市立根室病院が経営改善のために126万円かけてコンサルを導入すると言う。病院にはたしか経営推進という部署があったはずだが、担当部署があり、課長がいるのになぜ外部コンサルが必要なのだろう?

 民間会社で外部コンサルを導入することはある。原因も対策もわかってはいるのだが、社内力学上言い出せないときに、外部コンサルを使って言わせる、そういうケースがある。だが、市立根室病院はそうではないようだ。大真面目に経営改善をしたいがために外部コンサルを導入するらしい。
 経営改善をやるために2年前に「経営推進(課?)」を新設したはずだ。経営改善は進んだか?一つも進んでいない。赤字の額は10.5億円から12.2億円に増えたから、経営改善のスキルのない者が配置されていたのだろうか。そういう経営スキルのあるものは市役所内には一人もいないだろう。民間だってそういう人材は滅多に見つからないものだ。
 専門部署を新設しても効果がないばかりか、赤字はさらに拡大した。そして今度はその尻拭いに、有料の外部コンサル導入である。わたしは「有料」ではなくて「優良」コンサルかと読み間違えるところだった。

 目標はなにか?2年間で赤字を10億円以下にするとか、3年で8億円に減らすとかいう具体的な目標があるのだろうか?ただ漠然とコンサルを入れても効果がない。コンサル会社は怪しげなところが多いので少し心配だ。道新記事を見てもどこに委託したのか会社名が載っていない。どういう基準で選んだのだろう。
 たしか6年前の90億円のニホロ移転案も札幌の業者だった。コンサル会社だったか、設計事務所だったか、定かでない。たいそうなお金を支払ったはずだが、まさか同じ業者ではあるまい。病院コンサルの長隆氏が「とんでもない業者」と講演会議事録かどこかで言っていた。そういう類の業者でないことを祈ろう。

 それにしても屋上屋を重ね、無駄に無駄を重ねる、わが町の市長殿はいったいどういう金銭感覚をしているのか?

 市立根室病院
 経営改善へコンサル導入
               札幌の業者と近く契約
【根室】市は大幅な赤字が続いている市立根室病院の経営チェックを、病院経営に詳しい札幌のコンサルタントに委託する。コンサルタントの導入は初めてで、今月中に正式契約する予定。赤字を減らすためのアドバイスを受け、来年2月着工の病院建て替えに向け、経営改善につなげたい考えだ。(幸坂浩)
  (4月21日付け北海道新聞根室地域版より。詳細は新聞記事をお読みください。)

 病院赤字が12億円を越し、赤字は年々拡大する一方である。「このままの経営状況が続けば市財政がもたない(市幹部)との危機感が背景にある」から、いろいろ策を弄する。
 病院事務局の経営推進課長殿は「病院の収益に関する予算と決算が毎年かけ離れていることを認めた上で、「市民の不安をなくすため、院外の視点を導入して経営改善に努めたい」と話している」。院内の視点しかもちえない経営推進(課?)では病院の経営改善はできませんと白旗を掲げたということだろう。

 ところで2億円の赤字解消は休床中の48ベッドを療養病床病棟にすれば可能だ。何度もブログに書いているが、どうしてすぐにやらないの?たぶん、医師が足りないとか、できない理由を何項目か並べるのだろう。
 できない理由を箇条書きにして聞きにおいで、全部解消してあげるから。来ないって?本気で赤字縮小をするつもりがあるの?

 自分たちでやりうることをやってからコンサルを入れたらどうなのだろう。専門部署を新設しておいて課長職を一つ増やし、効果がないとわかるとさらに外部コンサル導入、あきれた泥縄式のやりかただ。そういえば、ニホロ移転がダメなら現地建て替えという泥縄もあった。総事業費90億円がダメなら60億円、それもダメなら62億円という泥縄も。大人の仕事じゃないね、笑われているよ。

 次々と人とお金をつぎ込むがさっぱり効果のない泥縄の市政に市民はそろそろ本気で怒るべきじゃあないの?市議が市長に賛成ばかりしていた夕張市は破綻した。市議は正直に・誠実に仕事しよう。市政チェックは政策提案と並んで市議の重要な職務だから、副業でそれが出来ないなんていう奴はさっさと辞めてくれ。いまの働きぶりなら定数は半分でも多すぎる。

 もう一度言うよ、根室が笑われている。大人がしっかりしよう。