1週間ほど前に北海道新聞が市立病院の医師の増減見込みについての取材記事を載せたが、科別の増減人数だけで、なぜそうなのか、どういう医者が来るのかについては情報が公開されていない。毎年予算の時期になると好い加減な情報、あるいは希望的観測の積み上げのごとき医師獲得情報が流される。予算書の辻褄併せの材料でしかないので、ほとんどが根拠のないものだが、わたしたち市民はその都度期待しては裏切られる。まあ、勝手に期待して勝手にがっかりしているだけなのだが・・・

 根室の地域医療がどうなるのか、院長は市立病院トップとして医師招聘や運営方針についてもっと市民へ説明してもらえると患者や家族の協力体制も違ってくるのではないかと思う。都合の悪い情報も都合の良い情報も、なるべく包み隠さず正直に話すことで相互理解と相互信頼の絆を深めることができるはずだ。
 療養病棟のないことを含めて市民は根室の医療体制について不安を抱いている。

 コメント欄へどういう事情で科別の医師数が増減するのか、解説を寄せてくれた人がいる。病院が決して語ることのなかった情報も含まれている。
 最後の数行は都合により端折った。続きはコメント欄を見ればわかる。コメントを寄せてくれた人に感謝したい。

 内科の2名減は、元々本来は札医大1内からの消化器内科1名のところ、新しい医師が赴任したのに先任者も残ったため2名だったので、その二人が3月一杯で退職し新たな派遣が正規の1名だけなので1名減。更にやはり札医大卒の一般内科師が定年で辞めるため、内科全体で2名減となるようです。つまり来年度の内科は院長(一般内科・札医大2内)、消化器内科医1名(札医大1枚)、循環器内科2名(北大)、一般内科1名(北大2内)の5名と言う表向きの布陣ですが、実際には内科医はもう一人居ます。
 現在透析室を管理しているU医師は元々内科医です。病院側は何故か彼女を内科として表示せず泌尿器科としています。確かに1年前までは透析室は泌尿器科が管理していて彼女が手伝っておりましたが、彼女はあくまでも内科医で泌尿器科医ではありません。誰が考えても可笑しい所属のままなのは、対外的に透析室は泌尿器科が管理している(一般に多くの病院では泌尿器科が透析室を管理しているので泌尿器科医は透析も専門のことが多い)と思わせるための作戦なんでしょうか。

 件の産婦人科医は結局根室にくるようですね。あれ程北大小児科絡みで揉めて一旦は病院の方から招聘を諦めたと聞いていましたが・・・


 一言付け加えておきたい。日本では医師免許さえ持っていればどの科を受け持とうが違法にはならない。たとえば、整形外科のトレーニングを受けたことがなくても、医師免許さえあれば整形外科を標榜するクリニックを開設できるのである。経験のない整形外科手術をしても医師法上は構わない。しかし、本来は経験のある医師の下で修行を積むべきだし、医療倫理上好ましくないことは言うまでもない。。
 専門医制度が米国とは違うので、特別な研修を受けていなくてもオールマイティに診療できるのである。
 専門性が要求される診療は専門医が当たるべきことは、患者の立場になって見なくても用意に理解できるだろう。くれぐれも言うが、医師法上違法ではない。
 根室のような医療過疎地域ではある期間はこのような状況を甘受しなければならないこともある。それは、医療側と患者側と理解と納得ずくでなされることが望ましい。コメントを寄せてくれた人はその辺りも心配しているのだろう。


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