高校1年生3人対象の土曜英語音読特訓は高2の英語教科書「VIVIDⅡ」を使っています。今日は93~104頁まで、少しハイペースでやりました。生徒達がこの程度の英文に慣れてきたからです。スラッシュリーディングにすっかり慣れましたね。1月からの生徒と2月からの生徒、そして4月からの生徒ですから、4-8か月間トレーニングを経験してます、音読慣れするのにそれくらいかかるということ。一つの文を14回ほど繰り返し読みます。どういう順序でやるかは、「#4790」で解説しているのでそちらを見てください。青太字をクリックすると当該記事へジャンプします。

 「part 1」では富山市の軽量軌道鉄道(LRT: Light Rail Transit)が話題に取り上げられています。仮定法過去の文章が出てきているが、これは中3で既習項目で、3人ともちゃんと押さえていました。

 If there were no trafic jams, we could get to school or work faster.
 (交通渋滞がなければ、学校や仕事にもっと早く行けるのに(実際には交通渋滞で速くは行けない))

 面白かったのはpart2の次の文です。
  There are several reasons for this.  First, running on rails, they are very punctual.
 (これには2~3の理由がある。第一に、レールの上を走るので、LRT路面電車は時間が正確である)

 分詞構文の意味があいまいになる理由は前回述べました。付帯状況、理由、「~のとき」の3タイプですが、文脈でよさげなものを選びましょう。
 ここで、「railsはなぜ複数形なのですか?」と生徒三人に質問をしました。
「???」
 ボーっとしてたら、チコちゃんに叱られます。
 そこでヒントを出します。
「ears, eyes, arms, hands, parents, pants, scissors, ...」
 これで気が付きました。
 そうなのです。路面電車のレールは2本で1セットです、だから、railではなくてrailsなのです。
「なーんだ!」

 そこまで理解して、書き手が書いたことをちゃんと理解したことになるんですよ。
 書き手は脳にイメージしたことを、自分の使っている語彙で文章を紡ぎ出しますから、同じイメージを自分の脳内に再現してはじめて文章を理解したと言えるのです。自分の脳の動きを常に意識(イメージ)すること。
 こういうトレーニングは脳にイメージしたものを日本語で表現し、それを英作文するときにも役に立ちます。だんだん慣れたら、イメージがそのまま英語になります。日本語の媒介が必要なくなります。どこまでやるかはそれぞれの具体的なニーズで決まるのでしょう。よほどの英語好きがそうなります。わたしの場合は、英語は情報を得る手段であって、目的ではありません。あなたはどちらですか?

 「part3」に富山市の人口が出ていました。
 The city had about 400,000people, but it population density was very low compared with other local cities.
(富山市の人口は約40万人ですが、人口密度は他の地方都市に比べてとても低かったのです。)

 富山市の人口が約40万人になっていますが、調べてみたら、町村合併しています。旧富山市は32万人、合併後(平成17年4月に7市町村が合併)に41.8万人になっています。令和3年に41.1万人です。16年間で約7000人減少しています。比較の材料として根室市の人口減少を比べてみましょう。さて、同じ期間にどれくらい減っていると思います?7530人です。平成17年(2005年)31771人、令和3年(2021年)24231人。人口41万人の富山市と人口3.1万人の根室市の16年間の人口減少は絶対数でほぼ同じ、減少率では13倍なのです。それでも、市庁舎の建て替えは、人口4.8万人の時に建てた庁舎の1.5倍の面積で建て替え中です。耐用年数が半分経過したときには、人口は1.3万人になっているでしょう。市庁舎はガラガラになります。

 富山県は根室の縁の深いところでして、根室に居住する「富山(とみやま)」姓の人たちのルーツは富山県です。漁業関係者に多い。日本海航路で北海道函館へ、そして太平洋航路で根室まで来たのでしょう。
 生徒に聞いてみたら、同じ学年に富山姓はいないそうです。小学校の同級生にも、高校の同級生にも富山姓がいました。仲の良かった高校同級生のカツエは漁師の娘でした。弥生町の彼女の家に遊びに行ったときに、「お汁粉食べるか?」と訊かれて、「うん!」といったら、大きな鍋からお玉で掬って、どんぶり一杯、「さあ、どうぞ」。あれにはびっくりでした。どんぶりでお汁粉食べたのあれが最初で最後でした。太るはずです。こんなこと書いてもあいつは笑いとばすだけで怒らないでしょう。根室高校美術部長、東京渋谷にビルをもっています。女傑でした。昔、大橋巨泉の深夜テレビ番組「11PM」に2度出演してました。

 一つ先輩の美術部長は同級生のお姉さん、「深窓のご令嬢」タイプでした。ずっと根室で絵を教えています。塾生の一人が、絵を習っていたことがあって、市立図書館で展示会をされたときに、一度見に行って、お話してます。高校生の時に美術部の予算折衝でお話して以来でした。わたしは生徒会会計で、すべての部の予算割り振りの決定権を持っていました。実績を見て公平に配分するだけですから、そんなにむずかしい仕事ではありません。ただ、折衝相手の部長は全員先輩ですから、ちゃんと査定理由を話して納得してもらわなければなりません。予算編成と帳簿付けと決算業務が生徒会会計の仕事でした。会長よりも実質的な権限が大きいのです。だから、根室商業時代からの遺風である「坊主刈り」の校則改正も自分で発案して、先輩二人(副会長)が「言い出しっぺのお前がやれ」で、できたのでしょう。もちろん、他のメンバーにも協力してもらいました。
 そんな経験があったので、どんな規模の会社に転職しても、最初は予算編成と管理を任されましたが、仕事としては同じでしたね。売上40億円の会社も350億円の会社も、120億円の会社も。企業人になってからのいくつか手掛けたプロジェクトのマネジメントも、仕事としては「校則改正」と変わりません。すべては根室高校生徒会で学びました。


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