11日付北海道新聞根室地域版に市立病院建て替えの入札記事が載っていた。見出しと冒頭部分だけ転載する。記事本文は新聞で読んで欲しい。入札情報は市のホームページのアドレスを貼り付けておいた。

 入札に総合評価方式
 市初導入 地域貢献度なども加味
【根室】市は市立根室病院の改築工事の競争入札に初めて導入した「総合評価落札方式」を、新年度の公共工事入札にも適用していく方針だ。入札金額の多寡だけでは低価格競争が進むため、企業の能力や地域貢献の取り組みを加味することで品質の確保を図る。
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 入札したのは「鹿島・岩倉・渡辺」特定建設工事共同企業体の20.13億円で、もう一つのJVが19.79億円だ。なんと金額の高いほうが「正々堂々と落札」しているのだから、驚かざるをえない。入札の常識を覆すできごとである。

 理由もなしに突然新評価方式など持ち出すはずがないではないか。なぜ、こういう入札方式を突然持ち出したのかは、評価点を見るとわかる。二つのJVの評価点で差が出ているのは「地域貢献度」である。除雪などでの地域貢献が高かったということだ。
 これでは土木工事を主体に受注しているW建設のJVが落札するに決まっている。地域貢献度の評点の差2点がそのまま総合点の差である。W建設は政治力がある。どの政治家が関与していたかは35年間ふるさとを空けていた私は疎いが市民はその実態をよく知っている。
 これで、市長が誰のタメに市初導入の入札方式を採用したのか分かるだろう。このような入札方式では他の業者が落札できるはずがないからである。現に最低入札業者が落札できなかった。入札に参加したジョイントベンチャーは2社のみである。勝負は入札前からついていた。
 残念ながら市議会でも問題にはならないだろう。このような評価方式を実施すれば、市とつながりの強い業者が仕事を独占することになり、新規参入が困難になる。他地域からの算入も不可能になる。つまり「オール根室」という「根室村の仲良しクラブ」のメンバーにならなければ市からの受注はますますできにくくなるということだ。市の発注工事金額は高くなり、歳出予算規模が膨らみ財政が危うくなる。いままでだって、共産党以外に反対票を投じた反骨精神のある議員は一人もいないのだから、今回もこのような入札方式の導入を追及し反対する議員はいないだろう。自分の立場や利益を度外視して、ひたすらふるさとのために考え行動できる市議が一人もいないということだ。数人でいいからかっこいい市議が出て欲しい。無理だろうか?
 根室の凋落はこういうところから弾みがついてしまう。根室村では絵に描いたような「非関税障壁」「不公正競争」ともいえる「総合評価方式」を導入した。旧弊はますます成長し根室はますます衰退する。
 国勢調査の結果も昨日出た、人口は2.9万人だ。人口減少が加速している。市議会も町議会の規模で十分だ。定数は15人程度で十分だろう。あるいは、月額報酬を10万円にして30人にするという手もある。いまのままではオール与党で市政チェックができぬ。

 1月中旬の根室高校芭蕉同窓会に行ったときのこと、誰かが言った。根室を牛耳っているのは昭和19年組み。市長、W建設社長、根室漁業組合長の名前を挙げていた。もう一人誰かを上げていたような気がするが、忘れた。つまり、かれらは「同期の桜」ということだ。
 われわれ団塊世代はどういうわけか一人も市役所に勤務したものがいない。保険金詐欺事件でマスコミに取りざたされた組合理事長とは違って、根室漁業組合ではしっかり仕事をして定年を迎えた者ばかりで、物を言わない実直な仕事人だ。こういうときに同期で名前が一人も上がらないのは幸いである。もちろん同期で誰かがふるさとのためにならないことをしたら、いさめる同期が何人もいる。私たちは高校時代も含めて学生運動が強かった時代をくぐっており、私利私欲や恣意的な振る舞いを嫌った世代だ。世代間でこうも考えが違うのかと驚いている。

 総合評価点や入札金額等については市のホームページにあり閲覧できる。
*「市立根室病院改築工事入札結果」
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/doc/5093d9d779458dae4925782b0014ff55?OpenDocument?OpenDocument


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