2007/12/6   #014

 Ha中学1年のK君がまた450点を超えた。「中速」学習過程にいるS君の成績がまだわからない。明日わかる。勝ったり負けたり好い勝負である。ライバルがいるのはよいことだ。野球部とスイミングクラブ、どちらも選手としても優秀である。バスケット部のE君も400点に限りなく近い。じわじわ点数を上げている。その後ろをN君とK君が追っている。どちらも今回点数が上がっている。Ko中2年のH君はまた400点を越えた。スポーツをやっている生徒は、試合での成績をテストの成績が比例している人が多い。そうでない人もたまにはいるが、次回はがんばろう。
 Ke中学1年のSさんは、今日は授業がないので、電話で報告があった。よほどうれしかったのだろう、電話で成績を報告してくれた生徒は初めてである。今回の期末テストは努力したから、5科目で100点以上あがった。勉強だけは努力を裏切らない。必ず成果は出る。前回成績が下がって自信をなくしたので、期末テスト作戦を一緒に考えた。そのまま実行して、見事な実績である。これで自信を取り戻しただろう。わたしもうれしい。彼女もまた部活に熱心な「文武両道」の生徒である。
 今回の期末テストは、「期末テスト(2)」にも掲載したが、塾生の90%の成績が上がった。結果にわたしも驚いている。

 ところで、運動クラブに入っていることを言い訳にする人がたまにいるが、運動をやっていることが成績が振るわないことの言い訳になってはいけない文武両道という言葉もある。成績が振るわないのはやり方が悪いか、勉強時間数が足りないかのどちらかである。他に原因を求めてはいけない。自己の精神的成長の妨げになる。
 同じように、長時間のクラブ活動も考え物だ。2時間以上はやり方が悪い、工夫が足りないと心得るべきだ。クラブ活動で毎日3時間は多すぎる。よく見ると疲れてだらだらやっていないだろうか。クラブ活動を一生延命に3時間もやったら疲れ切って勉強する時間があるわけないとわたしは思う。部員は手を抜くことを覚えてしまうだろう。癖になり、しまいには性格になる。これでは逆効果だ。2時間徹底的に集中してやれば充分だろう。勉強も同じことが言える。何時間やったのではなく、どれだけ集中してやったかである

 わたしは高校時代に1授業を3分で復習する「技」を使っていた。どうやっていたのかは塾生には何度か話している。各授業毎に3分間、その日の授業が終わると全部を十数分で復習していた。家の仕事を手伝っていたこと、頼まれて一時期アルバイトをしたことや生徒会活動に時間をとられたことなどが重なり、ウィークデイは勉強時間がほとんど取れなかったからだ。窮余の策だったが、授業中の集中力を意識的に高めたこととイメージを頭の中で操作できることが役に立った
 短期集中的な勉強もした。高校2年の半ばからは、一気に勉強の範囲を広げて、中央経済社から刊行され始めた公認会計士2次試験講座を買い読み漁った。一部の科目はサブノートを作り始めた時期である。当時は現在よりも科目が多く7科目、簿記論、財務諸表論、原価計算論、商法、経済学、経営学、監査論だった。経済学はこの講座では飽き足らず、図書室にあった『資本論』やヘーゲル『大論理学』へと興味を広げていった。
 一日8時間を超える勉強を春休みや夏休み冬休みに2週間ほど続けてみるといい。集中力が一気にあがり、頭がよくなることに気がつくだろう。ただし、頭脳活動が活発になりすぎて自分では止められなくなる危険がある。フル回転状態が快感になり頭脳の活動をとめたくない誘惑に駆られる。脳内麻薬物室であるドーパミンが分泌され続けてしまうのではないかと思う。誰もがそうした状態になるわけではない。10時間毎日勉強し続けても大丈夫な人もいる。おそらく脳の使い方の問題が係っているのだろうと思う。わたしの場合はそのままやり続けると精神に異常をきたしていただろう。
 瞑想時にも意識を身体から離していくと同じような感覚が生まれ、危険信号が鳴っているのが感じられる。そのようなときには慌てて意識を身体に戻す。10時間を超える勉強を続けると、フル回転状態が快感になり脳の活動をとめたくない誘惑に駆られてしまう。ドーパミンが分泌されてしまうのではないだろうか。集中力を最大にもっていっても一日7時間までなら大丈夫である。

 文武両道を目指さない部活は、義務教育からいささか逸脱していると思うのは私だけだろうか。部活は教育指導の一環であり、学力の低下を招くような部活は学校教育の場ではやるべきではない。優先順位を間違えないようにしたいものだ。部活は文武両道が保てる範囲に制限するという選択肢はないだろうか。数学や英語の学力テストで30点以下が半数を超えるようでは部活のあり方を根本から見直すべきだ。

 個人の問題に戻りますが、部活を成績不振の言い訳にして、言い訳を繰り返していると、習慣になる。悪い習慣はいつか精神を蝕み始め、悪い性格となって凝り固まってしまう
 何か失敗するたびに、誰かのせいにしたり、何かのせいにするのはみっともないから、言い訳は一切やめよう失敗したら、じっと力を蓄積して次の機会を待とう学生時代に我慢力を鍛えるのは強い社会人へ成長するための重要なステップである
 我慢力のない人は一つの仕事が続けられず、優れた技能を身につけることができない。職人にとっては致命的な欠点である。もちろんふつうのサラリーマンにとっても同じことが言えるだろう。東京で30年近く働いて、いろいろな人を見てきた結果の結論である。