指数方程式の問題を解いた後で、指数関数に置き換えたらどういうグラフになるのか、プログラマブル科学技術用計算機HP-35sと描画ソフトGRAPES(フリーソフト)を利用してみたい。要点を押さえた的確なグラフイメージを描くトレーニングである、複雑な指数関数グラフは参考書にもあまり載っていないので、フリーソフトを使ってやってみようというわけ。
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aを定数とする。xの方程式 4^(x+1)-2^(x+4)+5a+6=0 が異なる2つの正の解もつようなaの値の範囲を求めよ。『青チャート数Ⅱ』例題183
2^x=tとおくと、方程式は4t^2-16t+5a+6=0.....①
①の右辺をf(t)とし、①の判別式をDとすると
x>0のときt>1だから、求める条件は、2次方程式①がt>1の範囲に異なる実数解をもつことである。
D/4=(-8)^2-4(5a-6)=-20a+40>0
f(1)=5a-6>0
この連立方程式を解いて 6/5<a<2
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HP-35sを使って、等式 4^(x+1)-2^(x+4)+5a+6=0 を入力するとxとaが計算できる。"solve x"と入力すれば、aの値の入力が促され、入力された値に対応するxの値が計算される。aを計算したければ"solve a"と入力すればよい。答えの表示モードは固定小数点表示、science、engineeringの3タイプのいずれかを選び、桁数を指定してやればよい。
x=0のとき、a=6/5...②
X=1のとき、a=2...③
の"a=6/5"を①に代入すると、
4^(x+1)-2^(x+4)+5×(6/5)+6=0
この左辺をxの関数と考えると
y= 4^(x+1)-2^(x+4)+12...④
この式をコピペしてGRAPESへ入力すると、「capisco!<伊>(なるほど!)」と思う。xに"-10" "-100" と入れていくと最初の項と2番目の項はゼロに近づいていく。したがって、グラフの左側は、定数項12への漸近線となることは明らか。
では"x=-1"を代入するとどうなるか、面倒だから計算結果を表にして並べる。
x -1 0 +1 +3 +5
y 5 0 -4 140 3596
このグラフは(0、0)を通り、x=1のとき最小値-4である。定数項を12よりも小さくすると、グラフの左側のx切片はマイナス側へ移動し、最小値は小さくなる。定数項が16(5a+6=16,すなわちa=2)のときにこのグラフはx軸に接する。16を超えるとx軸の上のほうに離れていく。
したがって、問題文の"異なる2つの正の解もつようなaの値の範囲"という条件を満たすために、定数項は12より大きく16よりも小さい範囲でなければならない。
ついでだから、aについて解いた式も入力してグラフを眺めたらいい。
a=-0.2(4^(x+1)-2^(x+4)+6)
"x=1"で変化率がプラスからマイナスへ変わる。"x=1"のとき、aは最大値"2"をとる。
*GRAPES
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~tomodak/grapes/
http://www.kn-makkun.com/MakkunWp/grapes.html