一般市民は災難を恐れ市議会の傍聴すらしない。傍聴席の入り口に紙が置いてあり住所と氏名を書くようになっているから、誰が傍聴に来たのか筒抜けになると心配する。べつに書かずとも狭い根室のことだ、議場へ歩いていく途中の廊下で知っている市議ともすれ違うし議場から市議が振り返れば傍聴席に誰が来ているかはよく見える。当然のことだが、市役所側の席からは誰が傍聴しているかは丸見えだ。「何しにきていたの」と痛くもない腹を探られることになる。
 触らぬ神に祟りなし、市議会傍聴席は新聞記者席のみが埋まり市民がいることはほとんどない。
 そういう閉鎖的なマチの市議会で市議が3人市議定数賛成と公然と異論を表明した。根室のマチにとっては驚天動地の出来事である。わたしはこの三人の勇気にエールを送りたい。

 4月13日付北海道新聞根室地域版より
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 3市議、定数削減主張
   「2~6」特別委に意見書 根室市議会
 【根室】市議会の議会改革等調査特別委(佐藤敏三委員長、委員10名)が12日開かれ、議員定数(現行20)について委員外の市議3氏が、2~6の削減が妥当とすることなどを求める意見書を提出していたことが明らかにされた。
 久保田陽氏(新風)は「定員18人体制が現時点の判断」、瀬谷周平氏(無所属)と本田俊治氏(同)は連名で「少数精鋭の14ないし16名(が適正)」と明記。いずれも3月27日付けで特別委をに出した
 この日の同委の論議では定数問題には触れず、3氏の考えを直接聞く場を設けることを確認した。
 議会改革をめぐっては2009年に定数削減の要望書が市民らから出され、同年に特別委を設置。今年6月までに結論をまとめる。(栗田直樹)
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 議会改革調査特別委は3氏の意見よりも市民4団体の意見を直接聞くべきだろう。真摯に市民の意見に耳を傾けよ。歴代市長と市議会の蜜月の関係(旧弊)を廃し、市政チェック機能を回復する好い機会だ。活力のある根室をつくるには市議会議員定数を削減すると同時に、市議会が市政チェック機能や提案機能を正直に・誠実に果たすべきだ。それができない議員は市議を辞められよ。仕事・権限・責任・報酬はセットであり、職責が果たせないならやめるべきだ。
 仕事は正直に誠実にやるべきもの。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」、一般市民の意見や不満をないがしろにしてはいけない。

議会改革等調査特別委のメンバー(根室市役所ホームページより)
 佐藤敏三委員長、田塚不二男副委員長
 鈴木一彦、神忠志、小沼ゆみ、熊谷雅史、竹内正利、澤崎文剛、壷田重夫、永洞均
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/doc/e4bf9ed45e3f0465492574a5001ab23b?OpenDocument


*#1909 啓雲中体育館、市立図書館は震度6で倒壊  Apr. 17, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-16-1



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