大学進学指導に全国模試の偏差値は必須のアイテムである。これなしには適切な進路指導ができない。高校の先生たちは偏差値を利用して進路指導をしている。
 北海道の公立中学校の文協学力テストには偏差値表示がないから、中学生は自分が全国レベルでどういうレベルなのか皆目検討がつかぬ。高校へ入学して7月に全国模試を始めて受験して夏休みが終わってからその結果を知ることになるので、大学受験にずいぶん出遅れることになる。

 根室高校普通科3年生が全統マーク模試の結果表をもってきた。偏差値表示に慣れていない生徒が少なくないので、偏差値と百人中での順位の対応表を張り付ける。
 (小数第一位まで読めば1000人中の順位となる)


 <偏差値・100人中順位対応表>
2014.06.16作成
偏差値順位偏差値順位
800.15050.0
790.24954.0
780.34857.9
770.44761.8
760.54665.5
750.64569.2
740.84472.6
731.14375.8
721.44278.8
711.84181.6
702.34084.1
692.93986.4
683.63888.5
674.53790.3
665.53691.9
656.73593.3
648.13494.5
639.73395.5
6211.53296.4
6113.63197.1
6015.93097.7
5918.42998.2
5821.22898.6
5724.22798.9
5627.42699.2
5530.92599.4
5434.52499.5
5338.22399.7
5242.12299.7
5146.02199.8
5050.02099.9
○○  



  大学受験生の中で学力上位25%は偏差値57以上、学力下位25%は偏差値43以下である。偏差値43以下の大学は学力下位層と見なされる。

 全道偏差値で見ると2015年度は以下のようになっている。来年度の推測だから2014年度実績値からは離れているものが混じっているだろう。
http://koukouhensachi.boy.jp/hokkaidou.html
 根室高校普通科・・・・・・・45
 根室高校商業科・・・・・・・40
 根室高校事務情報科・・・40
 釧路湖陵高校理数科・・・67
 釧路湖陵高校普通科・・・59
 釧路江南高校普通科・・・50
 中標津高校普通科・・・・・41
 釧路工業高等専門学校[機械]62
 釧路工業高等専門学校[電気]62
 釧路工業高等専門学校[電子]62
 釧路工業高等専門学校[情報]62
 釧路工業高等専門学校[建築]62


 「高校偏差値情報2014」は次のようになっている。こちらは全国偏差値のようだ。
http://www.jyukunavi.jp/h_school/deviation/?pref_cd=01
 根室高校普通科・・・・・・・41
 根室高校商業科・・・・・・・38
 根室高校事務情報科・・・38
 釧路湖陵高校理数科・・・69
 釧路湖陵高校普通科・・・57
 釧路江南高校普通科・・・51
  帯広柏葉高校普通科・・・65
 帯広南商業商業科・・・・・50
 中標津高校普通科・・・・・46

 全国の高等学校を百校と假定すると、偏差値45だと70番目、41だと82番目となるから、根室高校普通科は全国レベルでは底辺校なのである。だから根室高校普通科に入学したからといって、安心してはいけない、そこからどれだけ這い上がれるかが試される。
 


<大学進学と偏差値>
 根室の市街化地域の中学校で学年10番くらいなら、進研ゼミの全国模試で全国偏差値は45を切るだろう。どの辺りの大学へ進学するかだいたい予想がつく。8年前のB中学校なら学年20位でも全国偏差値47くらいだった。同じ学校を比べてみてもこの6年間ぐらいでずいぶん学力が落ちている。
 生徒が自分自身の学力を知るためにも中学校の学力テストに偏差値を導入すべきとebisuは思う。1970年代に東京都が実施していた公立中学校の学力テストには偏差値が出力されていた。東京は学校の数が多いから、偏差値なしには適切な進路指導ができない。


*「北海道 大学偏差値一覧 2014」より
http://daigakujyuken.boy.jp/indexhokkaidou.html
**「全国 私立大学偏差値ランキング2014」より
http://daigakujyuken2.boy.jp/zenkokushirituranking1.html
-------------------------------------------- 
 偏差値74・・・1000人中1番 ⇒ 慶応大(医) 
 偏差値73・・・1000人中1番 ⇒ 北大医学部、慶応大(法)
  偏差値70・・・100人中 2番 ⇒ 北大(獣医)、札医大(医)、自治医科大学(医)、東京慈恵医大(医)
  偏差値69・・・100人中 3番 ⇒ 慶応大(経済)、早大(法)、早大(商)
 偏差値63・・・100人中10番 ⇒ 北大(経済)(教育)、青山学院大(文)、明大(法)、東京理科大(工)、立教大(経)、聖マリアンナ大(医)、同志社大(経)(商)、立命館大(法)(国際関係)
 偏差値62・・・100人中12番 ⇒ 法政大(文)、明大(経営)、明大(理工) 
 偏差値60・・・100人中16番 ⇒ 中央大(経済)、中央大(商)、法政大(経営)
 
 偏差値57・・・100人中24番 ⇒ 北大水産、北海道教育大(札幌)、学習院大(理)、北里大(看護)、芝浦工業大(工)、東京薬科大(薬) 
 偏差値55・・・100人中31番 ⇒ 小樽商大(商)、北星学園(文)、旭川医科大学(医看)、自治医科大(看護)、共立女子大(家政)、日大(経済)、日大(理工)、法政大(理工)
 偏差値53・・・100人中38番 ⇒ 専修大(法)、専修大(商)
 偏差値52・・・100人中42番 ⇒ 北海道医療大学(看護福祉)、駒澤大(経済)、専修大(経済)、創価大(看護)、東海大(海洋) 
 偏差値51・・・100人中46番 ⇒ 藤女子(文)、北海道教育大(釧路)(岩見沢)、東洋大(生命科学)、産業能率大(経営)
 偏差値50・・・100人中50番 ⇒ 創価大(経済)、大東文化大(文)、拓殖大(外国語)、東京電機大(未来科)(工)(理工)、東洋大(食品)、神奈川大(法)  

 偏差値49・・・100人中54番 ⇒ 釧路公立大(経済)、北海学園(経済&経営)、日本赤十字北海道看護大学
 偏差値48・・・100人中58番 ⇒ 室蘭工大(工)、北海道医療大学(薬)
 偏差値47・・・100人中62番 ⇒ 北見工大(工)、北海道医療大学(心理科学) 
 偏差値45・・・100人中69番 ⇒ 北海道薬科大(薬) 
 偏差値42・・・100人中79番 ⇒ 北海道科学大学(未来デザイン)
 偏差値40・・・100人中84番 ⇒ 札幌学院大(経営)、北海道情報大学(医療情報)
--------------------------------------------



<ebisuの感想と意見>
 大学へ進学するなら真ん中(偏差値50)以上の大学を選びたい。45以下の大学は知名度が低いから就職のときにたいへん苦労することになる。偏差値40以下の大学は成績下位20%を切るので、出身大学で低学力と判断されることを覚悟しておかなくてはならない。大企業から募集は来ない、優良な中小企業の募集もほとんどないだろうから、必死の努力で評価の高い公的資格をいくつか取得しておきたい。

 根室の市街化地域の中学校3校で学年トップクラス(上位1割)はだいたい偏差値48~60程度の大学へ進学している。学年3番でおおよそ全国レベルでは真ん中の成績といったらびっくりするだろう。全国基準ではそれほど低学力だということ。
 最近6~8年間は中学生の学力低下が著しいから、中学校の学年トップクラス(学年順位3番)で偏差値50に届かなくなってきている。
 それでも市街化地域の中学校でダントツにトップ(1年を通してすべての学力テストで学年トップ)なら高校生になればベネッセ全国模試では偏差値60超と考えてよい。大体の目安である。
  全道の公立中学校で実施されている文協学力テストは難易度が低いが、それでも500点満点で480点を超える生徒(3年次だと五科目300点満点で280点)が10年に一度は現われる。そういうレベルの生徒は全国レベルで上位5%以内、偏差値で67超と考えてよい。
 塾へ通わずに中学校の学力テストで450点超の生徒はいまだ磨かれぬ原石であるから高校で、上手に育てることができれば、医学部へ進学可能だ。地元の医師は地元で半数くらいは育てる教育政策を持つべきだ。

 1年生は文系・理系に分かれないで模試を受けるから、根室高校普通科の分布全体が見えるが、2年生からは文系・理系に分かれるので、根室高校全体の平均的なところが全国レベルでどういう偏差値なのかが読みにくい。
 大雑把に言うと、文系大学と理系大学進学志望は50~60名。そのうち文系は35~40名で残りが理系だろう。その集団の中で平均的な成績の生徒(校内偏差値50)だと、全国偏差値はおおよそ47付近にある。
 三年生を例にとると根室高校と根室西高校の両方で260名くらいだろう。そのうちの上位19~23%の平均、つまり同学年の成績上位10%付近の学力を有する生徒で全国偏差値47以下というのが実態である。
 大学入試偏差値で半分の50を超える生徒は根室高校普通科でおおよそ15~20人程度。根室高校普通科を全国平均レベルと假定すると、偏差値50を越える生徒は60人いなければならないが、わずかに1/3~1/4というのが根室の子供たちの学力の実態。
 同学年が全国には120万人いて、大学生の入学定員は60万人に膨れ上がっているから、全体で見ると定員割れの状態。真ん中よりも上のレベルの大学へ進学できる生徒が根室はたったの6~8%ということになるから、教育の地域格差の大きさに驚く。全国レベルでは同学年のすべての生徒の25%が偏差値50以上の大学へ進学しているのに、根室は推薦を入れても6~8%しかいない
 教育という基礎がぼろぼろだから、根室の町が長期的に衰退しているのも肯ける。産業や企業、そして行政のいろいろな分野で学力の高い人材が著しく不足している
 親の教育への関心度、ブカツの在り様、小中学校の先生たちの授業、塾の在り方、地域(道と市町村)教育行政のビジョン、学力や学歴と社会的地位や年収との関連についての無知などさまざまな障害があるのが現実

 それでも具体的なビジョンを策定して、小中高の先生たちと保護者そして生徒が自ら努力すれば、教育の地域格差はかぎりなく縮めることができる。30年後のふるさとの町のためにわたしたち大人は学力向上に関する対話をはじめなければならない

#3751 進研模試偏差値と得点の目安 Jun. 7, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-06-07



にほんブログ村