前回のブログで全国学力テストの結果に対する市教委の自己評価を理由を上げて間違いを指摘した。統計学の基本にすら無知な市教委の論評にただあきれるばかりであった。
 繰り返すと、市教委は今回の学力テスト結果を分析して根室の子供たちの学力があがったと自画自賛したが、これは札幌市の小中学校の80%が不参加で全道平均値が著しくさがったからで、根室の子供たちの学力がにわかに上がったわけではない。
 年に数回行われている学力テスト結果からそのことを「検証」しようと思う。学力が上がるどころか、近年著しく中学生の学力が低下している事実が浮き彫りになる。

 5年前は根室高校普通科はFランクで150点だと不合格だった。昨年度は商業科と事務情報科に不合格だった生徒が振り替えで8名普通科に合格となった。おおむね60~70点の点数ではなかっただろうか。

 さて、ここからが本論である。中学3年生対象の学力テスト総合Cが先週水曜日にあった。総合A、総合Bに続く仕上げの学力テストである。いま各校で三者面談が行われている。

 総合Cはまだ得点通知票(成績連絡表)が出ていないので、総合Bで見てみよう。みんなスパートがかかっているので平均点は総合Bより総合Cのほうが高くなる。140点で足し切りして見ると、2校のデータは1校が22人、もう1校は21人である。もう一つ市街化地域の中学校があるがそこのデータは例年他の2校よりも低い。おおむね3校で60人、郡部の中学校で全部で20人とすると合計80人が5年前の根室高校普通科と同じ学力水準だと言える。当時よりも生徒は20%程度減少しているが、それを考慮しても140点以上が100人弱いなければならないのだが、80人前後に過ぎない。
 そして、成績下位層が大きく膨らんでしまっている。生徒が授業中立って歩いたり、さわいだり、サボってタバコをすったりするのは授業が分からないほど学力が低下してしまった生徒が増えたからだろう。
 市教委は原因と結果を取り違えているようにみえる。教育現場を見るべきだ。

 一昨日の新聞記事に載った根室市教委の自画自賛とは裏腹に、この数年成績上位層が「痩せて」きた、それと裏腹に下位層が増えたというのが事実である
 根室高校普通科は頻繁に放課後補習(「進学講習」)を繰り返しているが、小中学校ではまったくやらない
 プリントをたくさん配るようになっただけで、学校で放課後補習に取り組んだところは皆無であるから、成績下位層の生徒は増えている根室市内の小学校の算数教育が崩壊しているのだ。

 5年前の学力水準を維持しようと思うなら、根室高校普通科の定員は現行の120人から80人へ減らしてよい。暴論のように見えるが、質の維持を優先すればそういう論もありうる

 学力テスト総合Bで見る限り、根室高校普通科のボーダーラインは110~115点付近にあるようだ。この当たりの生徒の層が一番厚い。5年前なら150点前後だろう。500点満点で400点超が5年前は各校15~25人いた。現在どうなっているか?ゼロの学年もある。おおむね5人から8人だ。半分以下になっている。こんなになってしまっているのに、学力が上がったとのたまう教育行政は子供たちの学力低下に危機意識がなさすぎ無責任の謗りをまぬがれぬ

 根室市教委は40%ものシェアを占める札幌の小中学校が抜けた道内平均値と根室のデータを比較して根室の小中学生の学力が上がったと勘違いしているが、中学生の学力はこの数年間でもう1段下がってしまったというのが毎年数回(学年によって回数が異なる)恒例で行われている学力テストデータから言えることだ


(学力テストと一緒に行われているンケート結果から見ると小6の40%が1時間以上の家庭学習習慣があるようだから、今年度の小6は例外かもしれない。中3は30%だ。通常は小学生よりも中学生のほうが家庭学習習慣のある割合が多くなる。
 データ比較をするためには昨年度の札幌のデータを抜いて全道平均データーを算出して経年比較して見なければならない。市教委が道教委へデータ作成依頼を出せばもらえるだろう。データ抽出と再加工は簡単にできる。データファイルから札幌市の学校を除いたファイルを新たに作り、同じ解析プログラムにかけるだけでよい。根室の子供たちの学力を改善する気持ちが少しでもあるなら、根室市教委は道教委へ作業依頼をだして、分析をしなおしてもらいたい。)

 

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