友人に市議会の傍聴をしないかと誘ったことがある。言下に断られた。期待に反した答だったので理由を聞いてみたら、こういうことだ。
 「紙に住所と名前を書くだろう?あれを書いたらどう思われるか知れたものではない。」

 危ないというのである。兄弟や親類が市役所に関係していたり、市役所と取引関係があれば嫌がらせがある、迷惑がかかるという口ぶりだった。高校卒業以来35年間ふるさとから離れていたから、事の真偽はまったくわからないが、ずっとふるさとに暮らし続けた団塊世代のかなりの割合が同じ危惧を抱くようだ。真偽のほどは不明ではあるが、そういう雰囲気は霧とともに町に立ち込めている。これもわたしは唾棄すべき根室の旧弊と呼びたい。

 市議会議員削減に市民4団体が立ち上がり署名運動まで展開したが、市の財政が破綻するかもしれない69億円の杜撰な病院建て替えに、反対の意思表明をした市民団体はない。
 市議定数の削減は市政への反対表明ではないが、病院建て替えを1年延期し、半分の35億円へコストカットしてやり直そうというのは痛烈な市政批判である。

 市政批判は根室のタブーであり、共産党を除くどの党派も、あるいは無所属議員も、市政に反対したことはほとんどない。戦後65年間ずっとそういうことを続け、市政批判がタブーとなっている不思議な町である。

 「オール根室」とか「根室MKNF」とかという翼賛団体はいくらでもできる。そして市政批判はますます封じ込められ、町は衰退を続けてきた。


 そろそろノーと言わなくては、根室の町が夕張市と同じになる。自立した市民による連帯だけが市長の暴走をとめられる。 

 昨12日に無投票当選市長の所信表明演説が第3回定例市議会であった。市側提出の議案に対して、26日代表質問、27日一般質問が行われる。市議がどういう質問をするのか、H市長がどのように答えるのか、暇がある人は気楽に傍聴に行ったらいい。30くらいしか席がないが、びっしり埋まれば市長も市議たちも驚くに違いない。
 市議会の傍聴席には新聞社の記者以外ほとんど市民のいたためしがない。市民が無関心を決め込んでいると人気(ヒトケ)のない傍聴席をみて、H市長はますます市民をないがしろにして好き勝手のし放題になる。
 根室に市立病院を維持したいなら、そして夕張市のような財政破綻市にしたくないなら、そろそろ市政に関心をもとうではないか。そして反対する勇気も。
 
                (...どうだ、いつもよりも短いだろう)(笑い)

 
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