定数問題で特別委不設置 
 「議論せず」は責任回避

 根室市議会は19日の各会派代表者会議で、市民グループが求めていた議員定数(20)削減を審議する特別委員会を設置しないことを決め、8月の改選後の新議員に下駄を預けてしまった。「時間がないことを理由に、議論することすら避けた判断は市民感覚とのずれが大きく、責任回避としかいいようがない
 そもそも、十分に議論する時間がなくなったのは誰のせいか。4年に任期がありながら審議してこなかった議会の責任だろう。改選間近になって、市民グループが相次いで要請書を提出したのは、議会が自ら動こうとしなかったからだ。
 定数削減は、市民の声を市政に反映するパイプを細くすることにつながる。にもかかわらず、削減を求める声が大きいのは、市民が議会の現状を評価していない表れといえる。2001年度から費用弁償の日当廃止などに取り組み、「議会改革の先駆者」と自負する議会側にとって、市民の厳しい評価はショックかもしれない。
 だが、議会は自分たちの活動を市民に知らせる努力をしてきたのだろうか。市民が傍聴しやすいナイター議会を開いたこともなく、議会日程を市民に知らせる努力も見られない。空知管内栗山町議会のような住民向けの報告会もない
 議員は、自分たちの身分を大きく左右する定数を自分たちで決められる。だからこそ、その判断に際しては自分たちの考えだけではなく、市民の声の真摯に耳を傾ける必要がある
 今回の問題で意味があったとすれば、市民が議会の役割を改めて考える機会になったことだ。市議選は8月23日に告示され、30日に投開票される。立候補者が議員定数や議会改革について何を語るのか。市民と共に注視したい。(仁科裕章)

 前回ブログに続いて市議定数問題に関する記事を転載する。6月23日北海道新聞20面根室地域版の署名記事全文である。アンダーラインは私が引いた。しっかりした記事だ、付け加えるべきことはない。

 2009年6月24日 ebisu-blog#623
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