スリーマイル島の原発事故から32年、集会に参加するマスクをした反原発グループの一人がこのようなプラカードを掲げている。(北海道新聞3月29日夕刊1面)
 TO OUR JAPANESE FRIENDS,
         WE ARE PRAYING FOR YOU.
 
 放出放射能の総量はスリーマイル島の原発事故の19万倍(290万キューリー)、チェルノブイリの10%に達している。菅政権は視察でベント放出の時間を遅らせ、結果として爆発事故を引き起こした。素直に認めないと前に進めない。なす術がないのだろうから、現状を素直に認めてフランスや米国に協力を仰げばいい。聞くところによると、菅政権はどちらの具体的な協力要請も断ったという。仕事のできない人が権限をもつとこういうことになるのだろう。市民運動をやっているのとはわけが違う、起きているのは世界史上空前絶後の4機同時の原発事故だ。面子にこだわり続けている場合ではない。事態はあなたと枝野官房長官の能力で処理できる範囲をとっくに超えている。もう19日経つが、原子力安全・保安院にも東電にも当事者能力は無い。現地入りして事態の統括・調整をしようとすらしない海江田経済産業大臣も戦争(仕事)の仕方を知らないお子ちゃまである。

 前回、MOX燃料を使用している3号機について、原子炉格納容器あるいは原子炉圧力容器の天井部分が3月14日の「大爆発」で吹き飛んだのではないかと報告した。1号機が真横に広がったのに対して、3号機の爆発は横に白煙が広がり真上に勢いの強い黒煙が吹き上げ、その煙の中から大きな構造物がばらばら落ちたこともたいへん気になる。MOX燃料にはプルトニウムが4~9%含まれている。

 ところで、武田邦彦氏という放射線取扱の最高資格である第1種技術者がブログでプルトニウムの「毒性」について書いている。人体への影響はウランと同様であり、特段別扱いする必要はないという論旨で、消化器系へ取り込まれても排泄されるので大丈夫と言い切っている。

 素人の私がどうにも解せないのは、プルトニウムはアルファ線を強く出すということ。ヨウ素やセシウムがガンマ線を出すのとはことなること。もちろん、半減期はヨウ素131が8日、セシウム137が30年に対しプルトニウムは2.4万年と比較にならないほど長い。

 武田氏は呼吸器系への体内被曝について書いていない。肺に取り込まれたら排泄できないことは専門家の「常識」である。しかも、プルトニウムはアルファ線をし細胞の遺伝子を強く傷害するから、周囲の細胞が癌化することは想像に難くない。専門家はガンマ線の20倍の発がん性があると主張している。

 セシウムだって重い、プルトニウムの微粒子がチリが風に乗って飛んだり、水に溶け出して拡散する恐れはないのだろうか。

 武田邦彦氏のブログと産経ニュースを並べて紹介するので、両方読んで冷静に判断していただきたい。

*「原発 緊急情報(32) プルトニウムの毒性」
http://takedanet.com/2011/03/32_f654.html

*「プルトニウムQ&A 検出にはどんな意味があるのか」産経ニュース、(2011.3.29 14:31
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110329/dst11032914350033-n1.htm 

【要旨抜粋】
 アルファ線とは。
 透過力が弱く、空気中では3センチも進めず、水も通り抜けられない。しかし、人体に入ったときの影響力はヨウ素などから出るガンマ線の約20倍とも言われている。」

 プルトニウムは重い元素であり、遠くには飛びにくいと考えられている。ただ、今回は原子炉建屋の外でも高濃度の放射性物質が検出されており、専門家は「動向をチェックすることが必要だ」と指摘。東電は今後も土壌を定期的に採取して調べるとしている。」

 気体となって放出されるヨウ素やセシウムと違い、プルトニウムは沸点が約3232度と非常に高く、気体状になる前に溶け出したと考えられる。これは、損傷した燃料そのものが水に混ざって外に出ている可能性があることを意味し、より深刻な状況になったといえる。」


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