生徒の自立的な学習がニムオロ塾の究極の目標だから、一人の生徒に5科目全教科を教える必要はないという信念がある。塾が丸がかえしてしまっては、自分で考えるチャンスを奪うことにもなる。長い目で見ればそういう学習習慣は社会人となってから副作用が出る。
 社会人となったときには必要な専門分野の勉強はしばしば自分ひとりでやらねばならない。仕事で何か課題にチャレンジしようと思ったら独力で何ヶ月も考え続けなければいけないことがある。それができるかできないかはしばしば人生の分岐点となる。
 会社人間であった期間が長いのでその経験がニムオロ塾の教育方針に反映していると思っていただいて結構だ。

 基本的には塾でやるのは数英の2科目だけで十分、あとの3科目は自分でやる、そういうスタンスがニムオロ塾の方針だ。塾に依存する生徒を育てるつもりはない。

 理想的には学習塾では科目を選んで2~3科目学べばいい。
 数英2科目は一見して性質が異なり勉強のスタイルに違いはあるが、勉強の方法は共通点も多い。この2科目のスタイルの違いと共通点が分かった生徒は強い。性質の異なる2科目がバランスよく得意科目になる。数学と英語がきっちりやれるようになればその勉強法は他の科目に応用も利く。基本はそういうことだ。

 しかし全員がそれだけで他の科目の点数を自力で上げられるわけではない。社会科独特の勉強法もあるからだ。補習授業でそのあたりのノウハウを公開しながら自分に合った勉強法開発のヒントを与えることも時に必要となる。教育は授業を通じて「技の伝授」も大事なことである。
 原則は原則、ときに臨機応変にやらねばならぬこともある。

 3回だけ社会の土曜日補習で期末テスト範囲をやったらB中学の7人全員が中間テストよりも点数がアップした。平均で21点アップ。

 社会科の勉強の仕方がわからないという生徒が三人に一人くらいの割合でいる。こちらからみても数英だけでは心配な生徒がたしかにいるので5科目合計点をアップし学年順位を上げるために「保険」のつもりで3回だけ社会科の補習授業をやってみたのだが、案外効果があった。生徒の士気が高いときに補習をやれば効果も大きくなるのだろう。

 社会科と同じとは行かないが数学や英語も個別補習あるいは習熟度別補習の効果は大きいから、ぜひ学校でもやってもらいたい。とくに中3はブカツも「引退」しているから、高校へ入る前に分数や小数の四則演算にまごつく生徒や方程式がスピーディに解けない生徒は放課後補習で徹底的にトレーニングして欲しい。
 中学を卒業するときに分数や小数の四則演算がスピーディにできるという能力を保障することは義務教育を受け持つ先生たちの責任だろう。おおよそ半数の生徒が対象となるだろう。
 ここをおろそかにしていると高校数学が学びきれない。

 今日、根室高校1年生普通科は数学の後期中間テストがあったが、2次関数の問題を全部解ききれた生徒は10%いるだろうか?80%は時間が足りずに四苦八苦しただろう。
 内容の基礎的理解と計算速度が勝負を決めるから、どちらもおろそかにできない。高校入学前に十分な計算スピードを身につけておくべきだ。



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