医療費搾り取られてまともな医療を受けられなければ、私どもは孤独死の道を選ぶしかなさそうです。
こんなに危機感を持っているのにebisuさんは、なぜ、じきじきに訴えようとしないのですか?
市立病院の診察の水準は市民が良く知っています。
しかし、新しくなれば良くなるのでは、と期待もしています。
いつか誰かが、裁かれる日が来るのでしょうか?
市長には重過ぎる責任です。

  前回のブログに上記のコメントをいただいたので、経緯を再び書いておきたい。要点は3つである。
 ①病院建物が新しくなれば診察の水準が高くなるだろうか?
 ②なぜじきじきに訴えようとしないのか?
 ③市長には重すぎる責任?

 丹波柏原病院小児科を守る会の活動は同じカテゴリーで採り上げたので、そちらを参照してほしい。住民が地域医療に積極的に係れば地域医療は変えられることを実証している。では根室にそういう住民運動があるか?ないのである。「医信伝心ネットワーク」というものがあるが似て非なるものであり、地域医療を守る住民運動の芽を摘むことになりかねない。

 病院建物が変わっても、医者も看護師も事務長も市長も、建物以外は何一つ変わらない。一部の診療科に有能な医者が来て診療水準が上がることはあるだろうが、全般的な診療水準が大きくよくなることはほとんど奇跡を願うようなものだ。住民・患者・医者・看護師・事務長・市長の意識が変わらなければ、診療水準は変わらない。医者を大事にする住民のいる町で働きたいと思うのは当たり前のことだ。現在いるドクターたちに末永くいてもらうことも大切なことだ。いい受け皿を作るのは、誰でもない、根室市民と病院職員自身だ。
 三年前に私が入院した旧釧路医師会病院はCS(Customer Satisfaction)の徹底した病院だった。それは院長が顧客(患者様)優先の経営思想を職員全員に、看護師にも薬剤師にもレントゲン技師にも掃除担当のパートさんにも徹底していたからだ。
 診療水準は医者だけが変えるのではない。しっかりした経営しそうに基づき、病院職員みんなが変えるのだ。

 このまま進めた場合に建て替え後の変化ではっきりしていることは、多額の負債と病院経営のさらなる悪化である。年間12億円を超える実質赤字が続くことになるだろう。
 辻褄合わせのいんちき基本計画を作っても結果はまったく違ったことになる。現在も医業収入30億円などという現実離れの予算作成作業中だろう。過去5年間の医業売上は20~24億円に過ぎない。5年間の病院事業の財務諸表を分析してみれば、病院建て替え後に経営がどうなるかはわかる。
 このままでは10年を経ずして、夕張のように診療所になる。病院赤字の拡大によって根室市が財政破綻することになるだろうから、市役所職員も覚悟を決めるべきだ。毎年やっているインチキ予算作成に現場の職員や課長・部長がノーと言え、そうしなければ根室は第2の夕張になる。市役所職員半数のリストラと残った職員の給与30%カットが待っている。

 市民の意識が変わり、住民運動が起こらなければ根室の地域医療も根室市の財政も共に今後十数年で崩壊する。それを止めるか止めないかはいま根室に住んでいる市民次第であり、住民の自己責任だ。いやなら市民自らがなんらかの運動を起こすしかないのだ。

 二つ目の問題。わたしは2003年の夏頃に資料をつくり藤原市長宛に手紙を出したことがある。ニホロ移転案を市が進めていたときのことだ。藤原市長は当時の振興部長が担当だからとそちらへ回してくれた。当時の振興部長と建て替え準備室長は道庁からの出向組みだったが、きちんとした人たちだった。時間をとってもらい、日曜日を含めて2度話しをした。坪単価130万円は道の基準で変えられないというので、2001年竣工のある病院の建築設計図の写しを渡した。坪単価130万円は大理石の病院である。そのような病院は財政事情の悪い根室にはいらない。首都圏で坪単価65万円で病院が建つ、ゼネコンは新日鉄だ。65万円にするには担当者の仕事が大変だろうから、外断熱で80万円なら普通に仕事の出来る人ならやれるだろうと伝えた。その後、市立病院の坪単価は85万円に下げられている。これだけでも建て替え予算は20億円弱削減された。システム投資もとんでもない法外な金額が予定されている。特別委はノーチェックである。専門知識がなくてわからないのだろう。正直にわからないと言い、専門知識や経験のある市民に協力を求めればいい。

 場所の問題についても話した。成央小学校が最適地であると。かれらは建設特別委でそのことを話してくれた。ところが、共産党の市議が学校の統廃合は市教委の管轄だからこの場で議論してはいけないと議論を制止している。古株の市議の意見はそのまま特別委の意見になってしまった。当時の議事録が市のホームページで公開されているので、興味のある人はお読みになればいい。

 わたしは市長に面会を求め、担当部長と準備室長に会って話しもしたし、ニホロ移転後の病院採算がどうなるのかについてもシミュレーション資料を何パターンか作り説明した。その後、ある人の勧めで建て替えにかかわる市長の委嘱機関に係る人にも会い、同じ資料を渡して説明した。
 いまはブログで問題の所在を書くのみだ。だれかが住民運動を起こせば、運動を支えるブレーンの一人ぐらいにはなろうと思っている。

 さて、三番目の問題だ。ニホロ移転案で商工会議所で開催された市民説明会で虚偽の説明をしたのは当時の助役である。虚偽の事実は北海道新聞記者が駒場町の地主へ取材して明らかになった。売買単価が市側の説明と違ったのである。ニホロが安いということだったが、単価だけでも駒場町の方が安かった。それに、ニホロは道路と下水道をあらたに引かなければならない。その費用を入れれば、市側の虚偽説明の単価でも駒場町移転案より高かった。当時の助役は試算していないという理由で質問に答えなかった。それが現市長である。まさかああいう好い加減な助役殿が市長になるとは当時は思わなかった。
 長年市役所で働いてきて、地域医療についてのマスタープランすらもっていない。そういう不見識な人が市長になるべきではない。もしなったら、市民の意見に謙虚に耳を傾けるべきだ。
 わたしは市立病院問題についてブログを2年にわたって書いてきた。これが51本目で、いまでは病院関係者にも読んでいる人がいる。
 病院職員アンケートを見ると療養病床を市立病院に設置すべきだというのが職員の意見だ。医療関係者だからこそ、療養病床ゼロの現実に危機感を抱いている。
 そういう意見に病院事務長も市長も市議も耳を貸さない不思議な町、それが根室の現実だ。失礼ながら、職位が上に行くほど、そして責任が重くなるほど、頭の中身は軽くなり市民感覚からずれていくように見えてしまう。このような有様では、地方自治の時代が来ても担う人材がいない。
 市議が市政監視をできないなら、市民がやるしかない。住民運動を起こすか、地域医療にまっとうな危機意識と具体的なプランをもった人を市長にするしか選択肢がなさそうだ。誰かいいアイデアはないだろうか?

 「市長には重過ぎる責任です」、たしかにそうなのかもしれない、そういう気もするが、本当にそうなのだろうかと再び自問してみる?

 現市長には市役所職員として考える時間が40年間あったはずだが、考えていたようには私には見えない。いまからでも遅くはないから病院建て替え検討作業をいったん止め、市民の意見を聴き、専門知識や経験のある市民の協力を得るべきだ。2度目の基本設計2900万円は無駄になるが、建て替え費用59億円は未実施だ、まだ間に合う。