釧路市議会には超党派の「基礎学力問題研究議員連盟」があり、5日に全国初の画期的な「基礎学力保障条例」案を公表した。代表の月田市議は「釧路の教育を考える会」の副代表でもある。

 釧路の子どもたちの学力は根室よりもすこしだけ高いが、根室管内は日高管内と並んで全道最低レベルだから、学力に関してはどちらも似たような問題を抱えていると言ってよい。
 10月11日に中学3年生対象に実施された学力テスト総合Bの平均点で比べると、釧路は北海道教育大附属を除く公立中学校15校単純平均値が123.5点であるのに対して、根室の市街化地域3校の単純平均値は116.2点であり、その差は7.3点。
 どちらも300点満点で約4割の得点が平均点。

 高校に目を転じてみればなおいっそうその実態が客観視できる。根室高校普通科の高校入試偏差値は42だから、全道の高校を百校と假定すると下から20番目くらいの学力だ。根室では根室高校普通科がトップだが、そのトップにして全道という物差しで測ってみると、下位20%層なのである。後は推して知るべし。
 労働力の質を上げたり、地元経営者の資質を上げるには、基礎学力問題は避けて通れない。地元経済の長期衰退傾向や年中行事化してマンネリとなっている北方領土問題も、それを担う団体や人々の基礎学力問題と無縁であると誰が言い切れるだろう。
 6日付の北海道新聞根室地域版の記事からもう一つ付け加えると、2009年4月に市民運動4団体による4000名の署名を集めた市議会議員定数削減要請にたいして、3年7ヶ月もかかって根室市議会議会改革調査特別委作成の議会改革案が示された。なんと時間のかかることか、仕事のできる有力な市議が三人いたら、この程度の案は1年かからない。ここでも基礎学力問題は暗い影を落としている。

 釧路では低学力が労働力の質を下げ、経営者の質を下げ、地域経済を長期衰退に追い込む要因の一つになっていることが、市役所幹部職員、地元経済界、学力向上に奮闘されている先生達、そして私塾の有志に共通の認識になりつつある。
 市役所幹部職員、商工会議所、中小企業家同友会、学校の先生達、そして学力低下に危機感をもつ私塾の有志が「釧路の教育を考える会」を立ち上げ、市議会が超党派で「基礎学力問題研究議員連盟」を組織して、連動して学力問題の検討を重ねてきた。
 そういううねりの中で全国初の「基礎学力保障条例」案が議員連盟から発表された。釧路はいま学力問題で日本の先進地となりつつある。

 「条例案は9条で構成。学力の指標は「数値」と明記し、基礎学力は「義務教育の課程で習得すべき、読む、書く、計算する能力」と定義した。」

 「基礎理念では「子供が学ぶ力と意欲を持ち、国家と社会の形成者として必要な資質を備えていくために基礎学力の習得は欠くことができない」とし、市長や市教委、各校、市議会、保護者の責務を明示した。」

 「各校の責務では、全国学力テストや市の標準学力テストの結果公表を求めた。

 「釧路の教育を考える会」はフェイスブック上に専用掲示板をもち、ネットを使って絶え間ない議論を続けている。だから仕事は速い。
 2011年6月10日に超党派の「基礎学力問題研究議員連盟」が発足して1年と5ヶ月である。釧路の同志の仕事に心から拍手を送りたい。日本の東から教育改革運動がはじまった。

 教育行政からも歓迎のコメントが寄せられている(朝日新聞より)。
「武藤久慶・義務教育課長は「地域全体で危機感の共有が広がりつつあるのではないか。全国水準まで上げるという大きな目標の実現に向けた着実な一歩だと思う」と歓迎する。」
 http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001210310001
 釧路市教委さんは学力向上に関して北海道道教育庁学校教育局とスタンスが違うようだから、一度すり合わせをなさったらいかが?
 根室の教育長や市教委は道の教育局としっかり歩調をあわせているよね、大丈夫?市議さんたちも子どもたちの基礎学力向上に関心をもって、教育行政を応援したらいい。あなた達もしっかりしないといけません。

 条例案は基礎学力問題研究議員連盟のホームページにあるので、URLを貼り付けておく。
 http://blogs.yahoo.co.jp/gakuryokugiren

11月6日北海道新聞朝刊より
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 読売新聞より転載:(記事をクリックすると拡大表示されます)
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今朝(2012.11.06)の読売新聞全道版。







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 ブログ情熱空間より転載
 http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6052054.html
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基礎学力保障条例(釧路新聞)

日本初(だと思う)の基礎学力向上に向けた条例、略称「基礎学力保障条例」の提出が目前に迫ってきました。議連のみなさんには、心よりの感謝を申し上げます。本日(2012.11.06)の釧路新聞です。最後の専門家とやらのコメントには、毎度ながら苦笑するのみですが。

時代に逆行。
公共性を担保するために専門家の意見も取り入れるべき。

笑止とはまさにこのこと。
もういいよ…。
桜は、散り際こそが美しいそうですよ。
有能な、かつ高い志をお持ちのお若い後進が、たくさんいらっしゃるじゃありませんか。

負けを取り返そうと、必死になってパチンコ台にお金をつぎ込む姿。
それがオーバーラップします。
もういいよ…。

《追記》
FB経由で、科学者(元教員)のSさんよりお寄せいただいたコメント。
ありがとうございます。
「そぐわない」のは、学力向上策そのものなのでしょうね。
一市民として、誠にお恥ずかしい限りであります。(T_T)

この教授「学力の定義が文科省とそぐわず」とコメントしていますが、文科省のホームページでは新学習指導要領の特徴として以下のように掲げています。
改訂の基本的な考え方:文部科学省
どこが「そぐわない」のでしょうか??よく調べもせず印象で語っているに過ぎないと思います。















































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ブログ「てんしな?日々」さんの記事を紹介。
 「釧路市議会の「学力保障条例」案可決を応援しよう!~釧路から、北海道から、全国のスタンダードへ!」
 http://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-17e4.html



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