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20日朝11時 余談追記

  首都圏で難関大学への合格を目指す子どもたちは、小学校4年から受験勉強をスターとさせます。個別指導塾へ通わせるのが普通でしょう。中学受験をしないで難関大学を目指す子どももいますが、家庭学習習慣がしっかり身につき、親に言われなくても独力で予習中心の学習をやれる生徒でしょう。そういう子は本もたくさん読んでいるケースが多い。
 難関大学を除くと、大学受験を考えるときに一番重要なのは中学校3年間の勉強です、この時期は学力の伸びが大きいのです。高校へ入学してからでは学習時間の絶対量が足りません。根室の親たちはそういう事情を知っているひとが少ないのです。中学生のときにろくに勉強せずに高校生になってから、慌てたって手遅れです。ランクを下げざるを得ません。
 偏差値50(中位の大学)以上の大学へ入学するには中学校時代に学力テストでいつも400点を超えている必要があります。根室の市街化地域の3中学校では、学力テストで400点を越える生徒がいまでは各校で1-3名ほどしかいません。10年前、多いときには各校10名以上いました。
 中学生の成績上位生の枯渇化減少は地域経済の未来にとっても赤信号なのです。なぜかは転載した記事をお読みください。

 ブログ『情熱空間』が「上位生枯渇(教育行政の限界)」という論をアップしたので、転載したします。釧路ばかりでなく、根室も同じ状況です。

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8622773.html
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2016年10月19日

上位生の枯渇(教育行政の限界)

可能性を否定はしません。高校入学後に心機一転。3年間でミラクルを引き起こし、いわゆるイイトコの大学に合格する。でも、まずそれは考えられないことです。つまり、義務教育終了段階で「ほぼ」結果(その後の進路)が決まるということです。

本来、もっともっと輩出されるべき学力上位生(具体的に言うと学力試験で8割得点以上)が、現在では枯渇状態にある。このことに関して深い議論が必要だと思うのです。魚の放流に喩えられるものでしょう。優秀な人材を放流し続ける。すると将来、その中から地域に貢献しようとする者(かつその力が十分に備わっている者)が必ず現われる。その絶対数を増やそうではないかという思惑です。

医者を考えると分かりやすいでしょうか。毎年、コンスタントに医学部合格者を輩出(毎年10名程度)できれば、その中の何割かはやがて戻ってきて、そうして地域医療を支えてくれることになるはずです。公務員についても同様で、キャリア官僚を輩出できたなら、中央との太いパイプ作りが可能になるはずです。よって、学力上位生輩出の多寡は将来の地域経済を左右することになります。(医者とキャリア官僚を確実に目指せる層は、具体的に言うと学力試験で9割得点以上)

しかし現在、その「兆し」が見えません。下位生の救済は確実に進んではいる一方、上位生が年々確実に枯渇し続けています。しつこいようですが、高校入学後のミラクルは実にレアなケースです。まずあり得ない。事実上、中学卒業までにどう鍛えておくかが勝負です。9割はそこで決まってしまいますから。

下位層の救済を急ぐあまり、結果として上位層をつぶしてしまっている。というのが現在のこの地域の状況です。さらに悪いことは中位層もまた下に引っ張られてしまい、トータルで見ても、差が縮まるどころか反対に開いてしまっているという状況です。正直なところ、「司令塔」ももう限界でしょう。経済界にも見解を伺うべく、出動要請を請わなければならない段階にまで来ていると考えます。

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〈 余談-1: たら・ればの話 〉
 根室市長が北大出だったら、根室の地域医療事情はまったく違っていたでしょう。OB会で話ができますから。根室市役所に北大出身者が10名もいたら、道庁との交渉はずいぶん違ったものになるでしょう。同窓だと話がスムーズにいきます、世の中そんなものです。
 根室で毎年医学部進学者を出せたら、地域医療事情がまったく変わってきます。四人に一人が戻ってきてくれたとしても、常時10人ほどの地元出身の医師が根室で地域医療を支えることになるのですから。
 半分は自給自足を考えるべきなのでしょう。そのための教育戦略は根室市教委が担当するのか総合政策部が担当するのか、総合政策部でしょうね、でも根室市教委も一緒に動かないとことはなりません。

〈 余談-2: 統合後の高校名 〉
 これも、ついでです。統廃合後の名前がいまのまま「根室高校」に落ち着いたようです。歴史のあるほうの名前を残すというのが地域の見識を現すと何度も弊ブログに書いてきました。ほっとしています。関係者の皆さん、ご苦労様。
 中学校の統廃合で残すべき名前は光洋中学校の前の名前「根室中学校」です。小学校は道内3番目の歴史を誇る「花咲小学校」、場所はどこでもかまいません。花咲町から移転しても「花咲小学校」、たとえ、成央小学校の場所に移転しても名前は「花咲小学校」でいいでしょう。根室人の見識です。


 #3433 授業のレベル低下が先か、生徒の学力低下が先か? Oct. 10, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09-1

 #3431 検証:基本問題のみの授業と学力テストのレベルの差 Oct. 9, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-10-08

 #3429 第2回フリー授業参観:C中学校  Oct. 6, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-10-06

 #3421 数学:低学力のメカニズムとその破壊 Sep. 24, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24-1

*#3276 四月学力テストデータ分析: C中学校2年生  Apr. 24, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-24

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1




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