前回#3478では、ある外食産業の店長教育研修での話題、「お店の雰囲気はお客様が創る」という話を引き合いに出して、中学校の「授業の雰囲気は生徒が創る」という視点から授業崩壊を立て直す方法を考えてみました。
 そうした視点に立てば他にも方法は見つかります。
 たとえば、ある中学校で1年2組が授業崩壊をしていると仮定します。学力テストの平均点を隣のクラスや、2年生、そして3年生が1年生のときのデータと比較すれば、五科目合計平均点が30点ほど差があるはずです。一番よいクラスと比べると50点の差が見つかります。
 問題のあるクラスの生徒たちに1時間、そういうデータを並べて解説してあげたらいい。授業中の私語、そしてそれに付和雷同することで、どういう現象が起きてしまうのか。私語が飛び交うと、先生の話がところどころ聞こえなくなり、脈絡が読み取れず理解が低下します。その結果、クラス平均点が顕著に低下して、学力を押し下げます。授業中の私語にはそういう悪作用のあることを具体的なデータで説明すればいかが?
 そしてそれをとめる手立てについて話し合ったらいい。誰かが私語してもそれに反応しない、そうすれば静かにそして集中して授業が受けられ、クラス全体の学力アップができることを説明してあげたらいい。
 学力テストの結果でどれくらい点数が上がるか実証してみましょう。

 市街化地域の3中学校は以前は学力テストデータの情報交換をやっていたはずです。学年別・科目別・クラス別(個人名や識別コードを外したデータを点数順に並べて)データ交換すれば、問題は生じません。

 こうすれば、市街化地域の3校の中で、どのようにそのクラスの平均点が推移していくのははっきりわかります。どの階級に変化が生じてよくなったのか追跡調査も可能です。科目別に具体的な学力改善策を立てることが可能になります。

 3校平均値よりも「±何点」というように、目標値をセットして、計画と実績の比較をしてクラスの生徒たちにフィードバックしてあげたらいい。
 他校と健全な競争意識が生まれます。

 民間企業では計画と実績の対比を必ずしています。「予算実績比較表」というのを作成して、計画値と実績値を比べて差異分析をして、次の期の目標設定をします。こういうサイクルで、業績を改善していきます。学校で行う生徒たちの学力向上も同じことですよ。

 Plan ⇒ Do ⇒ Check ⇒ Act :PDCAサイクル

 当たり前のことを当たり前にやるだけのことです。


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*#3480 宿題:「隠れたカリキュラム」  Dec. 15, 2016
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 #3479 授業の雰囲気は生徒が創る(2) Dec.14, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13

 #3478 授業の雰囲気は生徒が創る Dec, 13, 2016 
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 #3477 負の相乗効果と学習権の侵害 Dec.9, 2016 
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 #3476 学力崩壊危惧ラインは学力テスト平均点でどの辺りか?(中学) Dec. 6, 2016 
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 #3473 頑なな人ほどストライクゾーンが狭くなる Dec. 4, 2016
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 #3469 根室市内の高校と中学校:生徒一人当たりの年間コストを試算してみる Nov. 27. 2016 
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  #2641 創立138年花咲小学校新入生たったの39名 Apr. 13, 2014
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