ALPSで取り除けない放射性核種は12種類あります。長周新聞の記事から一部を投稿欄に張り付けます。
 「2021年4月22日長周新聞」の記事です。
 このサイトには、「セシウム137,セシウム135、ストロンチウム90、ヨウ素131、ヨウ素129など12種類」と記されています。半減期5700年の炭素C-14も処理水に含まれています。テクネチウムTC-99もALPS処理水に含まれています。2021年10月18日の東京電力の資料です。この資料の中には選定された62種類の核種のリストがあります。

 結論を言うと、政府が言っているALPS処理水に含まれているのはトリチウムだけではありません。どうやら12種類の放射性核種が取り除かれないまま残っていますから、それを希釈して放出すれば、日本近海の放射能海洋汚染が起きます。

 2018年にALPS処理水を調べた結果、セシウム137やストロンチウム90、ヨウ素131などが限界値を超えて検出されています。東京電力はフィルター交換をケチったためと弁明しています。

 さて、ALPSは62種類の放射性核種をフィルターで補足できるとしていますが、その中に、ここに挙げられた12種類の放射性核種は含まれているのでしょうか。I-131やI-129、Cs-137、Cs-135、C-14はリストにありませんが、Sr-90は入っています。これらのことから、ALPS処理水に含まれている放射性核種はトリチウムだけという政府の発表は事実と異なるということです。東京電力と政府はバレる都度事実を小出しにしています。原子力規制委はほとんどなす術なし。ほんとうに専門家集団なのでしょうか?それとも事実をちゃんと知っていて、大ウソを平気でつくような人たちが政府によって選定されているのでしょうか?
 これでは、政治家や官僚は国民との間に信頼関係を築くことができません。自分たちだけがよければいい、不都合なデータは隠してしまえということのようです。大数学者の岡潔先生の言葉を借りると、動物本能である「自他弁別脳」の働きです。自分だけがよければいい。自他の区別を立てない「平等性智」でものごとを観て、判断してもらいたい。何人かそういう政治家や官僚が現れてもいいじゃありませんか。

 次回は、低レベルのトリチウム水が染色体異常を引き起こすという研究をいくつかご紹介します。白血病やさまざまな癌の原因、生殖細胞に異常が出れば催奇性の問題も現実になりますから、知っておくべきでしょう。トリチウム水を薄めて海洋放出しても人体には影響なしとの日本政府の主張が誤謬であることがわかります。


にほんブログ村