『広報ねむろ1月号』が今日届いた。裏表紙に「根室市の人口」が前年同月比較で載っている。
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人口 28,291人 (-477)
男 13,598人 (-225)
女 14,693人 (-252)
世帯数 12,884世帯 (-36)
(カッコ内は前年同月からの増減を表す)
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団塊世代が高校を卒業する辺りが根室の人口のピークで4.9万人だった、その頃の中標津の人口はおおよそ三分の一の1.6万人、46年の歳月は二つの町の人口を近づけた。
根室の人口減は止まらないどころか、加速している。10年前には年間減少数は400人前後だったが、この数年は450~480の間が多い。北海道新聞が数年前の12月に人口減が加速しているというニュースを載せたが、いまではニュースとしての価値すらない毎月の現象。五年単位で人口減少をみると減少加速の様子がよくわかる。
2000年 -1784人
2005年 -1948人
2010年 -2001人
わたしたちも町の衰退と人口減少に麻痺してなす術がない。市は移住者を増やそうとか予算を使ってやっているようだが、方向が違う。人口縮小は避けられないのだから、ソレにあわせた政策を急ぐべきだ。たとえば、空きや対策(全国的には14%がすでに空家、根室の比率はさらに高いだろう、市は調べるべきだ)条例を制定して、取り壊しを市がやるべきだし、そのための将来コストを積み立てなければならぬ。人口が縮小するなら学校の統廃合も急がなくてはならぬ。メンテナンス費用がかさむから大きな施設は要らぬ、明治公園の再開発もやめるべきだ等々。
東京オリンピックの年、7年後の2020年には根室の人口は2.5万人だ。人口を増やそうなどとは思わないことだ。人口減少でけっこう、7年後に2.5万人、27年後の2040年には1.8万人の予測の下に町の将来ビジョンをつくればいい。やるべきことはたくさんある。27年後には3件に一件が空き家になる。
このところ毎日のように入ってくる新聞折込の葬儀案内をみていてあることに気がついた。いま手元にたまたまある5枚の葬儀案内をみると、お亡くなりになった方々は、
A 85歳
B 94歳
C 91歳
D 89歳
E 84歳
となっている。
喪主が根室になっているのが4つ、子どもが根室にいるのは2つ、孫は全員根室外である。亡くなった方の子どもの年齢はおおよそ50~60歳くらいだろう。孫は20~30歳くらい。
ここから浮かび上がるのは、老夫婦のみが根室に住み、子どもが根室に住んでいるケースは半分以下、20歳を過ぎた孫が根室にいるケースはこれら5件のサンプルにはなかったから、いたとしてもレアケースということ。
たった5件のサンプルでは統計的に確かなことはいえないが、家族構成の実態には近いものがある。一族は地域的にはバラバラに住んでいるということ。
根室の老人人口はおおよそ9000人、あらたに65歳以上になる人も入れて、20年間に9000人なくなるとすると、年平均450人の人口減。出生数を150人、高校を卒業して根室から出て行くのは240人中180人とする。地元に残る率はおおよそ25%だ。
-450
+150
-180
-480
こうやってみると、年間400~500人弱の人口減少はしばらくの間は避けがたいようだ。
大きな施設は要らぬ、学校も市街化地域に集めいずれ小中学校それぞれ2校体制になるだろう。統廃合による財政負担軽減のメリットは北海道にでるから、統廃合を進める代わりにマイクロバス送迎に関わるコスト負担は北海道にお願いすればいい。14歳以下の年齢層の人口予測データは次のようになっている。
14歳以下 | 総人口 | 14歳以下 | 年齢別平均 |
2010年 | 29,201 | 3,565 | 238 |
2015年 | 27,203 | 3,027 | 202 |
2020年 | 25,390 | 2,533 | 169 |
2025年 | 23,494 | 2,185 | 146 |
2030年 | 21,571 | 1,910 | 127 |
2035年 | 19,697 | 1,731 | 115 |
2040年 | 17,892 | 1,580 | 105 |
根室高校の現在の定員が200人である。10人から20人根室外の高校へ進学するから、まもなく根室高校1校で間に合うということ。7年後の2020年には169人、12年後の2025年には1学年平均146人となる。実際には年齢が下がるほど少なくなり、年齢が上のほど減少にタイムラグが出る。真ん中の7、8歳児の平均値が表にある「年齢別平均」ということになるのだろう。
推計値から見ると保育所の数も幼稚園の数もまもなく半分で充分となる。中学校ですら2020年には一学年190人程度になるのかも知れぬ。学校は1学年100人くらいの規模がほしい。集団競技のブカツが成立たなくなる。学校の適正規模と統廃合に関する議論をすべきだ。市内2校体制を5年後に実現するぐらいの具体的なビジョンをもつべき。
市立根室病院は療養病棟がないから、患者数も売上も人口減以上に減るだろう。インチキな売り上げ増を予定したの「~基本計画」などはさっさとやめて、人口減と療養病棟のない実態に合わせたシミュレーションをすべきだ。病院の放漫経営にもストップをかけておかないと、
赤字拡大⇒赤字繰り延べ⇒後年時負担増
と、夕張市のように病院身売り(=市立根室病院廃院)せざるをえなくなる。
小さな町でも、サイズに合わせて充実したよい町にはできる。それには無理に移住者を増やして人口を増やそうなどとは考えぬことだ。日本全体が人口縮小時代に突入しており、根室は少し先を歩いているだけ。
市議諸君は大きな目で見て、大局的な判断を誤ることなく、個別の政策をしっかりチェックして、根室市の予算規模縮小を粛々とやってほしい。
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*#2272 根室 「57年間の人口推移+27年間の推計一覧表」 Apr. 23, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-23-1
ーーデータのみ抜粋引用ーー
【根室市の人口データ】 | ||||
人口 | 対前年変動数 | %CH | ||
1957年 | 36,813 | |||
1958年 | 37,611 | 798 | 2.17 | |
1959年 | 39,629 | 2,018 | 5.37 | |
1960年 | 41,569 | 1,940 | 4.90 | |
1961年 | 43,307 | 1,738 | 4.18 | |
1962年 | 44,912 | 1,605 | 3.71 | |
1963年 | 46,751 | 1,839 | 4.09 | |
1964年 | 48,629 | 1,878 | 4.02 | |
1965年 | 49,446 | 817 | 1.68 | |
1966年 | 49,896 | 450 | 0.91 | |
1967年 | 49,641 | -255 | -0.51 | |
1968年 | 49,892 | 251 | 0.51 | |
1969年 | 47,696 | -2,196 | -4.40 | |
1970年 | 45,172 | -2,524 | -5.29 | |
1971年 | 44,515 | -657 | -1.45 | |
1972年 | 44,707 | 192 | 0.43 | |
1973年 | 44,856 | 149 | 0.33 | |
1974年 | 44,985 | 129 | 0.29 | |
1975年 | 44,763 | -222 | -0.49 | |
1976年 | 44,688 | -75 | -0.17 | |
1977年 | 44,291 | -397 | -0.89 | |
1978年 | 44,073 | -218 | -0.49 | |
1979年 | 43,766 | -307 | -0.70 | |
1980年 | 43,449 | -317 | -0.72 | |
1981年 | 43,133 | -316 | -0.73 | |
1982年 | 42,549 | -584 | -1.35 | |
1983年 | 42,266 | -283 | -0.67 | |
1984年 | 41,814 | -452 | -1.07 | |
1985年 | 41,317 | -497 | -1.19 | |
1986年 | 40,444 | -873 | -2.11 | |
1987年 | 39,541 | -903 | -2.23 | |
1988年 | 39,010 | -531 | -1.34 | |
1989年 | 38,335 | -675 | -1.73 | |
1990年 | 37,856 | -479 | -1.25 | |
1991年 | 37,250 | -606 | -1.60 | |
1992年 | 36,799 | -451 | -1.21 | |
1993年 | 36,447 | -352 | -0.96 | |
1994年 | 36,041 | -406 | -1.11 | |
1995年 | 35,560 | -481 | -1.33 | |
1996年 | 35,217 | -343 | -0.96 | |
1997年 | 34,835 | -382 | -1.08 | |
1998年 | 34,534 | -301 | -0.86 | |
1999年 | 34,183 | -351 | -1.02 | |
2000年 | 33,859 | -324 | -0.95 | |
2001年 | 33,488 | -371 | -1.10 | |
2002年 | 33,028 | -460 | -1.37 | |
2003年 | 32,668 | -360 | -1.09 | |
2004年 | 32,266 | -402 | -1.23 | |
2005年 | 31,771 | -495 | -1.53 | |
2006年 | 31,381 | -390 | -1.23 | |
2007年 | 30,881 | -500 | -1.59 | |
2008年 | 30,469 | -412 | -1.33 | |
2009年 | 30,081 | -388 | -1.27 | |
2010年 | 29,596 | -485 | -1.61 | |
2011年 | 29,139 | -457 | -1.54 | |
2012年 | 29,015 | -124 | -0.43 |
【社会保障・人口問題研究所推計データ】 | |||
2010年 | 29,201 | 年平均変化率 | |
2015年 | 27,203 | -1.37 | |
2020年 | 25,390 | -1.33 | |
2025年 | 23,494 | -1.49 | |
2030年 | 21,571 | -1.64 | |
2035年 | 19,697 | -1.74 | |
2040年 | 17,892 | -1.83 |
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