【概要:本稿の狙い】
  学力テストデータが公表されれば、いろいろな用途に使える。使い方はさまざまだが、今回は学力テスト総合Cから、根室高校普通科へ進学できるのは学校別に何名になるのか、テストの得点から推測してみたい。高校受験生をお持ちのお母さんたちは三者面談が終わった頃だから気になっているだろう。

【学力テストデータ公開へ反対の方へ協力のお願い】
  保護者や生徒に学校別・科目別の学力テストデータ公開に反対の人はほとんどいないと思うし、学力向上を願う校長先生や教頭先生、そして現場で生徒達に教えている先生もほとんどの人が学力テストデータの公表に賛成だろう。
 学力テスト情報公開に反対意見があればコメント欄にその理由を具体的に書き込んでほしい。学校の先生なら小中学校の区別と根室管内の先生かどうかぐらいは明らかにしよう。どの地域のどういう職業の人が反対意見をもっているということを知るのは大事なことだと思う。
 わたしが承知している限りで学校別・科目別学力テストデータ公開の反対論を公言しているのは、教員組合に所属している方(全部ではありません)たち、そして情報を独り占めして不都合なことを隠し続けたい地域教育行政の一部の方々、そして総本山は文科省です。(笑)
 歓迎します、どうぞお書き込みください。

【Facts:データ】
<A表>
2012年11月学力テスト総合C
 上位層  中位層 下位層(底辺層)
210点超209~91点90点以下人数60点以下
人数  %人数  %人数  %合計人数  %
光洋中11.16371.62427.38889.1
柏陵中811.04257.52331.5731317.8
啓雲中35.93262.71631.451611.8
3校合計125.713764.66329.72122712.7


<B表>
 120点超130点超140点超150点超人数
人数人数%人数%人数合計
光洋中464045.53034.12730.788
柏陵中433953.43547.93243.873
啓雲中262345.12039.21631.451
3校合計11510248.18540.17535.4212
全校推計値144128 106 94 265


【分析と推計】
 130点超が市内全部で128名だから、根室の外へ出る生徒を考慮すると、この層がほぼ根室高校普通科合格圏内だ。光洋と啓雲が45%、柏陵だけ53%で半数を超える生徒が根室高校普通科に進学できる。商業科と事務情報科を含めると、83±2点が足切りラインだろう。
 光洋中は88人中40人が合格ラインだ。学年順位40番目まではギリギリセーフ、柏陵中は73人中39人、啓雲中は51人中23人である。総合Cで学年順位が何番目かを確認して、内申点とつき合わせて、安全圏にいるかどうかを判断してもらいたい。

 学校間格差は案外大きい。130点超の分布を見ると光洋と啓雲がほとんど同率。
 8年前は平均点の高いほうから「柏陵⇒啓雲⇒光洋」の順だった。啓雲と光洋二つの中学校で130点超が同率なのは、この数年間で啓雲中学校が荒れた*ことと関係があるのだろう。学校が荒れると生徒の平均点は確実に下がる。柏陵中学でも最近5年間はそういう傾向が否めない。柏陵中学校は成績上位層と下位層が膨らみ、中位層が少ない。学校の先生たちは授業がしづらいだろう。数学の授業が習熟度別編成になったが、こうした学校内格差の大きさを見ると当然の措置だ。英語や国語も習熟度別編成が望ましいと言えるのではないか。

*北海道新聞が2年前の12月に取材記事を載せている。
 #1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校 Dec.19, 2010 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1

 学校が荒れる原因の一つは授業が理解できないことが関係あるのではないだろうか。フリー参観授業を見た限りでは、中学校も小学校もそうした語彙力不足の生徒のいる現実に対応できていない。授業で初出の語彙説明をする先生はお一人のみだった。この点では学校の授業の仕方に工夫が必要だ。
 おそらく小学校でも状況は似たようなものなのだろう。

【現実的で根源的な学力アップ対策】
 解決案として、小4年生対象に1年間音読トレーニングをやることを前回のブログで書いた。月・水・金の3日間7時間目を音読トレーニングに充てるのである。良質の音読テクストを選び、一年間で20冊ほど本を読む。これで小学生の語彙が拡張できるから、中学生になってから興味のある分野の本を濫読する生徒が増えるだろう。高校生になったら、興味のある分野の専門書や専門書の入門書に当たる新書版の本が読める読書力がついているだろう。
 読書力がつくことで中学生になったら予習ができる。学力の底上げに寄与するところ大である。
 
【1月下旬模試の復活をしよう】
 学力中位層と下位層の生徒はこれから入試まで勉強して、30点前後点数をあげてくる生徒が40から60人くらいはあるだろう。逆転はいくらでも可能だ。
 例年は出願締め切り前の1月中旬に最後の模試をやっていたから、生徒達はその模試での点数の上がり幅をみて最終的な進路を決めることができた。
 今年はなぜか12月上旬に模試をもってきた。啓雲はその12月の模試すらやめてしまった。模試をやっても生徒の点数が変わらないと説明しているようだが、それは事実と違う。
 塾では冬休みに入ると、冬季特訓をやるから、それで大半の生徒が30点くらい点数を上げている。勉強すれば五科目合計点はまだまだ上がる。だから、1月中旬の模試を復活してもらいたい。
生徒の学習努力を認めるのは当たり前のことではないだろうか。
 

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*#2152 期末テスト 中2が健闘 五科目合計点で平均58.8点アップ Dec. 6, 2012 
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-06

 #2143 データと分析(5) 学力テスト総合Cから根高普通科への合格基準点を推計してみる Nov. 29, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-28
 #2142 データと分析(4) 全国学力・学習調査 根室管内版を読む Nov. 28, 2012
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-27-1

 #2140 データと分析(3) 論より証拠 学力テスト情報公開のメリット Nov. 26, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-26

 #2138 データと分析(2) 語彙力がないままの学力向上はない Nov. 25, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-25

 #2134 データと分析(1) 学力テスト総合C 学校別・科目別平均点 :学力低下と人口減少のダブルパンチ Nov. 21, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-20

 #432 教師全員で補習して生徒の学力を上げた中学校
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-07-1


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