C中学校の校長先生が今年度第9号の学校通信を11月28日に発信している。学校が保護者や地域の住民に向かって情報発信をすることは道教委の方針にもかなっており、地域住民とのコミュニケーションをよくすべきだというのは文科省の方針でもある。学校という「村社会」の「常識」(=一般社会の非常識)にどっぷりとつかったままでは教育改革が進まないということか。要するに、学校は閉鎖的な村社会であってはいけないということだろう。
 そういうことなら学校のホームページを作りアップすれば、もっともっとたくさんの地域住民が読むのではないだろうか。一つ一つの学校に任せていないで、根室市教委は学校ホームページ標準版を作成して配布、最低限アップすべき情報を指示してもよいのではないか?
 事実を記すと、中学校でホームページをもっているのは一番歴史の古い光洋中学校のみのようだ。毎月何度も情報を更新していることには敬意を表したいが、学校でありながら肝心の生徒たちの学力に関する情報がまったくないというのは一人の市民としてまことに奇異に感じる。もちろん光洋中学校に関わらず生徒たちの学力情報を公開している学校はないのだが、定期テストと学力テスト(文協学力テスト)は階層別分布図や平均点を生徒に配布(公開)しているのだから、ネット上で公開しても差し支えないだろう。多くの卒業生が住んでいる地域住民に現在の子どもたちの学力を知ってもらい有益な意見をいただくことは学校と地域住民のコミュニケーションにとって実に有益なことではないのか。ebisuは光洋中学校第一期生として入学した者の一人であり、母校が根室の教育改革の前線に立つことを願っている。授業進捗管理については市内でわが母校が昨年先鞭を切ったことを誇り思うと同時に、中標津へ転出した前教頭の功績があったことを称えたい。

*光洋中学校ホームページ
http://academic4.plala.or.jp/koyojhs/

 根室市や市教委そして市立病院のホームページにはいつアップしたのか日付のない非常識なものが多いが、C中学校の学校通信にはもちろん日付や文書番号が入っている。こういうところを外さない仕事をしている校長先生の学校マネジメントはしっかりしてるのだろう。ebisuは12年前まで東京で業種の異なる数社の大手企業で働いたことのある企業人だからその辺のことがよくわかる。学校も民間企業もマネジメントという観点からは共通項がたくさんある。
 仕事の細部をおろそかにしない、そして基本に忠実に坦々とやって成果をあげる、とっても大事なことだ
  C中学校は今年度の全国学力テストがほぼ全国平均を達成できたらしい。学校マネジメントと学力向上は密接な関係がある。マネジメントの悪い企業の業績がよいということはないように、マネジメントの悪い学校の生徒たちの学力は低いものになると考えて当然だ。

 こういうナイス・マネジメントだと成果が上がり仕事の手応えを感じるから、現場で教科やブカツを担当している先生たちも働き甲斐があるのではないか。
 道教委の作製大谷翔平のポスターに大書きされていた「文武両道」を校長先生が自分の経験を引いて学校通信で具体的に何度も説明した。ブカツ担当の先生たちも今年になってから生徒にはっきり「文武両道」の大切さを伝え始めている。
 4年程前に道新記者が取材報道したとおり、毎日火災報知気が鳴る、授業をサボって空き教室で遊ぶ、授業中騒ぐ、そういう学校がたったの2年間で様変わりした。(#1307参照)
 でも、油断はできない、1年生は小学校で学級崩壊を経験しているから学力も低いし、躾のなっていない生徒の割合も多い。子どもの躾は小学校へ上がる前にしっかりやっておかなければならないが、自分の子育てを省みても難しいものだ。
 授業中の姿勢や言葉づかいから教えなければならない。嫌いな科目でも耐えて勉強する辛抱力も足りない生徒が増えている。分数や小数の乗除算のトレーニングしなおし、漢字の書き取り、音読トレーニングなど学校でも私塾でもやるべきことが多い・・・、躾と「読み書きそろばん(計算)」という基本からやり直さないといけない生徒が半分を超える。(#2871参照)
 しかし対応をしっかりやれば53人のうちの問題のあるニ十数人の半数は救えるし、鍛えなおせる。たいへんだが、トコトン手間ひまかけてやったらよい。

<マルクス労働観⇔職人仕事観:プロ根性について>
 市教委の配慮なのか道教委の政策なのかわからないが、放課後補習の支援員を一人配置したようだ。でも、補習は原則として教科を教えている先生が担当すべきだ。なぜなら、自分が教えている生徒に責任をもつのはプロとして当たり前、そして放課後補習することで自分の授業のどこがまずいのかはっきりわかるからだ。プロは仕事をしながらつねに学ぶもので、放課後補習は教科を担当している先生たちの学びの機会だ。教えたことがある人にはebisuの言うことはお分かりいただけるだろう。
 勉強がわかるようになれば生徒の表情が変わってくる。私塾は勉強のできる生徒だけ集めて教えているのではない、学校は私塾と一緒に低学力層の生徒に手間をかけよう。現在の2年生程度まで平均点を引き上げられたら胸を張っていい。五科目500点満点で8月27日実施の学力テストの結果をみると、2年生の平均が283点、1年生の平均は222点で、61点の差があった。
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ブログ「情熱空間」でZAPPERさんが具体的な解説をしてくれた。(12/6午後追記)
*自分が責任を持つ(補習体制について)・・・ブログ「情熱空間」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7672312.html
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<余談:ブログ「ニムオロ塾」は「私塾通信」でもある>
 塾生のお母さんたちが数人弊ブログを読んでくれている。私が何を考えてどのように行動しているのか、どういう方針で塾を運営しているのかは弊ブログを読んでいただければわかる。
 教育に関連するカテゴリーは21項目あるが最初からこんなにあったわけではない。さまざまな角度から教育問題をとりあげていくといままでのカテゴリーでは間に合わない記事が出てくる。出てきたらカテゴリーを追加する、そういう作業を繰り返しているうちに、教育関係のものが21個並んでしまった。

語彙力と「読み・書き・そろばん」(7)
イメージ化能力と学力について(5)

  • さまざまな視点から教育を考える(10)
  • 塾長の教育論(112)
  • 家庭のしつけ(3)
  • 進路(15)
  • High Speed Learning(3)
  • 授業風景(147)
  • チャレンジ(教育)(34)
  • 教育問題(386)
  • H26全国学力テスト・データ分析(14)
  • H25全国学力テスト・データ分析(24)
  • フリー参観(11)
  • ブカツ(18)
  • 高校・大学生のためのJT記事(95)
  • 時事英語公開講座(39)
  • Article Selection(8)
  • 英語談義 (コメント欄から)(14)
  • Gone with the Wind(11)
  • 言葉のアンテナ(18)
  • 『「漢委奴国王」金印(3)


  •  教育に関連する記事はいままでに(7年間で)977本アップしている。ふるさとのため、日本のためと思って気がつくと500ページの本にして6~8冊ほどの分量を書いている、塵が積もって山となったようなものだ。大事なのはナカミだから、さて、どうだろう?玉石混交は当然としても、石ころが多いだろう、玉が10個に一つでもあればよしとしたい。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるで坦々と書き綴るのみ。評価は読者の皆さんがしてくれる。

     左側の欄外に載っているカテゴリー区分をクリックしていただければまとまって新しい順に並んで出てくる。

     ブログは不特定多数へ向けての発信だが、これらの教育に関するカテゴリーは塾生と保護者の皆さんへも向けられた通信だと思っていただいてもよい。
     昨年も中3のお母さんたちから「読んでいます」という声をいただいたし昨日も生徒から「母が読んでいます」という声をもらった。学校の先生からも生徒を通じていままでに十数人から「読んでいます」という声をいただいている。こうした声にたびたび励まされながら7年がたった。
     あ、そうだ11月27日が満7年目だったのだがうっかり失念していた。(笑)

     アクセス数は7年累計で326万である、読者の皆さんありがとう。m(_ _)m

     ebisuはふるさとの子供たちの学力を上げるために、小中高校生に数学と英語を教え、大学レベルの時事英語授業もやり、低学力の生徒には補習もしている、そしてどこにも遠慮せずに教育問題をとりあげてダメなことはダメ、よいことはよいと書き綴ってきた。もちろん、その都度根拠となる事柄やデータを明示している。
     2007年に「スキルス胃癌と巨大胃癌」の併発で胃の全摘と胆嚢切除、リンパ節や大腸の一部切除をして体力はあまりないから、気力でやっているつもりでも人様の半分だ。
     私塾の経営者がブログでこんなにはっきり意見を述べて経営上よいことは一つもないが、大人へと育っていく子どもたちのために、ふるさとの未来のために言うべきことがある。
     教育問題をとりあげ自らの意見を明らかにし、情報発信を続けることはこの地で私塾経営をする者として果たさなければならぬ責務の一つだと思っている

    (釧路にもそういう私塾経営者がいる、ブログ「情熱空間」のZAPPERさんである。社労士の仕事と私塾経営と二足の草鞋をはいている馬力の大きなブルトーザのような方だ。(笑) まもなく釧路西ロータリ-クラブの会長になるという噂が聞こえてきている。地元経済界や市役所の幹部職員が自分の子どもを通じて地域の教育問題に関心が強いというのが釧路の強みだ。市議会がさらに輪をかけて教育問題に関心が強い。市議会副議長の月田光明さんが超党派の基礎学力問題研究議員連盟を立ち上げて「釧路市基礎学力保障条例」を一昨年暮れに制定した。彼はZAPPERさんこと三木克敏さんとともに「釧路の教育を考える会」で会長の角田憲治氏を支える両副会長である。というわけでこの会には強力なエンジンが2基ある。実は馬力の大きな「謎めいたエンジン」がもう1基ある。)

     一つ問題があれば立場によっていろんな意見があって当然だから、反論があれば匿名で結構なのでコメント欄に投稿いただきたい。お寄せいただいた投稿にはきちんと眼を通して返事を書くようにしている。
     いままでの削除したコメントは投稿者個人が特定されるものだけである。よっぱらって投稿したようなものや市立病院勤務医を騙(かた)ったのものすらあったが、投稿者の品性の問題だからそのままにしてある。

     ずっと根室に住んでいると「根室の常識=他地域では非常識」に染まっていることに気がつかぬこともあるから、塾生は視野を広げるために読んでくれたらいいし、小中高生の保護者の皆さんや根室市民の皆さんは教育現場でいまどんなことが問題になっているのか知っていただき、共に考えてもらいたい。

     「釧路の教育を考える会」や「北海道教育文化研究所」のボランティア活動を通じて一部の学校の先生たちにもチャンネルができた。道東の教育改革に挑むさまざまな職業分野の人たちとも協働する機会が増えた。
     ふるさと根室の教育問題を追いかけていく先には、道東の教育問題が見えてくる。釧路は根室と共通の問題を抱えており、そこを掘り下げていくと北海道辺縁部の教育問題が浮かび上がってくる。だから北海道教育文化研究所にもボランティアの一人として関わることになった。はるか先には日本の教育問題が、そしてそのさらに先がおぼろげに見えてくるのだろう。
     すべての出発点はふるさとニムオロ(根室)にある。根室の経済の発展も若い人たちがしっかりした基礎学力と高い志、そしてまっすぐな心根をもってこそなし遂げることができるのではないか家庭での躾と教育こそが根室の未来を切り拓く基(もとい)である

    <余談>
     進路問題で悩んだすえに自ら結論を出した生徒がいる。ある競技種目の強豪高校へ進学したいが、商業高校なのである。看護専門学校進学志望だから商業科では国語も数学も英語も普通科に比べて時間数が半分程度でほとんど不可能だというのが現実。
     いろいろ考えた結果、この生徒の場合は3月卒業までに商業高校ではやらない数Aを終了しておけばなんとかなることに気がついた。生徒と話して先週から数Aの個別特訓を始めたら、ケガで入院中のお母さんから丁寧な電話をいただいた。3ヵ月半で数Aを終了するのはきついだろうが、教科書全部をやり終えたらあとは自力で受験参考書でやれるだけの力はついている。英語長文は弊ブログの「時事英語公開講座」で三年間やれば充分だ。国語の勉強だけは全部自力でやらなければならないが、あの生徒ならなんとかするだろう。いままでも文武両道を貫いてきた、そういうところが今年から看護師として働いているお姉ちゃんにそっくりだ。ブカツが7時半に終わって7時40分、根室高校から塾への移動の車の中でパンを食べて、しっかり問題を解いていた、ブカツでどんなに疲れていても平気な顔をして授業中に一度も居眠りしたことがなかった。
     中高と同じ種目の団体スポーツをしていた生徒がいま大学2年生にいる。英語の先生になって戻って来てブカツの指導をしたいというのが彼女の希望だ。冬休みに時事英語の勉強をしに来るという、大歓迎だ。ニーズがあればebisuにできることはやる、そのために12年前にふるさとに戻ってきた。


    *釧路の教育を考える会ホームページ
    http://koulutus.blog39.fc2.com/

    *北海道教育文化研究所ホームページ
    http://946jp.com/dokyobunken/

    北海道教育文化研究所(道教文研) | Facebook
    https://www.facebook.com/dokbk

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    *#1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校 Dec.19, 2010 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1

     北海道新聞によるC中学校の取材記事です。C中学校は4年前にこんなに荒れていました。


    *#2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2
      
      #2895 H26全国学力テストデータ分析(5):3×3マトリックス分析 Dec 3, 2014 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-12-03

    *#2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13

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