1234、連続番号となっているので、なんとなく勢いがありゲンがいい。寒くなった、夜は10度近くまで気温が下がるようになった。夜中から雨が降り続いているから、体育の日(明日?)ではあるが外出を控えた人も多いのではないだろうか。わたしも今日は遠出の用事があったのだが、予定を変更してこうしてブログを書いている。

 さて今日は北海道新聞10月9日根室版の記事を紹介しよう。敏腕記者の記事と本田議員のブログに貼り付けられている資料とつき合わせてみたらどういうことになっているのかなおよくわかる。

根室市議会
 病院建て替え問題 焦点
  12日開会 工事費など予算提案
【根室】12日に開会する第3回定例市議会では、市立根室病院建て替え問題が最大の焦点になる。本体工事費を盛り込んだ補正予算案が初めて提出され、総事業費の膨らんだ理由や今後の経営展望など、9月に再選された長谷川俊輔市長は2期目最初の議会から、市民への丁寧な説明が求められる。(幸坂浩)

 病院事務局によると、建て替えの総事業費は62億7800万円。9月の市議会特別委の理事会には55億3千万円と報告されたが、その後、基礎工事費や電気工事費が当初予定より増えた結果、金額が膨らんだという。
 今回の病院事業会計補正予算案に計上された建て替え総事業費は計1億5163万円。来年2月に着工する病院本体工事費のほか、現病院の一部解体費用も盛り込まれた。
 新病院の機能面では、構内には路線バスを乗り入れさせず、外来レストランを設置しない方向で検討が進められており、これらも議論になりそうだ。
 一方、建て替えと並んで、病院経営も重要だ。9月に明らかになった病院事業改革プラン改訂版では、収支不足を補う一般会計からの繰り入れが、2015年度まで毎年9億~11億円と見積もられていたる。市立病院を将来にわたって健全に経営していくためには、繰り入れの圧縮が大きな課題となる。
 定例会では、長谷川俊輔市長が初日に所信を表明。13~25日の休会をはさんで、26日に代表質問が行われる。

 < コメント >
(1)総事業費について
 9月の建て替え特別委では55.3億円と説明しておいて10月になると62.7億円。病院事務局がいかにでたらめな仕事をしているのかが分かる。作る資料がことごとく信用のできない、ありていに言えばインチキ資料だ
 システム開発費用の7億円を外したままのようだから、実際は69.7億円の総事業費となっているはずだ。
 基礎工事や電気工事でいまさら増額になるような好い加減な仕様の詰めをしていたということだ。基本設計が好い加減か、院内での仕様の詰めの作業が杜撰だったとしかいいようがない。
 建築で気をつけなければならないのは、仕様変更である。業者はこれにつけこんで工事費を膨らませ、売上を増やそうとする。なんだかすでに業者と工事仕様について詰めの作業をしているような気配だ。通常このような変更は業者を選定した後で行われる作業であり、業者選定前にこのような変更はない。何かおかしい。病院事務局が何をしているのか情報公開が必要だ。「不都合な事実」がぞろぞろ出てくるに違いない。
 基本設計を2度もやり、これまでに1億円近くも業者に支払ってきたのではなかったか?それらがこれほど杜撰だったということだ。市長や事務長の責任問題のレベルだろう。
 市長のリコール請求があってしかるべきだが、共産党を除いてはすべて市政翼賛議員だった過去の経緯からみて、不信任議決は無理だろう。しかし、他の市議の色分けを確認するために不信任案は提出してもらいたい。誰が賛成し誰が反対したのか市民が知ることができれば、根室の市議選も次回から変わるかもしれない。
 もちろん他の議員も発言すべきだ。病院建て替えについての市民説明会を求めた三人の市議を見て、他の市議が動くだろうか?これほど杜撰な計画を見過ごす市議がいたら、市議の資格はないとebisuは思う
 根室市民のどれくらいの割合がebisuのこの意見に同意してくれるだろうか。病院建て替え問題を契機に市民意識が変りつつあるようだから、この問題に無関心な市議の次の選挙は厳しいものになるかもしれない。そうした緊張関係が根室の町には必要だ。

(2)路線バスの乗り入れ等
 路線バスの乗り入れが外された。ヘリポートをつくるためだろう。現有地は狭いから、ヘリポートを造れば駐車場も著しく制限されざるをえない。ヘリポートを最優先で考えるなら、現有地での建て替えはすべきではない成央小学校がいい。場所の選定を間違えているということだ。振り出しに戻して候補地の検討からやり直すべきだろう。
 たった135ベッドの病院にレストランは不要だというのがebisuの意見。理由は採算が取れないから経営上の負担になることにある。そこで代案だが、病棟ごとに患者が眺めのよい配置で食事をできるスペースをつくればいい。ベッドの上での食事はまずい。患者の身になって考えるべきだ。デイルーム件食事室を作ればそこで見舞い客と談話もできる。こういうことをきちんと詰めてから基本設計すべきで、市側のやり方は本末転倒である。これでは設計にいくらお金がかかるかわからない。想定しうる仕事のやり方の中で最もバカなやり方だろう

*確認したところ、デイルーム兼食堂は病棟ごとにある。軽喫茶機能が必要かどうかは、市民説明会で皆で議論して結論を出せばよい。病院経営の負担にならないように、経営の民営化という選択肢もあという。意見が相違していたら、それぞれ思うところを主張して、結論は市民が出せばよい。

 外来ブース30という、バカな話はどうなったのだろう。積み上げで要求を入れていけばとんでもない病院になる好例だろう。各部門の要求を重ね合わせただけ、コストカットの努力の微塵もない仕事だ。カルテの集中管理をすれば外来ブースは20も要らない。135ベッドの病院規模なら15前後でいいのではないだろうか。外来患者数は2009年度574人/日弱である。

*小児科5診療室、整形3診療室、・・・カルテを集中管理すれば個別に診療室を設ける必要はあるのだろうか?要検討事項だろう。業務フローすら見直さない院内情報システムということがハッキリした。院内プロジェクトは「御用聞き」仕事だ。22~25億円という売上規模に比して7億円というのはおよそ経済的に引き合わない法外な巨費といえる。業務の見直しをして実務設計すらしなかったのだから、7億円をどぶに捨てたようなものだ。
 もう一点、4階の病棟が150ベッド以下の病院では例がないほど広い観察室を二つ、他に三つもっている。必要なのだろうか?ナースステーションや倉庫の予備スペースとなるのではないだろうか、最初からそのつもりかもしれない。用途の不自然な「観察室」群がある。面積が広いと暖房費がかかる。外断熱にすれば暖房費は半分ですむが、基本設計に外断熱はないようだ。いたずらに広い病院は病院コンサルタントが維持費の点からもやってはいけないと戒めていた。自治体病院にはそういう病院が多いという。事務長の能力が低く、御用聞き仕事しかできないからだろう。

(3)経営問題について
 2010年度予算では実質赤字6.8億円、それが9月の「改革プラン改訂版」では9.6億円に、そして10月12.3億円への拡大がアナウンスされたこの数字は私が予算作成前から言っていた数字だ。この数字で予算を作るべきだった。予算額6.8億円の2倍の実質損失である。いかに数字合わせの予算であるかがわかる。12億円の実質赤字の「改革プラン」をつくれば、道は起債許可を下ろさなかっただろう。道庁の審査もまた形式主義で、実質を欠いたものであるかが分かるだろう。共犯といってよい。道庁の実質を無視した起債審査は根室市民だけでなく道民の信頼を損なう。
 さて、麻酔科医が9月に退職してもう1ヶ月がたった。外科手術は激減だろう。入院患者数もどんどん減っているに違いない。昨年実績から考えて、実質損失は13億円を超えるかもしれない。決算で補填できなければ「不良債務」として残る。この「不良債務」とは行政用語だ。4月以降数人の医師が退職しそうだ。さらに、地域医療派遣枠で来ている医師の期限が再来年に切れる。4名だ。補充はないから、根室市独自に見つけなければならない。看護師・准看護師のH26~28年の大量定年退職が間近に迫っている。経営の傾いている病院に新人の看護師はなかなか応募してくれないから、人員が確保できずに病棟閉鎖も十分想定しうる事態だ
 仮に病院建設や更新設備等の償却負担増加額が年間4億円とすると、最低でも16億円の実質赤字、それに人員確保ができずに一部病棟閉鎖などがあれば20億円を超す年間実質赤字がでるだろう。財務課に聞いてみればいい。どこにもそのような財源はない。つまり、精度の高い計画を作り、総事業費の40%のコストカットをし、経営改善をしなければ、病院建設は根室市の財政破綻の引き金を引くことになる

 病院事務局、事務長、院長、副市長、市長はでたらめな説明を繰り返すのをやめて、病院建設を1年延期すべきだ。嘘は嘘を呼ぶ、辻褄合わせをするために次々嘘をつくのをやめて、正直に誠実に仕事をしろということだ

*本題議員ブログ「4回目の議員活動報告会を開催しました」
 この中に「説明資料PDFファイル」があるのでクリックしてみてほしい。病院事務局のものとは違い、しっかりした資料だ。
http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/10/post-f426.html

 本田議員はこう言っている。
>市民と協働のまちづくり? 何を共に行うのかさっぱり理解できません。
>協働のまちづくりを進めるというのであれば、真実を、正しい情報を開示し、市民が自ら意思決定をできるようにしなければならないのではないでしょうか。
>辛い選択、我慢という選択も市民が自らできるように...

 本田市議の当該ブログにコメントを記入したら、すっきりしたお答えがあった。自立した市民同士によるコラボレーションが生まれつつあるのだろうか?あわせてお読みいただければ幸甚である。


にほんブログ村