昨日生徒がもってきた学力テストデータを見た。市街化地域の中学校のうち一番東に位置する学校の平均点は239点で、前回11月よりも30点アップしていた。国語と社会が各々10点ほど上がっていた。問題がやさしかったのだろうか?いいやそうではないと思う。学校は前年度の学力テスト問題を生徒に配布してやらせていたからだ。他にも練習用プリントを積極的に配布する先生が増えている。
 やる気のある生徒は過去問に取り組むことで、知識の整理ができて点数が上げられただろう。そうした対応だけでも平均点があげれれるのだから、成績下位の生徒に適切な補習をして底上げすれば、さらに5科目合計平均を50点くらいは上げられるだろう。
 11月の学力テストで零点あるいは一桁の得点の者が入塾して、2学期期末テストで80点以上とった例が過去に4人ある。やる気を起こすことのできた生徒の成長はまことに目を見張るものがある。そういう生徒を見たかったら、中学校の先生も生徒の潜在的な力を信じて放課後毎日徹底して個別補習をしてみればいい、教師冥利に尽きる経験ができるかもしれない。
 教師は単なる労働者ではない、時間で知識を切り売りする労働力商品ではない、「教師は聖職」であると私は思う。

 400点以上は2人のみだ。5年前には学力テストで400点以上が25人いたから、成績上位クラスが10%に縮まったことになる。

 一番よかった西に位置する中学校もこれほどひどくはないがやはり400点以上の成績上位者数が激減している。データがまだ出ていないので、後のブログで取り上げるが、この学校も5年前は400点以上が25人前後いた
 3年生には400点以上が毎回5~7人いるが、2年生はこれよりも少ない

 400点前後の生徒が高校生になってからの成績は代ゼミ模試の偏差値換算で45程度である。450点の生徒で50前後、全国レベルで見ると進学希望者の中で平均的な成績にすぎない(もちろん高校生になってから一生懸命努力すれば偏差値を10以上あげることは可能だ)。北海道でこのクラスの偏差値の学校は北海学園である。偏差値55辺りから東京の著名な大学が顔を並べる
 現実的な話しをすれば、400点以下の生徒が大学進学することになると代ゼミ偏差値で45以下の学校群を選択せざるを得ない。札幌大学や札幌学院大学が偏差値40前後である。大学のランクでは下位20%のレベルである。
(根室高校では定期的に進研模試をやっているが、偏差値60(成績上位約17%)を越える生徒は学年で3~5人程度にすぎない。進研模試は成績上位校が参加していないので、代ゼミ模試や駿台模試、河合塾模試よりも偏差値が5~7程度高く出るといわれている。)

 学力テストで400点超の層がこの5年間で10~20%程度まで激減している。根室全体では5年前は400点以上が70~80人いたが、現在12~15人程度まで減少しているのではないだろうか。
 この5年間の生徒を比べてみると、我慢力のない生徒が大幅に増えた。わがままで辛抱する力がない。受動的なことはやるが、能動的努力を要することができない者が増えている。
 たとえば、ゲームやテレビやインターネットにははまるが読書とか苦手の科目の勉強ができない者が増えた。苦手だから頑張って克服しようという意欲のある者が激減した。基礎計算力の衰弱傾向も著しい。

 わずか5年前には平均点が300点、400点超が生徒の30%を占めていたこともある。現在の高校2年生も西にある中学校では400点超が20人以上いた。
 中学校の学力テストで400点超の生徒層が5年間で80%減少してしまったので、まもなく大学進学に影響が出る。

 では絶望か?そのようなことはない、根室の子供たちの学力は上げられる。いくつか思いつくままに改善点をリストアップしてみよう。
①子どもにいろいろなことで我慢をさせると同時に小学1・2年生で家庭学習習慣を躾ける。
②小学校の先生は「読み書きそろばん」をしっかり教える。学校行事で授業を潰している時間を半減させる。基礎計算力を充実するために毎週1~2日希望者に算数補習を行う。
③中学校で週2回補習授業をやり、その日は成績上位者以外は部活を禁止し補習参加を義務付ける。
④小中学校は5時半以降の部活を禁止する。
⑤郡部の小規模校を統廃合し市街化地域の学校へ生徒を集める。たとえば、小学校4校、中学4校にし、生徒は無料のマイクロバスで送迎する。

 他にも学力を上げる方法はいくらでもあるだろう。だから、やる気になれば、根室の子どもたちの学力は全道一にだってできる。努力していないだけだ。
 北海道は全国47都道府県中44番目、その北海道で根室の子どもたちの学力は14支庁管内中最低である。
 根室人はいつまでもこのような恥辱に甘んじていてはいけない。子どもたちの辛抱力を鍛えよう。

*『中2学力テスト結果(1)』
 URL:http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07