<更新情報>
3/6 午前0時 投稿欄から転載
3/6 23時 < B中2年生の過去3回の学力テスト数学の平均点の推移 >
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陥穽:①おとしあな。わな。「人もわれも尤も忌み嫌へる死は、ついに忘する可からざる永劫の陥穽なることを知る/虞美人草 漱石」・・・大辞林より
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特定の学校の特定の教科を採りあげ、担当教員と学校管理職の仕事のありようの問題を分析してみます。こういうことは根室市内の中学校ではごく普通にあると受け取ってくださって結構です。2校を採りあげていますが、1校はデータがないので書いていないだけで、状況が2校より良いかどうかはわかりません。
特定の先生をつるし上げる意図はないので、その点は誤解のないようにお読みください。授業内容のチェックや授業の進捗管理にシステマティックな問題があることに注目していただきたい。同じ問題が来年再び起きないことを願いつつ書きます。
C中学校は1・2年生の学年末テストを3/3に終了し、B中学校は3/7・8に実施される。
C中は2年生数学のテスト範囲から、最後の章「第6章 確率」が除かれていた。156-174ページまで19ページ。B中もC中も2月末で教科書を終わっていない。
4月から2月末まで11ヶ月だが、夏休みと冬休みを合計2ヶ月とすると賞味9ヶ月で、8-155ページの148ページをやったことになるから、月平均16.4ページである。確率の章は19ページだから、比例計算すると1.2ヶ月かかるのだが、そこをたったの「3時間」でやったことにしてしまうのがB中学校の先生。C中学校の先生は年度末テストが終わってからやるのだろう、2週間ほどだ。かくして、2年の総復習期間はゼロ。四月の学力テストで1次関数や確率の問題の正答率が低くなるのは当然である。そこだけで終わればいいが、根室高校普通科1年生の数Aで「順列・場合の数・確率」が再度でてくるが、中学校の授業の進捗管理がいい加減なので、ほとんど全員が苦手科目となっている。理由はもうおわかりだろう。中学校の授業の進捗管理の拙(つたな)さと手抜き授業が主要な原因である。
B中では数学担当の先生が確率の章を3時間でやると生徒に伝え、月曜日に予定されている1時間で計3時間で19ページをやるようだ。すでに2時間やっているが、定期テストが90点を越えている生徒でも、学校の準拠問題集にある解説を読んでも理解できない問題がいくつも出てくる。最近行われた学力テストで80点に近い得点の生徒(80点以上は学年にたった5人)も同様である。わずか3時間で終了と聞き、理解できるわけがないので生徒を呼んで今日(3/4土曜日)補習した。確率は教えるのがむずかしい章です。成績上位生には数Aの内容まで踏み込んで教えます。その方が理解が慥かですから。
(3月6日13時45分追記:B中学校の数学担当の先生は確率の章の前半部分156-164ページを3時間でやり、残りは試験が終わってから消化するつもりのようです。)
数学の授業がこんなことになっているなんて、教頭先生も校長先生もご存じないというのが学校というところ。民間会社なら上司へ報連相があり、適切に処理されるから、このような事態はあまり起きない。B中学校の管理職はテスト範囲表に「確率の章」が入っているから、まさか19ページを3時間でやったことにするなんてことは知りようがない。C中学校は範囲表をちゃんと見ていたら気がつくはずだが、気がついた気配がない。事前に気がついたら、教頭先生や校長先生から教科担当に叱責があるはずで、放課後補習を組んでもちゃんと年度末テスト範囲に確率の章を入れたはず。それが学校管理職としてかれらの重要な仕事、それが機能していない、わたしの言っていること間違っていますかね?言っている事はきついですが、言わないと来年も同じことになるので、あえて書いています。本音はこんなことは書きたくない。
ついでだから、どこの学校とは言わぬが英語についても書いておきます。2年生の「プログラム8」が冬休みに宿題にされた。「新しい文法事項が出てこないので」という理由で宿題にしただけで、すっ飛ばした。2年の教科書には「Extensive Reading」が4ページ載っているが、やらないようだ。英語はたくさんの文を読むことで力がつくから、授業で端折ってはいけないところだとわたしは思う。
3年生の教科書には同じものが3本、11ページ載っている。ページ数は1割だが、ボリウムは2割ほどある。どの学校もここをやらない。10年前はちゃんとやっていた。いつのまにかルーズになっている。どうして英語授業がこんなにルーズになったのだろう。道立高校入試英語問題がこの4年間ほど難易度が急低下したことと相関がありそうな気がしてならない。ルーズな授業でも入試問題が解けてしまう。水と同じでは困る、教育は高い方に向かって流れるべき。
年間授業スケジュールを作成して管理職がチェックしているのではないかと思うが、現実はその後のチェックが有効になされず、教科担当に任されっぱなしになっているのではないか。民間企業では簡単にできることが学校ではひどくむずかしいようだ。どうすれば学校で内部牽制がシステマティックにできるのだろう。
授業の進捗管理や授業内容が教科担当に全面的にまかされて、学校管理職が管理していないように見えること、あるいは管理のしようがないことの他に、勤労観が大きく影響しているように思えてならぬ。
教師が「教育労働者」だと定義すると、自分を労働力商品として時間で売っていることになる。授業の手を抜けば抜くほど、時間当たりの賃金が相対的に高くなるのは、インテリの先生たちは先刻ご存知だろう。無意識にそうしている。このような不健全な勤労観をもっていたら、まじめに、精魂こめて授業をすればするほど、損をするような気がするのではないか?どれほど一生懸命にやっても給料やボーナスが同じだから、手を抜けば抜くほど得になるような気がするのは自然なことだ。
日本人には本来、「労働」という概念はない、あるのは「仕事」である。労働はイコール苦役である。苦しいだけで楽しくないし、なるべくしたくないことというのが労働。江戸時代の文献に「労働」という用語は見つからないと思う。
斉藤秀三郎著『熟語本位英和辞典』は84年前、1933年が初版である。そこにlabourの訳語が載っている。
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labour:<名詞>労働。労力。労役。(より)労力を要する事業。骨の折れる仕事 ②資本に対する労働 ③生みの苦しみ。分娩。陣痛。いきみ。
<動詞>労働する。②働く。尽力する。労力する。骨を折る。努める。勤労する。 ③苦しむ。悩む。憂うる。辛苦する。
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何が言いたいかというと、「労働」なる語は、labourの訳語として生まれたということ。その原意は「苦役」である。「教育労働者」と自己限定すると、授業は苦役であり、楽しくないもの、忌むべきものになる。
日教組や北教組のいう「教育労働者」という教員の定義はまことに罪が深い。
仕事は「職人仕事」にみられるように、自己の持つ最高の技倆を発揮することで成し遂げられる。授業の職人であるという自覚と仕事観をもっていたら、こういうルーズな仕事ができるだろうか?
根室の先生たちのおよそ半数は「教育労働者」として労働しているから授業内容や授業の進捗管理がルーズになるのではないかというのがわたしの假説だ。もちろんちゃんとした授業、進捗管理をしている先生はいる(たとえばC中学校、別海中央中学校長(学力テスト全国平均クリア)、もちろん他にも何人もいらっしゃるだろう)のだが、とても半数にはならない。市街化地域の3中学校で授業参観を8回したわたしの感想だ。
B校とC校は学力テストの平均点が下がっている、その低さは「危機的」と言ってよい。具体的なデータは弊ブログをググれば出てきますので、関心のある方はご覧ください。
反論があればどうぞ投稿欄へ書き込んでください。オープンな議論を歓迎します。
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仕事:①するべきこと。しなければならないこと。②生計を立てるために従事する勤め。
・・・大辞林より
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学校の先生とは「教育の職人」である。
日々自分が教える科目の専門知識の更新を怠らず、広い教養を身につけ、生徒の指導に当たる、なかなかたいへんな仕事です。初心はそうだった先生が少なくないのでは?
「初心忘るべからず」
いい言葉です。
*<この記事の閲覧期間は3月6日午後10時までと今のところ考えています。必要な方はコピーをとってください。再アップは一ヵ月後の4月4日を予定しています。>
閲覧停止措置の必要がなくなりましたので、このままにしておきます:3月6日22時53分追記
70% 20%
< 3/6 午前0時 投稿欄から転載 >
もう14本も投稿がありました。気がついたことがあり、データも一緒に書き込んだので本欄へ転載します。(一部加筆)
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2年生だと多項式の加減乗除、連立方程式の計算問題のあたりに時間を掛けすぎるのは、生徒たちの基礎計算能力が低いからなのでしょう。時間をかけざるをえない。そのあとは連立方程式の応用問題、1次関数、三角形の合同、平行線と多角形、確率と内容がずっと難しくなります。生徒の学力が低くて教えきれなくなるのでしょう。学力テストの得点分布をみると、そうした傾向が読み取れます。
2月の学力テストの数学の平均点はB中が51.3点、C中が36.8点ですから、平均点で14.5点も差があります。五科目合計点ではB中250.3点、C中216.1点、差が34点も開いています。B中は数学と国語が顕著にあがりました。C中は30点以下が48人中17人で、3人に1人の割合でいます。B中は56人中9人のみ。
B中がテスト範囲に確率の章が入っていて、C中はテスト範囲から除外となったのは、こういうことも影響しているようです。
学力テスト数学の平均点が40点以下だと生徒の学力が低すぎて、部活を停止して強制的に放課後補習でもしない限り、教科書の内容を2月末までにすべて消化するのは無理だということかもしれません。
それならそうと学力テスト結果をモニターして、それなりの対策を打てばよいだけです。
普段の学力テストデータすらモニターしていない根室市教委の仕事に対する甘さ、怠慢が対策を遅らせています。モニターすべきでしょう。
平均点が40点を下回ったら、学校と市教委が具体策を協議すべきかもしれませんよ。
根室の町の発展はの鍵は教育です。根室に残る子どもたちの学力が長期にわたって低迷していたら、地元企業は生き残りが困難になります。
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< B中2年生の過去3回の学力テスト数学の平均点の推移 >
4月 34.8
11月 43.1
2月 51.3
初任2年目の先生だそうですが、根室に戻って開塾してから15年目、1年間でこれほど平均点を上昇させた先生は初めてです、ほめたいと思います。来年は年度末テストの前に教科書全部を終わらせてください。やれるでしょう。
< 必見! >
*#3519 数学の授業時間数を増やせ!:B中学校とC中学校2年生学力テストデータ比較 Mar.8, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-03-07