根室市議選が今日からはじまった。選挙宣伝カーに乗って各候補が回っていた。用事があってちょっとと遠出をして帰ってきた。
 浜中町に「季の実」という手作りパン屋がある。天然酵母のパンで、少し焦がして食べると香ばしい。固くて重いパンが好みだから、よく噛んで食べると美味しさが倍加する。スキルス胃癌を7年前に患ったebisuはよく噛んで唾液と混ぜる必要があるからこういうタイプのパンがありがたい。柔らないパンが好きな人には向かない。こちらから国道を行くと、「デザインファーム」を通り過ぎ、「森のくまさん」を過ぎたところの信号を左折、線路を横断して300mほど行くと道路から3mくらいのところに小さな手書きの看板「季の実」がおいてある。釧路へ用事があったら、一度寄ってみたらいい。
 午後4時過ぎには15度だった、霧の中を航空自衛隊根室分屯地の回りをMTBでゆっくり走った。根室の夏は日本一涼しい。

 4市民運動団体が出した定数削減要望に応えるために市議会には特別委が設置されたが、結局定数は2人減という案を可決して終わった。
 選挙の少し前に現職議員が1人が逝去、選挙が始まってみたら現職二人が引退、新人一人と道議選挙に立候補して市議を辞職した前職が立候補して、定員を一人オーバー、告示日現在で19名の立候補となり、めでたく選挙戦となった。北海道新聞には「激戦」という見出しが載ったが、激戦とは「激しく戦うこと」である。倍率は「19人/18人=1.056」である、これは「激戦」なのだろうか?逆数にすると当選率がでる。94.7%である。国家試験でこんな合格率の高いものがなにかあるのだろうか?大学入試で合格率94.7%だったら、"激戦"というだろうか?今年3月の根室高校普通科は定員120名のところに130名で10名定員オーバだった。近年まれに見る"激戦"だったかもしれぬ。定員割れが常識のわが町では合格率94.7%でも"激戦"という気がしてくる。これでは実質競争なしだから人材が育たない。

 過去3回連続して「定数+1」の選挙選である。今回は新人が立候補しなければ、定数2名減で一人返り咲きで選挙ナシ、全員当選となるところだった。

 旧聞に属するが、7月4日の北海道新聞夕刊に次の見出しの記事が載っていた。
 「初の議会報告会 市民わずか8人」「厳しい意見続々」

 「出席者からは「参加する市民が少ないのは市民と議会、どちらが悪いのか」「通年議会と言われてもなじみがない」「改革の評価は誰がするのか」など不満が続出。これに対し、市議会側は「足を使い、市民に理解してもらう努力をしていきたい」と釈明するのがやっとだった。」

 思うに副業市議がほとんどで、市議として市政のチェックや具体的な政策提案がなされていないから市民運動4団体から定数削減要求がでてきたが、この点に関しては今回選挙でもまったく改善が見られない。

 教育問題一つ挙げても釧路市議会と比べてみたらよくわかる。釧路市議会は副議長の月田議員が超党派の教育に関する議員連盟を立ち上げ、東京都品川区や秋田県の学校を調査し、「釧路の教育を考える会」副会長としても活躍し、昨年12月に「釧路市条例第一号 釧路市の子どもたちに基礎学力の習得を保障するための教育の推進に関する条例」を可決し、実際に教育改革が始まっている。全国の自治体から視察が相次いでいる。
*「基礎学力保障条例」
http://houmu.h-chosonkai.gr.jp/backu/kusirosinokodomotatinikisogakuryokunosyutokuwohosyosurutamenokyoikunosuisinnikansurujyorei.pdf

 全国学力テストの結果によれば、北海道は全国最低レベルだがその北海道の中で、根室は全道14支庁管内で最低レベルである。しかし、市議会はその根室の教育改革に具体的な提案すらできない。何もやっていないよう見える。市議会文教常任委員会メンバーは本業が忙しくて副業のほうには手が回らないのだろうか?

 市立病院建て替え問題では市自らが招聘したコンサルタント提案の2倍以上のコストをかけた建て替え案に市議は一人も反対票を投じた者がいなかった。この件では市議会は存在意義がなかった。
 老健施設の30ベッドの増築に9億円もの補助金支出に関しても誰一人反対していない。ここでも市側のとんでもない提案がフリーパス。厚生労働省の基準では1ベッド当たり200万円だが、根室市は1ベッド3000万円もの建設補助金を支出している。わたしは2000年に首都圏で300ベッド弱の老人病院の建て替えを11億円でやっているので、わすか半分以下の規模の老健施設なら9億円で全面建て替えが可能だと判断する。根室の町ではどうしてこういうとんでもないことがまかり通るのか不思議だ。

 教育問題でも、市立病院建て替えでも、老健施設の増床への補助金支出問題でも、市債発行限度枠に関しても、市議がいても、市民から見ると市政チェックはまったくなされていないように見える。そしていままた、バカげた明治公園の再開発が検討されている。委員長は元信金理事長殿だという。根室市は信金からの借金を増やしているが、李下に冠を正さずというではないか、根室では名士だろうから品よく行動を慎みミッタクナシにはなるな。

 市の借金は計画では減っていくはずだったが、自ら設定した市債発行枠8億円を無視して3倍もの市債を発行している。発行限度枠を守ったら、市役所職員の給料を半額にしても補填できない、それほど市財政は悪化している。
 病院赤字は年々増え、ついに昨年度は藤原前市長時代の8億円の2倍、約17億円もの赤字を計上してしまっている。そして今年度は新病院建物の減価償却費や機器リース料が増えてさらに赤字の額が膨らもうとしている。どれほどデタラメな経営をしたら短期間でこんなに赤字が膨らむのだろう?

 市政チェックには基礎学力が必要だし、病院問題一つとっても資料を読み込み整理し、具体的な反対提案ができなければ市議としての職責が果たせないから時間も必要だ。副業市議ではそういうことをやっている時間も十分にはとれないだろう。だから、専業市議が三人に一人は必要だ。

 そこでだ、専業市議が5人くらい立候補してくれたら素晴らしい。20代30代でアルバイトで生活している者たちが増えているが、ふるさとの根室に戻ってきて市議にならないか。月給31万円だから質素にやれば十分に暮らせる。
 若い人が市議になって渾身の力で市議としての仕事に没頭すれば根室の町は変えられる。経験の足りないところや専門知識の不足するところは及ばすながらわたしたち団塊世代がバックアップしよう。
 出でよ20代30代の活力ある若者たち。世のため人のために渾身の力で4年間働いてみたら、何かがつかめるだろう。

 今日は選挙戦の初日、旧知の友人が選挙カーから笑顔一杯で手を振っていた。がんばれ、そしてまた当選するだろうから、今度はしっかり職責を果たせ。新人さんもがんばれ。みんなで根室の町を変えてくれたらうれしい。

 


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