「市立根室病院医療事故等公表基準」によれば「レベル4医療事故は「事故により、死亡した場合」と規定されており、過失のある事故は「原則公表する」*となっている。
 問題は「過失」があったかなかったかで、医療事故で診療側の過失を立証することがとてつもなく困難であることは知られるとおりである。

 いずれにせよ程度の問題はあれ過失がある場合は、その原因を究明し再発防止策をとることは当然の義務である。

 心臓カテーテル検査禁止を言い渡していた医師に院長は再開を認めたようだが、禁止していたことを再開するには再発防止策がとられていなければいけないのだが、事故の有無さえ確認できないから、ましてや適切な再発防止策がとられているかどうか市民は知る術がない。

 さて、もう一つの医療事故は2010年に起きている。外科であるが、具体的な情報は差し控える。レベル4の事故の発生月と科名の情報公開を求めたが確認できなかった。残念ながら、事故処理されているのかどうかすら不明のままである。

 H市議のブログに11月28日書き込み**があった。患者が死亡して家族へ連絡が入り行ったときには死後硬直していたというものである。何度か巡回したはづだが、気がつかなかったのだろう。問題は死亡に気がつくまで、死後どれほどの時間が経っていたのかである。
 どういう「事故処理」がなされ、どのような再発防止策がとられたのだろう。病院側が事故について規程(「公開基準第5項*)どおりには情報公開をしていないから、情報の真偽は定かではない。定かではないままあいまいな情報が噂として流れる。こういう情報が積み重なって病院の評判が落ちていくのは病院にとっても患者にとっても不幸である。
 事故が事実なら再発防止策を公表したほうが入院患者や家族は安心できる。

 こういうことは従来、「噂」として流れていた。自分の身近にいる者だけでもそれぞれの市民が複数件の誤診例を知っているだろう。市立病院には長い歴史があり、根室の中核病院として君臨してきた。よかろうが悪かろうが選択の余地のない市民も多数いる。どれほど医師が頻繁に交替しても、誤診の山を積み重ねても、市立病院に頼らざるを得ない患者は多いのである。
 だからこそ、誤診をできるだけ少なくし、医療事故を防止するように病院側も努力してもらいたいと願う。

 誤診も命にかかわる医療事故も、命を扱う医療だからこそときに起こるのは避けがたいのだから、無用の誤解や尾ひれがついて噂となって流れないようにきちんと情報公開することが大事なのではないだろうか。
 いつどういう事故が起きてどのような再発防止策がとられたのか、それだけでいいのだが…できませんか?


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*「市立根室病院医療事故公表基準」は以下のようになっている。

5.公表すべき主な内容 

原則として、次の項目について公表するものとする。

(1)   発生した事実:日時、場所、状況、原因

(2)   当該関係者に関する情報:所属、専門分野、経験年数、学会専門医/認定医等

(3)   今後の対策と改善状況

(4)   その他、必要と思われる内容


7.患者様及び家族への配慮 

(1)   公表にあたっては、事前に患者様及びご家族等に十分説明を行い、原則として書面により同意を得る。

(2)   公表する内容から、患者様や職員が特定、識別されないよう十分配慮する。



**H市議のブログに載ったコメントを一部抜粋
(H市議のブログへジャンプするにはわたしの「読んでいるブログ」のリスト(右側の欄)にあるのでクリックすればよい)

・・・(市議の)先生方は 器だけ 新しく 大きくなれば 市民は安心して この市立病院に 命を預けられるとお考えなのでしょうか?
もし そうなら 大きな間違いです。
先日も 入院患者が 亡くなりました。
そして 家族に連絡が入ったのは すでに 息を引き取り 冷たくなり 死後硬直で硬くなってた 状態だったそうです。
病院側の理由として その日は休日だったため
気がつくのが遅くなり 看護婦が 気づいたときには
すでに 死亡されたました。と言うことでした
信じられますか? このような説明・・・



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**#1299 患者の安全管理(2):心臓カテーテル検査
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-09

  #1298 患者の安全管理(1):確認できなかった医療事故
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-07