生徒がCRT学力テストをやったと話していたので、ネットで検索した。小学校では前からやっていたらしいが、中学校では初導入である。根室市議会文教厚生常任委員会は承知しているのか?

*CRT学力テストについて
http://www.toshobunka.co.jp/examination/nrt&crt.php

<現在行われている学力テストすら授業の役に立っていない>
 これは到達度調査で、教師の指導用の利便のためのテストだ。普段の学力テストの採点をすればどこが弱いのか簡単にわかる。だからなぜ屋上屋を重ねるこんなテストをするのか理由がわからない。
  普段の学力テストすら、指導の役にちっとも立っていないことは学力テストの平均点の推移を見たら一目瞭然である。年々下がっている、とくにこの5年間の低下はひどい。
 フリー授業参観を3校各2回ずつやったが、授業に学力テストの結果が反映されているようにはちっとも見えない。数学で言うと、中1年生で分数や小数の計算が満足にできない生徒の割合は50%弱もいるが、中学校の学習指導要領にはない項目だから、そんなことを教えている先生はほとんどいない。だから、そういう生徒は塾で何とかするしかない。中3になっても小数や分数計算のおぼつかない生徒が3割ほどはいる。このことからいえることは、文協学力テストすら普段に授業にちっとも活かせていないのだから、教師の指導用のCRT学力テストなど必要ないということ。きちんと文協学力テストを指導に活かせといいたい。

<偏差値表示のある全国学力テストを導入すべき>
 根室の中学生が普段受けている北海道教育文化協会のテストは、全道平均も偏差値も出ない情けない代物で、学校内の順位が出るだけである。根室市内の平均点すら出ない。市教委がやれば簡単に集計計算できるだろうが、そんな簡単な仕事すらやらぬ。

<進学勉強のスタートの遅れは6年>
 文協学力テストで全校生徒70人の学校で400点(500点満点)校内3番目の成績をとったとしよう。ずいぶんよさそうだが、全道では100人中どれくらいの成績かわからないし、全国で100人中何番目くらいなのかもわからない。
 成績がよいから根室高校普通科へ進学したとしよう。進研模試を120人全員が受験する。数学と英語と国語。数学と英語はおそらく35~50点の範囲だろう。全国偏差値では45~48、、つまり真ん中よりも少しばかり下ということだ。
 この段階で全国レベルの順位を知ってもスタートが遅れてしまっているからすでに手遅れである。小学校4年から大学進学を目標にして勉強をはじめる都会の生徒たちにくらべて、根室の生徒たちは6年間もスタートが遅れてしまうのである。その結果、国立大学や有名私立大学に入学できるのは「特別にできる生徒」だけということになる。本来の能力にくらべて、田舎の生徒達が進学できる大学のランクは一つか二つ下がる。それは就職先に影響し、就職後の出世競争にも影響する。

 根室の生徒たちは中学校で自分が全国レベルでどういう位置にいるかを知る必要がある。全国レベルで偏差値が50なのか、40なのか、それ以下なのかを知れば、それを基準にして狙える大学の目安がつけられる。どれくらい努力すれば進学したい大学に届くのかのメドがつく。

<根室市教委はCRT学力テスト導入理由を開示せよ>
 CRT学力テストはネット情報を読む限り生徒のためのテストではないようだ。先生たちの指導用に重点が置かれている。普段の文協学力テストを指導に活かすことを考えるべきで、生徒指導用のための確認テストの導入は必要なしとebisuは考える。
 なぜこのようなピント外れの学力テストを導入したのか市教委はホームページで理由を開示してもらいたい。

 根室の中学生に必要な学力テストは、全国レベルを知ることができる偏差値表示のある学力テストである。
 根室市議会文教厚生常任委員会は根室市内の中学校や小学校がどのような学力テストをしているのかをきちんとモニタリングし、委員会としての意見をホームページ上で表明すべきだ。


<偏差値表示のある学力テスト導入の障害を外そう>
 文部省は1993年に偏差値表示のある業者テスト追放を各都道府県教委に通知したが、これを撤回すべきだ。高校は進路指導に偏差値の出る全国模試を使用している、根室高校普通科も例外ではない。なぜ高校はよくて中学校で業者テストがいけないのか理由を明示できないなら、撤回すべきだ。根室市議会が全国に先駆けて「偏差値表示のある学力テスト導入」を決議すればいい
 根室のような田舎の高校生は、高校生になってから全国平均の高さに驚くとともに、己の偏差値の低さに愕然として、進路先を変更せざるをえないのが現状である。
 中学時代に学年10番前後の生徒が小樽商大に進学したいということがある。本人はこのままでその辺りが狙えると本気で思っている。もっともっと勉強しないと無理だよと笑い飛ばしておくしかない。全国偏差値でキミは40~45前後だよなんていってもこの段階ではピント来ない。生徒はそこそこできると思い込んでいるのである。
 中学校で学年5番以内に入っていれば、相当いい大学へ入学できると親も子も漠然と考えている。ところが、学年5番クラスは全国偏差値では50に届くか届かないかだから、全国レベルでは平均的・凡庸な成績に過ぎない。中学校のときに全国レベルで真ん中くらいだと知れば、6年間あるから上位5人くらいはもっともっとがんばって勉強して成績を上げる者がでるだろう。全国レベルで自分の実力知れば大学進学のためにブカツだって辞める生徒が増える。それでいいのである。
 学年5番程度の凡庸な生徒がブカツをやり続けて、偏差値50以上の大学へ現役進学できるほど世の中は甘くない。

<オール根室で取り組もう>
 正規雇用の職に就けるのは、高卒では三人に一人の割合、大卒では約半数で、専門学校はその間に位置している。正規雇用でなければ年収が100~200万円で、男子は30歳後半になっても経済的な理由から結婚もむずかしいのが現実だ。とうぜんのことだが、結婚しない男が増えたら、結婚できない女も増える。そして少子化はさらに負のスバイラルを強める。
 チャンスをたげたい、中学生のときに全国レベルを偏差値で教えてやるべきだ。今年の根室高校入試は全科が定員割れ、競争がなくなってしまっているが、進学や就職はどちらも厳しい競争がまっているのである。根室の子たちが全国レベルでどれほどの学力なのか、現実の姿を見せてやらずにどうする。ねむろっ子たちの未来にために、大人の責任を果たそうではないか。もっとまともな、偏差値表示のでる全国模試を中学生に受験させてやろう。根室の大人たちはねむろっ子の未来のために協力しようではないか。オール根室という言葉はこういうときにこそ使おう。



にほんブログ村