転勤の季節、今日が最後の授業となった塾生がいる。2年10ヶ月よく勉強した。お迎えテストだけ学年一位を取れなかったが、そのあとは全部の定期テストと学力テストで学年一位をとり続けた。
 一番にこだわったわけではない。本人の希望に沿うように、学習戦略を策定して1.5倍の速度で勉強していたら、結果が出ただけの話だ。希望の大学へ進学するために、大学入試の時点で確実に偏差値75をクリアしていることが目標であった。
 中1だが中3の数学を40%ほどやり終えたところで時間切れとなった。高校からは札幌の公立高校へ進学すると決めて、中3終了までに数ⅠAと数ⅡBをやりきる予定で教えていた。英語は小学生の内は教えなかったので、堰を切ったかのように1年間勉強していた。中3になったら語学研修所用の中級レベルの問題集をやりさらにジャパンタイムズの記事を読むつもりとスケジュールを話してその通りに進めていた。
 転校は仕方がない、運命のようなもので人生には仕方のないことがある、めげずにしっかり歩んでほしい。


 もうじき高校新入生となる生徒たちのことも書いておきたい。
 根室高校の合格発表のあった17日に、宿題として渡された25ページほどの数学の問題集を今日やり終えた者がいる一方で、今日始めた者もいる。
 根室高校に合格したら、一生懸命に勉強すると言ってその通りにやっている者がいれば、口先だけの者もいるということ。変われる者がいるとなりに変われない者がいる。

 中学生の三年間は叱咤激励した、あと2週間で高校生だからこれからは本人の自覚に俟(ま)つしかないが、先生は俟つことができても天はもう俟ってはくれない、そろそろ時間切れだ。
 打順が回ってきてバッターボックスに立っているのだからバットを振らないとダメ、見送り三振となるのか? バットを振れなければそれ相応の苦労がこれから先の人生にまちうけている。

 小学生のときから過度なブカツで家庭学習をちっともしてこなければ、それは習慣となり、中学生になるころには性格の一部にまでなってしまう。怠惰な性格を直すことは長い時間と強い意志がなければなしえないことだ。3年と数ヶ月教えて、残念ながら変われない塾生も一人か二人でてしまったようだ。人を変えようと思うこと事態が不遜な(おごり高ぶる)ことなのかもしれない、非力を痛感する。
 自分を変えよう、変わろうと強く思えばそこからが君たちのスタートだ。強い意志をもつことができたら、人は(若いうちは)いつでも変われるものだ。
 いまはまだ変われない人に短い文を送ろう。日本語で20回、そして意味を思い浮かべながら英文のほうも20回腹から声を出し朗誦してほしい。やる気がおきるその日までこの文をそれぞれ毎日20回読み続けてほしい。君たちは若い、若い者は変われる、「今日こそ変わろう」という意志をもち続けてほしい。

 Heaven helps those who help themselves.
 (天は自ら助くる者を助く)

 問題を先送りする根室の大人たちの真似をするかのように、あいかわらず学業に打ち込めない若者たちがいる。希望は、目覚め、内面の成長を果たす者たちの中にある。30年後にどこかの企業で、あるいは生まれ育ったふるさとの町を担うにたる人材に自分を鍛え上げられるかどうかは、高校三年間の過ごし方にかかっている。

 あっという間に過ぎ去る短い季節を無駄にすごしてはならぬ。
 まず3ヶ月間、仕事(学業)に渾身の力で打ち込むこと、それができる者は次の3ヶ月も努力を継続しているだろう。そして高校三年間がじつに実りの多い季節となり、卒業後の飛躍的な成長を保障してくれるだろう。
 高校の三年間は天が用意した成長と選別の季節である、内面の成長に期待したい
 そしていまの根室の大人たちとはまったく違うタイプの大人へと成長してもらいたい。ニムオロ塾がそういう若者の役に立つことができたら、根室高校卒業後35年目にふるさとに戻って塾を開いた甲斐があろうというものだ。



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