昨日は中3の授業だった。黙々と問題を解いていた生徒が8時40分頃に口を開いた。

「先生質問ある・・・全部で13題ある、ちょっと後5分待っていまやっているの片付けるから、そのあとで全部解説してほしい」 

 生徒は学校の教科書準拠の問題集をやっている。この生徒はいつも学年十番以内である。やっていたのは2次関数と相似な図形のところだ、授業は9時までだが、今週金曜日が期末テストだから付き合うことに覚悟を決める、9時半ぐらいを目安に解説してみよう。
 全部が文章題だ、準拠問題集を読みながら黒板に図を書かないといけないので、前の席に移動してもらって、解説していく。30秒くらいで文章を読みきってすぐに黒板に図を書き解説を始める。30秒で最後まで見通せる問題もあるが、そうでない問題は条件を入れた図を書きながら解法の糸口を見つけ戦略を組み立てる。これが結構楽しい。いくつか片付けたところで、他の2人からやはり文章題5題ほど矢継ぎ早に質問が飛んできた。それも生徒Aにヒントを与えている間や解法を書き写している間に一緒に居残り勉強を希望した生徒Bや生徒Cの質問も順次処理していく。
 9時25分までかかって2題位残した。ここまで解説したら残りの問題は自力で解けるはず。解説を聞いているうちに力が上がっていくから、全部の問題を解説する必要がなくなる。安心は必要なので、「親が迎えに来てまっている、家でやってわからなければ明日来い」と伝えて終わりにした。

 教科書準拠の問題集は市販の問題集に比べると難易度が低い。基本問題のA問題はもちろんのこと、発展問題であるはずのB問題も難易度が低い。このような問題集しかやらなかったら、道立高校はともかく、標準レベルであるはずの東京都立高入試問題ですら難問題になってしまう。さらに上の、本物の難問題が並ぶ有名私立高校レベルの難問なら、学年5番程度の生徒に理解できるような解説は40分の時間では1/4もできない、ものによっては1題か2題だ。

 根室の中学校で教えている先生たちは、東京の有名私立高校の入試問題をネットで注文して自分で解いて見たらいい。生徒に教えているのだから、全国レベルを知っておくことはもちろんのこと、本物の難問題のレベルも身をもって知っておくべきだ、そうしたら教科書準拠問題集が成績上位層の生徒の学力に見合っていないことがよくわかる。標準レベルや難易度の高いレベルをしっかり把握してふだんの授業や定期テスト問題作りを考える、それがプロというもの。

 久しぶりにフル回転で気持ちがいい、意欲的な生徒たちに感謝。



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 学校ごとの入試問題集が発売されているので、知っている有名大学附属高校の名前で検索すればamazonnで見つかるだろう。有名大学附属ではないが桐朋高校の入試問題が素晴らしかった。
頭のよい生徒を選抜したいという先生たちの願いと熱意がこもった問題が毎年並んでいた。しかしもう38年ほども前の話なので、そうした伝統が今でも受け継がれているかどうかは知らない。


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