日本維新の会所属衆議院議員の丸山穂高氏が「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」とビザなし訪問で、団長の引揚者に繰り返し質問したと騒がれている。
 日本維新の会は火の粉を払うために離党届を受理せず除名処分。

*「維新、丸山穂高議員を除名処分 北方領土めぐる発言で」(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASM5G5HLFM5GUTFK018.html

 酔って暴言を吐いたということだが、ビデオを見る限りそんなに酔っているようには見えなかった。おそらくこの人の持論で本音だろう。反響の大きさに右往左往して離党届というのが実態に見えた。何が悪いとマスコミに向かって開き直る度胸もない、ようするに腹が座っておらず、まるで子ども。
 
 「丸山穂高」でググったら、酒を飲んで口論し相手を噛んだという記事がでてきた。
⁑「松下政経塾出身の元官僚 北方領土で問題発言の丸山穂高衆院議員とは」毎日新聞
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/松下政経塾出身の元官僚-北方領土で問題発言の丸山穂高衆院議員とは/ar-AABkYNH?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp

 口論して喧嘩に及び、相手を噛むというのは女のようなふるまい、喧嘩のしかたも知らぬ幼児性が強い人のようだ。この人も松下政経塾出身者か、半数程度はこういうレベルの人材、世間を騒がせた松下政経塾出身の政治家は少なくないので辟易している。玉石混交はどこにでもあるにしても、石っころが多すぎると感じるのはわたしだけだろうか?
 「橋下徹にさからえない」と発言したときも、すぐに撤回した。
 本音を語ったのなら、そのまま突っ走ればいい。ようは、腹を決めて発言するか否かだ。

 では、丸山議員の発言はあってはならぬものか、そうではないだろう。
 今のまま、ビザなし訪問なぞ百年続けたって北方領土返還が不可能なことぐらい、元島民だってほとんどの人が承知のことだ。それで何とかなると思う元島民がいるなら純朴に過ぎる。純朴には世間知らずの阿呆という意味もある。多くの元島民とその2世・3世は、戦後74年間成果のだせない政府の北方領土交渉に大きなストレスを感じている。感じていながら、自分たちで北方領土返還戦略を描くこともできない、ヘタレなのである。

 わたしの母は択捉島蘂取村生まれだから、ebisuは元島民2世。北方領土返還運動が具体的で現実的なものとなり、領土返還と言う目標を達成するための戦略を描けるものであってほしいと願う

①はるか国後島の茶々岳を望む…牧の内の牧場付近のサイクリング道路から
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 国後の島影を見るたびに、わたしは、小学生のころにビリヤードの相手をしてくれた歯科医のT塚先生を思い出す。根室唯一の文学博士で考古学者の北構保男氏はT塚先生と根室商業の同期である。北構先生によれば、T塚先生は国後島の大漁師の息子だそうだ。どちらも長身、豪快な人。

 事件はムネオハウスで起きたらしい、その鈴木宗男氏が「元島民の平均年齢は84歳。人生限られた中で、どんな思いで島に足を踏み入れているか。涙が出る思いだ」と語っている。
⁂「再三渡航の鈴木宗男氏「涙が出る思い」 丸山発言に憤り
https://www.asahi.com/articles/ASM5G641GM5GUTIL03W.html

 ふざけるなと言いたい。宗男氏の言ってることは、まるでロシア政府の走狗。返還運動に携わる人たちを分断する彼の2島返還論の方が元島民にとっては辛い。7%の歯舞群島だけでいい、93%の面積を占める国後島と択捉島は放棄するという主張は、歯舞群島出身者と国後・択捉両島出身者を分断するものである。苦しい表情で歯舞群島出身者が何を語ったか、弊ブログの記事を読んでいただけばわかる。
 どういうわけか宗男氏は20回以上も訪問を繰り返している。北方領土返還運動の在り方に疑問をもつ元島民も少なくないから、千島歯舞居住者連盟の会員とならない2世は、窓口がないので一度も墓参に参加してない者たちがいる。元島民でも墓参に行きたくても行けない者がいる。ビザなし訪問も、墓参もすでに一部の者たちの利権と化しているようにわたしには見えている。元島民でもない一政治家が、なぜ20回以上も国費で北方領土訪問が可能なのか、理由があるはず。
 領土問題を広く喧伝するためには、北方領土を一度も訪れたことのない国会議員を優先的に行かせたらいい。今回の丸山衆議院議員のようにさまざまな意見が出てくる、あるがままでいいのだ。

 領土返還運動は政府の予算で賄われており、具体的で現実的な北方領土返還論が返還運動諸団体から提起されてことは一度もない。ああ、もちろん、会員は会費を支払っているから、全額が政府補助とは言わぬ。しかし、一回ビザなし訪問に行っただけで、現在の会費を戦後70年間支払い続けたとしても元が取れるほどの補助金事業であることも事実。
 今回の騒動を契機に、具体的で現実的な北方四島返還戦略が議論されることを望む

 我田引水ではあるが、弊ブログの記事のURLを貼り付けるので、お読みいただきたい。

#195 すこし過激な北方領土返還論:MIRV開発・組み立て・配備・解体ショー

#1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012

#2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012

*#2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012

*#3871 根室市長「いかなる結果でも全面的に支持する」
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-12-02-1


 #3882 羅臼町長の北方領土に対する明快な意見 Dec. 15, 2018 
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-12-15


 #3929 VENONA文書と北方領土:四島一括返還の戦略 Feb. 13, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-02-12-1




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