今朝(11/8)の朝の国会討論冒頭で茂木敏充自民党議員の質問に野田総理が答え、「G20でアクションプランを求められてそれに書き込んだ」という発言をした。
 膨大な財政赤字を減らす具体策に窮して慌てて書いたということだろう。そのとき、数ヶ月前の国内向けの発言「消費税増税の賛否を国民に問うために衆院を解散し、その後に増税する」は頭の隅にあったのだろうか。

 仕事は具体的で現実的なものであるが、政治家にはどうとでもとれるような発言が多い。ところが国際舞台では具体的な政策・具体的な発言が求められる。いつ・どこで・だれが・なにを・どのような理由で、どうやるのかを説明しなければならないのである。そうでなければ、発言は外交の場で説得力をもたぬ。頭の中が真空状態の総理に、財務官僚が囁いたのかもしれぬ。
「総理、財政健全化のために消費税増税法案を通しその後衆院解散とすれば、「消費税増税前に衆院を解散して信を問う」という以前の発言と整合性が維持できます。どうです、それでG20を乗り切りませんか」、詭弁であるが定見がないから乗ってしまった。

 25年の街頭演説修業はしたが、その分他人様よりは仕事をしていない。30代はサラリーマンならある程度の責任をもたされて仕事に邁進する季節であるが、そういうときに毎日街頭演説に励んでいたのである。それはそれで偉いことだが、普通の人が全力で仕事を通して積む何かが抜け落ちてしまった。
 G20に出席して具体多岐な仕事のプランを求められ、やったことのない仕事に慌てて「消費税増税法案が通過してから解散」という発言になったのだろうとはebisuの憶測である。
 この人は財務大臣の時代も財務官僚の言いなり、総理大臣になったいまも財務官僚のシナリオに忠実に動いているように見える。
 繰り返すが、鳩山・菅・野田に共通しているのは30代でしっかりした仕事の経験がないということである。そういう人々が総理大臣になって行政府の長として具体的な問題解決にあたらねばならないことになったが、やったことのないことはできぬ次第になっている。三度目である、もう気がついてもいいのではないか?
 そうした"欠陥"を補う方法はある。自分の能力の限界や弱点を自覚し、しっかりした実務屋を数人ブレーンにもつことだ。

(茂木議員の質問のうち、三次補正で今度の津波の規模に耐えられる防潮堤を造れというのは土台無茶な話しである。25㍍の高さの防潮堤で太平洋岸を埋め尽くせということだ。建築業界には美味しい話だろうが、財政的には途方もない話しである。それで過疎化・高齢化し続けている町に若い人たちが戻ってくるわけではないだろう。防潮堤300㎞のうち190㎞が破損したという。)


*「#1717 【二枚舌】消費税増税の前に衆院解散して信を問うと言っていたはず 」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-06-3


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