秋刀魚価格暴騰?

 このところ根室の小売店で秋刀魚が品薄状態だ。棒受け網漁解禁当初(8月初旬)には一時、80~100円/匹だった値段が、この数日は200~300円(大型1級品)だという。おおよそ3倍に値上がりしている。
 根室はお盆が7月だが、歯舞や落石は8月・旧盆である。13日はお盆休みで休漁しているので、14日の水揚げがなかったのはわかるが、昨日は17日だ。16日の出漁分の水揚げがあってよいはずだ。海も荒れてはいない。なぜ、品薄になり、価格が暴騰したのだろう。お盆休みは13日だけではなかったのだろうか。
 原因として考えられることは、①何らかの理由で水揚げが少ない、②水揚げが減少し、買占めがあった、この二つのいずれかだろう。どちらかはっきりしない。とにかくここ数日値段が高い。

 今日(18日)釧路では秋刀魚棒受け網漁が一斉休漁するという。船は岸壁につながれたままである。先ほど10時のNHKニュースで見た。
 過日に全国一斉休漁したときは、シーズン突入当初で浜値の高いときだったので、休漁に参加しなかった。いわば「振り替え休漁」だという。全国一斉の休漁はA重油高騰へのデモンストレーションが目的だった。
 60トン~100トンクラスの大型船が休漁すると市場への影響は大きい。明日以降また品薄になる。今週一杯は300円/匹を超える小売値段で売られる可能性がある。

 しかし、来週には値段を戻すだろう。それにしても小売店で大型の秋刀魚が100円を切るようでは、燃料費の高騰の折、出漁をあきらめる船が出ても不思議ではない。燃料高騰はいろんなところに影響し始めているようだ。小売値段は150円/匹程度で落ち着くのかもしれない。

 歳をとると物忘れが度々起きるようになる。そのようなことを考えながら、ここまで書いてふと思い出したことがある。
 7月15日の全国一斉休業(参加隻数20万)のデモンストレーションが功を奏して、漁業に関してのみ、燃料高騰分は現金で補填されることが決まったのではなかったか???

 そこで調べてみたら、政府は7月28日漁業用燃料の値上がり分の大半(総額745億円)を事実上直接補填することに決めたとある。
 どうやら燃料高騰への抗議ではないようだ。燃料分が補填されても魚価が安ければ採算割れするので、豊漁による安値に抗議するデモかもしれない。
 小売値段が1匹150円なら漁師も採算割れせず、消費者もそれほど高いと感じないで食べられる。世の中、何ごともほどほどが好い。

  2,008年8月18日   ebisu-blog#260 
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