4月5日の北海道新聞根室地域版から。

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 市の人口2万9000人割る 3月末
【根室】市は4日、3月末人口が2万8923人(速報値)になったと公表した。2月末に比べて164人減り2万9千人台を割り込んだ。2010年3月に3万人を割った後も現象が続き、ちょうど2年で千人も減らした。
 前年同月比では407人の減。3月は官公庁や企業の異動による転出が集中し例年人口は大きく減り、4月は転入で多くなる傾向がある。10年4月末は前月比36人減らしたが、11年4月末は同27人増だった。今月、転入が増えれば4月末で2万9千人台を回復する可能性は残されている。
 一方、管内2位の人口を持つ中標津町は3月末、2万3934人(前月比274人減)だった。(栗田直樹)
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 2年間で千人の人口減少のペースは前市長のときよりも年間で100人も多くなっている。年頭の市長の施政方針を市役所ホームページで検索してみた。
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/doc/1db1c7e62c539df0492579d4001f78ad?OpenDocument

平成18年9月に市長に就任し、5年半が過ぎようとしています。この間、一貫して「根室の再生・再興」の理念のもと「希望の根室」を目指し、市民・市議会・産業経済界の皆様との連携を深め、市政運営にあたってきました。
1.「根室再興政策プロジェクトの加速的な展開」

 市長は前年度も似たようなことを言っていたが、人口減少は歯止めがかからぬどころか加速している。「根室再興」は単なるお題目にすぎず、有効な具体策がない。市長は2011年度予算のときにも「3万人を割った人口減少に歯止めをかける」と言明しているが、事実は人口減少の加速である。市長と企画部門の行政能力の欠如を示すものだろう。いやいや、行政だけで人口を増やしたりマチを活性化できるわけではない。地元経済界の役割も小さくないはず。それゆえ、行政の役割を過大視した所信表明自体が世の中の仕組みへの無理解を表すものとなっている。人材不足とはこういうことをさす。

 歴代市長と経済諸団体がお互いに不都合なことはことあげせず、なあなあでやるというのがこのマチの旧弊である。それが続く限り、マチの将来に希望の光は見えぬ。

 どういうわけか自らが招聘した病院コンサルタント長氏の提案(25億円での建て替え案)を無視し、コストカット努力をせずに63億円という巨費を投じて市立病院建て替えが進行中である。病院職員が危機感をもっていた老人医療(療養病床)の問題は無視されたし、市民説明会はついに一度も開かなかった。市長の諮問委員会であった「建て替え市民整備委員会」は形骸化して、審議すらできなかった。当日に資料を見せられて「明日道庁へもって行かないとならないのですぐに承認を」というようなことを市長は平気でやった。憤慨した委員も中にはいたようだ。もう一つ言うと、地域医療協議会が市立病院で老人医療のための療養病床をもつべきだと提言していたにも関わらず、市長はこの要望も無視した。かたくなで閉鎖的な市政運営にあきれている市民が多いのだろう。医療が必要になる前に根室から老人予備軍が"流出"していくことになるだろう。お題目は「根室再興」でもやっていることは「根室衰亡」の手を着々と打っているようにみえてしかたがない。
 最近のことを挙げると、消防のデジタル無線は5.5億円もの予算案を組みながら、何にいくらかかるのか消防本部のホームページを見ても一切説明がない。50もサイトがないのだから、1サイト1千万円以上ものコストがかかることになるのだろう。デジタル無線に救急車や消防車両1台当たり1000万円を超えるのである。何にいくらかかるのかホームページ上で説明すべきだろう。5億5千万円の投資の説明義務が市の消防本部にはある。市議が調べて報告会を開いて公開したっていいし、ブログ上で明らかにしたっていい。それくらいのことはやってもらいたいものだ。
 とにかく市民とのコミュニケーションを拒絶しない姿勢が大事だ。内容がわかれば納得して賛成する市民は多いだろう。

 #1395をクリックしてみてもらいたい。2009年6月に根室青年会議所が実施した市民アンケートの結果が載っている。2011年度2月に市長は「根室に住み続けたいと思う市民アンケートの数値80%台(03年度63.3%)達成も目標に掲げる」とも言った。
 しかし、このマチに住み続けたいと思う人は驚くほど少ない。「できれば住みたくない」と「住みたくない」をあわせると40.1%である。なぜだろう?

 市民の多くはうんざりしている。自然豊かな根室にうんざりしているのではない、相互批判を欠き、不都合な真実に目をつぶり続け、旧弊が維持されることにうんざりしているのだ。旧弊が維持されればこのマチは衰退を続けるだけだ。見切りをつけ、あるいは職を得られずマチを去る市民が増える。
 そんなマチのありように終止符を打ちたい。住んでいる人間がマチを変えるしかない。そのために10年前に古里へ戻ってきた。人を育てることが一番の近道だろう、だから私塾だ。学力が高く独立精神の強い子どもたちを百人育てたい。その中から将来根室を担う者が出てくることを期待している。

 団塊世代のわたしが高校を卒業して東京へ出て行った昭和42年は人口が4.8万人ほどもいた。中標津町は1.6万人だった。比率で言うと3対1、人口差は3.2万人。45年後この二つのマチの人口差は0.5万人(5000人)を割った。根室は2.9万人中標津は2.4万人、この現実を見よ。
 これ以上一部の者たちの恣意的な市政運営=旧弊を続けてはいけない。それぞれが自らの職務を正直に誠実に遂行し、言うべきことを言うべきときに言わねばならぬ。軋轢や摩擦を避けたら旧弊は取り除けない。この地に住むわたしたちに覚悟が求められている。
 ニムオロ塾では学力が高く一人でも戦い続ける強い精神と不屈の根性をもった若者たちを育てたい。そういう者たちがあまりに無少ないからこのテイタラクがある。
 親が旧弊に染まっていても子どもは別である、首都圏で25年間企業経営のプロでもあったebisu塾長がしっかり鍛えてやるからニムオロ塾に来い。このままでは人口減少とともに多くの企業がつぶれていく。親から家業を引き継いで同じ経営のやり方をしていた企業の大半がつぶれた。その中には根室の老舗がいくつも数えられる。


*中標津町人口統計のページ
 http://www.nakashibetsu.jp/nakashibetsu.nsf/doc/jinkou?OpenDocument

*#1187 無投票市長選 数字で見る根室の課題(2):人口推移 Sep.2, 2010 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-02

 #1395 根室市23年度予算案:「根室再興」???  Feb. 25, 2011 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25

 

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