生徒に確認したら柏陵中学校が朝9時から11時まで2時間補習を実施している。うれしいことに、成績下位15%以下の生徒を強制参加にしているようだ。自主参加では成績の悪い生徒のほとんどが参加しない。勉強ができないうえに不得意科目はもっともやる気になれないというのが生徒の本音である。
 現場の先生達が動いてくれている、こういうニュースを生徒から聞けるのはうれしい。柏陵中学校の先生たち、ありがとう。
 他の学校もやっているかもしれない。

 昨日(9日)の北海道新聞根室地域版では、市教委が1月24日から3月7日まで毎週木曜日6回、文化会館で小中学生対象の「さんすう・数学クラブ」を開催するという。低学力層が対象なはずだが、失礼だがピントが外れた企画に見える。ダイジョブかな?人数は「定員30名」とある。「算数・数学」に関しては学年の3割を超える生徒が低学力層なはずで、
 250人×6学年×0.3=450人
 小4~中3までだとしても450人はいるのだが、・・・・
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*中3年生の学力テスト総合Cで「得点30%以下の学力下位層」は約3割いるが、数学に限ってみるとこの層は4割に近い。
 「#2143 データと分析(5) 学力テスト総合Cから根高普通科への合格基準点を推計してみる Nov. 29, 2012 」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-28
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 学校で強制的に放課後補習に参加させるのが一番だ。毎週木曜日って言ったって、ブカツに参加している生徒はいけないっしょ。ブカツをなんとかしないといけない。
 市教委がやるべきことは違うんじゃないの?

1月9日付け北海道新聞根室地域版より
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算数・数学 教育を強化
 市教委、24日から初の「クラブ」
  小中生の学力底上げを狙う

 【根室】市教委は冬休み開けの24日から、市内の小中学生を対象に「さんすう・数学クラブ」を開催する。自習質に子どもたちを集め、分からない問題は指導に当たる講師がわかりやすく手ほどきする。市教委は市内小中学生の学力レベルが全道平均を下回っている事態を憂慮。勉強する癖を付けさせることで、学力の底上げを目指す。
 市教委が公表した本年度の全国学力テスト結果によると、市内の中学生は全道平均より「やや低い」とされたほか、小学生も国語、算数、理科の3科目すべてで全道平均を下回った
 さんすう・数学クラブは、24日から3月7日まで毎週木曜日(2月14日は休み)の放課後、午後3時半から5時までし総合文化会館講座室か市温水プール研修室に集合し、勉強してもらう。算数・数学に関するものなら内容は自由で、教材や学習プリントなどは各自持参する。
 今回の試みについて、市教委は「子供たちに自学自習の習慣を付けてほしいため」と説明。「反応がよければ、来年度以降は年間を通じて開講し、教科も算数や数学に限らず、国語や理科、社会についても巻頭したい」と話している。
 参加無料。申し込み受付は15日からで、30人の定員になり次第締め切る。市教委は併せて、子供たちに算数や数学を教えるボランティアの講師も募集している。
 申し込み、問い合わせは市教委社会教育課 電話24-3180へ (五十嵐正剛)

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 アンダーラインの部分は、全道平均自体が札幌市の公立小中学校の70%が参加していないので、北海道の「真の平均」よりも下がっていることを忘れてはならない。2年続けてブログで指摘しているのに、まだ市教委は間抜けた評価をしている。意図的で小ズルイ。教育行政がこんな小手先のゴマカシをしてはいけない。こういうゴマカシをするのは根室の教育長と市教委の管理職だけだ、一般職員はまっとうに考え、まっとうに仕事をしたがっていると信じたい。

 太字にしたが、学習習慣を付けるためなら、ブカツの制限をしたらいい。過度なブカツが家庭学習習慣の育成を妨害していることは、生徒たちの生活時間を分析すれば簡単に分かることだ。一部のブカツは6時半までやっている。これでは夕食前に勉強時間が取れないし、食事後も疲れが出て大半の生徒は勉強をしない。食事の後はテレビやスマートフォン、パソコン、ゲームなどへ流れる。
 対策はシンプルがいい、過度なブカツを制限することだ。
 ●土日連続のブカツは禁止。
 ●ブカツは5時半まで、うちに帰ったら夕食まで必ず勉強するように指導する。
 ●週に3回ブカツ休日を設定する。
 
 目の色変えて勝つことばかり考えるのはよしにしよう。小学校や中学校は基礎トレーニング期間で、特定の筋肉や関節に負荷がかかるようなスポーツを過度にやらせてスポーツ障害を起こさせてはならぬ。本格的なスポーツや武道は高校でいい。小中では過度な「勝利主義」は教育上よろしくない。学力テストが「過度な競争を助長する」と言って反対する先生たちがいるようだが、「過度なブカツ」「過度な勝利主義」、まさに「過度な他校との競争」が蔓延しているのに反対の声を聞かぬ、不思議だ。こういうのをご都合主義という。

 休ブカツ日には放課後補習をしよう。そして、休ブカツ日は学校から家に帰ったら、食事までの時間は必ず勉強するように指導しよう。それで、家庭学習習慣のない生徒が激減するだろう。

 学校の授業でやりきれなかったことは学校でやるべきだ。場所を変え、人(先生)を変えてやる必要はない。平均点が上がるまで担当の先生に責任をもってやってもらえばいい。そうすれば、その先生の授業技倆が上がるだろう。先生たちが補習授業で得られるものは多い。個別指導方式で補習をやって生徒一人一人を観察すれば、ふだん自分のやっている授業の欠点が必ず分かる
 今回の市教委の企画は「やったふり」だ、こんなゴマカシには賛成できぬ。現場の先生たち、柏陵中学校の先生たちはまっとうに取り組み始めた、立派なものだ。

 根室の子どもたちの学力を上げるためには、小手先のゴマカシはやめて、軋轢を起こしてもやるべきことに真正面から取り組もう。物事を変えるには気合が大事だ。
 ひたすらまっすぐに、仕事は正直に誠実にやろう。


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*#2167 中学生の生活時間の使い方と基礎学力 Dec. 30, 2012
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-31

*#2160 全国学力テスト根室管内版データの分析(1) :本論  Dec. 21, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-21

*#2161 全国学力テスト根室管内版データの分析(2) :余談 Dec. 24, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-24

 #2162 クリントン 州知事時代の教育改革 Dec. 26, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-26

 #2163 全国学力テスト 根室市教委の見解は大丈夫かいな?(北海道新聞より) Dec. 27, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27







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