『カルク』は根室市教委が市内の教諭で作る教育研究会算数・数学サークルのメンバーに委嘱して作成した問題集で、道教委のチャレンジテストを参考にして編集したものだと、15日付の北海道新聞が報じている。いいできだとわたしも思う。

 今日も生徒がもってきた『カルク』をぱらぱらめくり、眺めてみた。
 今度はすこし高いところから見てみたい。

(1)  「文字式の使用」のところで文章題を取り扱っているが、「基礎計算問題集」なら文章題は外していいのではないだろうか、議論のあるところだろう。
 入れるなら、方程式の「基本短文章問題」を50題くらい入れたい。解説と併せると問題集はさらに厚くなる。内包量に関する問題は使われる言葉は違っていても、パターンは同じだから、同じフォーマットで扱う工夫があると生徒には理解しやすい。これはニムオロ塾方式の表を使ってもらえばいい。距離・時間・速度問題も食塩・食塩水・濃度問題が同じパターンで扱える。学校によっては年度によって生徒のレベルの差があるので、食塩水の問題を授業や定期テストで取り上げない先生もいる。『カルク』にもぱらぱらめくっただけだが、速度の問題はあったが食塩水の問題があっただろうか?「割合」のところで取り上げられていたかもしれない。方程式の短文章問題の項を設けてその中で両方を取り上げてほしい。

(2) 小学校で習った問題が学年ごとに整理されて並べられているが、成績下位層には時間の計算があやしい生徒が多い。たとえば、「午後3時16分-午前8時43分」というような問題である。

(3) 3桁同士の乗算も小学校のところに入れておきたい。
 根室高校普通科でも3桁同士の掛け算にとまどう生徒がいる。成績上位層のガンマークラスにもいる。小学校でも中学校でも3桁同士の乗算の問題がでてこないからで、2桁×3桁まではやっているが、3桁×3桁のやり方を類推できない生徒がいるのである。やったことのない問題は案外できないもの。

(4) 単位の換算問題がなかったようだが、苦手な生徒が多いので計算練習問題があっていい。
  ① 秒速⇔分速⇔時速
  ② cm ⇔ m ⇔ km
  ③ cm^2 ⇔ m^2 ⇔ km^2
  ④ m^2 ⇔ a ⇔ ha ⇔ km^2
  ⑤ cm^3 ⇔ m^3
  ⑥ g ⇔ kg ⇔ t
  ⑦ cc ⇔ dL ⇔ L ⇔ kL
  ⑧ cc ⇔ g ⇔ kg ⇔ m^2 ⇔ t
 等々。

 解説の仕方が幾通りもありそうだから、方針を決めるまででも一苦労ありそうだ。解説は単なる計算トレーニング問題に比べると難易度が一段高くなっている。

【まとめ】
 単なる計算トレーニング問題集なら、短文章題も単位換算問題も必要ないだろう。無理があるとは思うが立式も「基本計算」に含めて考えるというなら、短文章題は50題ほど入れておきたい。基本に属するなら多少ははみ出してもいいという考え方でもかまわないからで、議論の分かれるところだと思う。
 (2)の10進数でない時間の加減算は繰り上げ繰り下げがより複雑になるので、「基礎計算問題」に含めていいというのがebisuの意見である。
 (3)は純然たる計算問題だから、これを含めることに異論はないだろう。
 (4)の単位換算問題は苦手な生徒が多いので「基礎計算問題」に入れるべきだろう。
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【データ】
 ①小学3~6年問題(学年別) 1~17ページ
 ②中1年問題          18~51
 ③中2年問題          52~67
 ④中3年問題          68~93

 解答・解説
 ①    93~98
 ②    99~131
 ③   132~147
 ④   148~172


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