根室市人口
年内3万人割れか
高卒求人減など懸念多く
【根室】根室市の人口が年内に、3万人を割る恐れが出ている。昨年12月末現在の住民基本台帳人口は、前年同期比412人減の30469人。ここ数年の減少幅は年間400~500人で、3万人台を守れるかどうか微妙な情勢だ。
 「新年早々暗い話題だが、根室の人口が今年中にも、3万人を切るような危機的な状況に陥っている」
 官公庁や経済界のトップらが集まった5日の根室市新年交礼会。長谷川俊輔根室市長は年頭の挨拶で、危機感をあらわにした。もし、3万人を割れば、1957年の市制施行以来、初めての“非常事態”になる。
 今年の人口を占う上で注目されるのは、市外への進学や就職、転勤が多い3月末の減少数。昨年は2月末から3月末までの1ヶ月で261人減っており、この磁気の減少数が昨年を上回れば、年内の3万人割れが、一気に現実味を帯びてくる。
 特に今年は今春の高卒予定者に対する根室管内の事業所からの求人が「過去最低水準」(根室公共職業安定所)になるなど、不安材料が多い。市内を含む管内の事業所への就職を希望している生徒の昨年11月末の内定率は45.3%で、前年同期を3.2%下回っている。
 市によると、市の人口は66年の49896人をピークに減少を続けているが、「歯止めをかける方策が見当たらない」(市民環境課)のが現実だ。年内に根室支庁の振興局への格下げが実施されれば、3万人割れは避けられないと見られる。

《コメント》
 1月10日付北海道新聞24面の記事である。根室市の人口は2004年12月末には32,266人いたから、5年間で約2,250人減少することになる。年間450人ペースで減っている。減少が加速しているという記事が以前載っていた。
 市がやるべきことは別にある。2018年26,000人の人口へ向けて、市のいろいろな機能を小さくすることだ。
 市会議員定数の見直しもそのうちの一つだろう。根室病院の10億円の赤字を小さくすることも重要なテーマだ。この4年間市立病院は経営改善の兆しすら見えないが、実質赤字3億円を目標とする経営改善をすべきだ。
 以前のプランの病院規模は199床で26,000人の町には大きすぎる。もし規模を維持するなら、急速な高齢化が予測されるから、療養型病床を70ベッド程度確保すべきだろう。病院新築よりも診療科や病棟の見直しが先だ。新築仕様の見直しが先である。

 4年間年10億円を超える赤字補填をしてきたが、このさき年間10億円を一般会計から補填し続ければ、いずれ根室市の財政は破綻するだろう。そのような事態が起きれば支庁の振興局への格下げどころの話しではすまない。
 夕張市を見れば分かる。小中学校はそれぞれ1~2校へ集約される。教職員や市役所職員はリストラで半分になるだろう。病院も民間移管で存続の危機を迎える。
 財政破綻があれば、2018年に根室の人口は24,000人を割ることになる。
 いま市がやるべきことは、根室病院赤字の縮小と新築規模の見直しである。目先の人口3万人割れなどどうでもいいことだ。今年か来年かだけの違いしかない。

*3月23日#147 『10年後の根室の人口』
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-03-23 


 2009年1月11日 ebisu-blog#483
  総閲覧数:63,506 /412 days(1月11日0時00分)