3月27日に国立社会保障・人口問題研究所が都道府県別・市町村別の人口推計データを公表した。ジャパンタイムズも社説でとりあげている。ふるさと根室市のデータを検索してみた。

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1223 根室市
男女計2010年2015年2020年2025年2030年2035年2040年
総数29201272032539023494215711969717892
0~4歳1040894749653602559497
5~9歳1219968848711620572530
10~14歳13061165936821688600553
15~19歳128611171044838735616538
20~24歳123411811062993796698586
25~29歳13451296123611151043843741
30~34歳160312681247119210741006813
35~39歳187715151216119811451031967
40~44歳1833181314741185116711151005
45~49歳1924174117421418114011241074
50~54歳1976187817041707139111191103
55~59歳2406189018101644164713421080
60~64歳2417223917821709155515561269
65~69歳2120222520831660159514521454
70~74歳2031191320311905152214661337
75~79歳1602171716491762165513271283
80~84歳1112124513751334143613531090
85~89歳5697268439549381025968
90歳以上2984125596958228931004
G. 0~14歳3565302725332185191017311580
G. 15~64歳1790315938143171299911693104509176
G. 65歳以上7733823885408310796875167136
G. 75歳以上3581410044264745485145984345

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 2010年を100%とすると、2040年は61.3%となる。五年ごとの根室の人口推計値は次のようになっている。

 2010年 29,201
 2015年 27,203
 2020年 25,390
 2025年 23,494
 2030年 21,571
 2035年 19,697
 2040年 17,892

 データを見ると2010⇒2020年は3811人の減少となっているが、最近5年ほどは毎年400~470人ほど減少している。年間381人の減少というのは藤原市政の時代の数値であって、その後長谷川市政になって人口減少が加速し毎年400人を超えている(2012年度のみ124人減)から、2020年には25000人くらいだろう。

 緑色でハイライトした「G. 0-14」歳の階層には小中学生が含まれている。2010年を100%とすると2040年は44.3%である。2020年の総人口は2010年比61.3%だから、中学生以下の人口減少幅が大きい。
 現在各学年230~270人いる小中学生が市内全部をあわせても1学年たったの105人となる。幼稚園や保育所は半分で間に合うから、計算上は市内の幼稚園や保育所でやっていけなくなるところが半数でる。保育士や幼稚園教諭の免許を取得しようと思っている人は、この人口推計表をじっくり眺めて考えたほうがいいだろう。
 私塾も生徒数が半減する。インターネット時代だから、ネットを使えば私塾の授業ソフトが日本全国で格安に利用できるようになる、したがって大して心配はいらぬ。利用料金は現在の数分の一に下がる。すでに格安の利用料金を設定しているところが出始めている。これから十年は価格破壊が進む。なにしろソフトはいくら消費しても減らないから、量が捌けるなら価格を十分の一にでも下げられる。
 問題はネットを利用しても理解ができない成績下位層への対策だ。この層が増えているから困った問題として残るだろう。学校が放課後補習をやり、家庭学習のシツケを小学校低学年で徹底するしか対策はないだろう。

 団塊世代は1学年1000人ぐらいだったから、おおよそ10分の1のサイズになるということ。2020年には1学年平均値は169人である。集団競技のブカツを維持したければ数年以内に学校は小学校2校、中学校2校に統合するしかない。

              0-14     総人口    14歳以下比率
 2010年 3,565    29,201    12.2%
  2015年 3,027    27,203    11.1%
 2020年 2,533    25,390    10.0%
 2025年 2,185    23,494     9.3%
  2030年 1,910    21,571     8.9%
 2035年 1,731    19,697     8.8%
 2040年 1,580    17,892     8.8%

  0-14歳が総人口の10%を割るのが2020年である。こういうことを前提にしながらふるさとの将来ビジョンを描かなければならない。

                総人口 対前年減少数  比率      年平均減少率
1968年  49,892人
1978年  44,073人    -5,819    -11.7%    -1.1%
1988年  39,010人    -5,063    -11.5%       -1.1%
1998年  34,534人    -4,474    -13.0%       -1.3%
2008年  30,469人    -4,065    -11.8%       -1.1%
2010年  29,596人   
2012年  29,015人  -1,454               -1.2%


 今月東京丸の内キッテビルに出店した回転寿司の「はなまる」を除くと、若者に夢を語り夢を実現できる経営力をもった地元企業経営者が何人いるのだろう?
 閉鎖的な経営を打破し、若者たちをひきつけられる魅力をもった企業が増えなければ、根室市の人口減少は止められない。
 日本全体が30年間で2千万人人口が減少するのだから、根室の人口減少を完全にとめることはできない相談だが、減少幅を緩和することはぐらいはできるだろう。

  急速な高齢化と人口減少が同時に起きるから、産業やサービスそして道路や水道などのインフラ、老朽化していくたくさんの空家の取り壊し問題など、何が起きるのかを予見しさまざまな政策を検討して実施しなけらばならない。時間は残されていないのである。

 根室市は予算をつけてピント外れの「移住促進事業」なんてやっている場合ではない。若者の人口流出を緩和するためには地元企業をオープン経営に変えるべきで、そのためにいうべきことを言い、地元の各経済団体にオープン経営や企業上場の勉強会を提案したらいかが。根室の子ども達の学力が北海道14支庁管内で最低レベルだが、地元企業の経営力も同様のレベルではないのか?学ぶのがきらいなのは子ども達よりも地元企業の経営者達ではないのか?現状も未来も変えられる、そのためには謙虚に学ぶことしかない。

 私心を去り、世のため他人のために働こうという志のある経営者は強い。頭を下げ素直に学ぶことができないのが根室の企業経営者のひ弱なところ、学ばざる者はほろびるのみ。
 「はなまる」の経営者の偉いところは京セラの稲盛和夫の塾に学びに行ったこと。偉い、偉い、えらい。根室の企業家では異色、どの経済団体にも属していないと聞く。

(わたしは産業用エレクトロニクス輸入専門商社に勤務していたとき(1979~84年)に、創業10年頃の京セラで数年間稲盛和夫の薫陶を受けたことのある営業課長のEさんに出会った。営業をやりながら経営改革の企画のできる非凡な人だった。営業だけをとっても他の人たち数人が束になってもかなわぬ実績をたたき出していた。できないとかやれないとかそういう言い訳をしたことのない人だった。経営企画とシステム管理をしていた私には最高の仕事の相棒だった。ある会社が日本法人を作る意向があるので二人でやらないかと誘われたことがあった。独立すればその商社は売上の30%強を失うことになり経営危機に陥ることが見えていたのと、私が抜けた後に経営面と統合システム開発の切り回しのできる人材がみあたらなかったのであきらめてもらった。もうしわけなかった。Eさんは理想とする経営をやってみたかったのだろう。同族企業だったが、予算経常利益の三分の一をボーナスに、三分の一を配当に、残りを内部留保にというオープン経営に切り替えた。社長が提案を呑んでくれた。会社は急激に売上と利益を増やしていった。
 わたしはEさんを通して稲盛和夫を見ていた。私心を去って世のため他人のために働くという志をもつ経営者は強い。)

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【根室市の人口データ】

  根室市人口変動数  %CH
1989年H138,335
1990年H237,856-479-1.250
1991年H337,250-606-1.601
1992年H436,799-451-1.211
1993年H536,447-352-0.957
1994年H636,041-406-1.114
1995年H735,560-481-1.335
1996年H835,217-343-0.965
1997年H934,835-382-1.085
1998年H1034,534-301-0.864
1999年H1134,183-351-1.016
2000年H1233,859-324-0.948
2001年H1333,488-371-1.096
2002年H1433,028-460-1.374
2003年H1532,668-360-1.090
2004年H1632,266-402-1.231
2005年H1731,771-495-1.534
2006年H1831,381-390-1.228
2007年H1930,881-500-1.593
2008年H2030,469-412-1.334
2009年H2130,081-388-1.273
2010年H2229,596-485-1.612
2011年H2329,139-457-1.544
2012年H2428,750-389-1.335

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 「「日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)」の公表」
http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/1kouhyo/yoshi.pdf

  北海道の「0-14歳値」推計 65.7万人⇒35.3万人 (2010年比53.7%へ)
http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/2gaiyo_hyo/kekkahyo2_1.xls

"Japan's depopulation time bomb"
http://www.japantimes.co.jp/opinion/2013/04/17/editorials/japans-depopulation-time-bomb/

*#1555 根室の人口減少とビジョン:縮小を前提にビジョンを作ろう
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-06-15

 #1901 根室市の人口2.9万人割る
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-11

  #2270 人口減少の衝撃: 2040年の日本の人口は1億727万人:"Japan's depopulation time bomb"
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-22

  #2247 根室市予算案をチェックする(6): 補助9億円「高すぎる」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-19



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