満開だった庭のすずらんがの可憐な花びらの端っこが茶色くなってきた。花びらが小さく真っ白で、その可憐さが好きだ。このところ庭に妖しい香りを放っていた。
いやはやすごい性能の電動自転車が出たものだ。従来のモノは装置が大きく不細工であった。ところがこのたび10センチくらいの円形状で厚さが5センチほどの革命的な装置が開発され、発売された。ブレーキをかけると充電される。バッテリーとモータとエネルギー回収装置がこんなに小さいので、既成のロードレーサーに取り付けてもあまり違和感がないのである。デザインがすっきりしていることも気に入った。
自転車屋さんへ注文して組み立てているところを覗いた。朝、どうしても乗りたくなって自転車屋さんへ行くと組み立てが終わったようで電動アシスト型ロードレーサーが作業場においてあった。
まだ7時前なので声をかけては悪いと思いちょっと試乗してみる。根室高校まで乗ってUターンしようと通学門前でT字路を右折しようとしたが、友知（トモシリ）の1kmの長い登り坂を試したくなり、左折して右手に桂木の海岸を見ながら「ノサップ街道」を走った。
友知の坂に入る直前に電動アシストの3段のスイッチを順に切り換えて坂を上がる。なんと楽なことよ、ロードレーサーは軽々と坂を上がるではないか。スピードメーターは時速20㌔㍍をさしている。ずいぶん馬力のあるモーターだ。坂を登りきってもまだまだバッテリーには余裕がある。ニッケル水素ではこんなにスタミナがあるはずはない、リチウムでも無理だろう、電池の素材は何を使っているのだろう？
アシストモータの性能の良さに満足し、気分をよくしてもう少し走ってから8時ころ戻ったら、自転車屋のオヤジさんに叱られた。
盗まれたかと心配したこと、それとブレーキやサドル調整など微調整がまだ残っているので事故でもあったら責任問題になると懇々と叱られた。
新学期の4月で自転車の注文がたくさんあり、今朝はebisuの自転車の最終調整をしてから他の自転車の組み立てをやろうと仕事との段取りをしていたが狂ってしまった、お昼になるよとヘソを曲げている様子。
ごめんなさいとひたすら謝る。それにしても自転車屋さんの場所が駅前の商店街にある。歩いている人がたくさんいた。どうやら東京のどこかのようだ。
いくら新製品で早く乗りたかったにしても、朝早く書置きも残さずに納品前の自転車を持ち出したのはまずかったと反省する。現役時代ならこういう馬鹿なことは絶対にしないのだが、歳のせいかと判断力や注意力の衰えを痛感してしまった。こらえ性がなくなっているのだな、注意しなくっちゃと。
あれ、自転車屋のオヤジさんは病気で札幌に入院していたはずだ・・・、根室にあったはずなのになぜ東京？・・・それに走ったのは根室高校方面・・・、こんなに画期的でデザインのよい電動アシスト装置がまだまだ出るはずはない・・・
そう思ったら、な～んだ夢だと気がついて目が覚めてしまった。ロードレーサーに電動アシストは必要がない機能である。人間の体力のみでスピードに勝負するからこそ楽しいのだ。本当に、そういう装置が開発されても取り付けるわけはないのである。
夢を見ながら、矛盾に気がつくとこれは夢なのだと夢を見ている自分とはまた別の自分が気がつき、自覚が生まれると同時に夢から覚めてしまうことが昔はよくあった。
現実に生きている自分も実は自分が見ている夢で、いつか矛盾に気がつき目が覚めてしまうのかも知れぬ。そのときは現（うつつ）のみなさんとさようならなのだろう。ありがたいことにまだまだ目が覚めそうもない、生きたいように生きて夢かうつつか判断がつかぬ、幸せだなあ。
【アウディが電動アシスト自転車のコンセプトカーを公表】2012年5月15日追記
電動部分で50km、トータルで時速80kmでるという。すごい、夢で見たのとそっくりだ。でも、こんなのに乗るくらいならバイクに乗ったほうがいいかもね。自転車はやはり人力が基本だと気がついた次第。
http://car.jp.msn.com/news/ecocar/%e3%82%a2%e3%82%a6%e3%83%87%e3%82%a3%e3%81%8b%e3%82%89%e9%9b%bb%e5%8b%95%e3%82%a2%e3%82%b7%e3%82%b9%e3%83%88%e8%87%aa%e8%bb%a2%e8%bb%8a%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%82%bb%e3%83%97%e3%83%88%e3%80%81e-bike%e2%80%a6%e6%9c%80%e9%ab%98%e9%80%9f%e3%81%af80km-h-1