「釧路の教育を考える会」は基礎学力問題をとりあげて提言を行ってきた。私も会員の一人であるが、根室管内には他にも会員がいるので、この会は釧路と根室の教育を考えて提言を行っている。残念ながら根室市議会は教育にあまり関心がないようで、連携の動きはない。
 釧路市議会基礎学力問題研究議員連盟と共同歩調をとりながら「基礎学力保障条例」を昨年12月に制定し、全国各地から視察が相次いでいるが、当会のメンバーも視察対応に協力している。

 教育問題に危機感をもつ市民有志の任意団体と市議会議員連盟が連携するとふるさとの教育改革に先鞭をつけることができることを、「釧路の教育を考える会」がやって見せてくれた。

*釧路市議会学力問題研究議員連盟
http://blogs.yahoo.co.jp/gakuryokugiren#53627944

**釧路の教育を考える会 ホームページ
http://koulutus.blog39.fc2.com/

 さて、根室西高校進路指導室の先生が啓雲中学校で講演会を開き、就職に際して基礎学力が重要であるという説明をしてくれている。根室でも「基礎学力」という言葉が語られるようになってきたことはまことに喜ばしい。根室の教育改革は根室の住人がやるしかないのである。誰かがやるのではない、ここに住む私たちがやらなければならない。
 啓雲中学校は花咲小学校とも連携して児童・生徒の学力問題で協議を重ねている。根室にもしっかりした教育改革の動きがあることを知ってもらいたい。

 10月1日北海道新聞根室地域版より
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「基礎学力 就職に重要」
   根室啓雲中 高校進路担当が講演

【根室】市立啓雲中(佐藤義昭校長)が30日、2年生を対象に進路学習会を開き、高校の進路指導担当者が、勉強の意義や高校卒業後の進路などについて語った。
 卒業後の進路について考えるキャリア教育の一環で、生徒47人が参加した。講師は根室西高の進路指導部長、木村司教諭が務めた。
 木村教諭は「地元企業のベトナム進出や海外貿易、ビザなし交流など、根室は海外との接点が多いまち」と説明した。日本が環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加したことで、「この傾向に拍車がかかり、新卒者を採用する際、語学力を重視する傾向が強くなる可能性がある」と語った。
 また、企業が求める人材について「中学校までの基礎学力のある生徒を求めており、国語、数学、社会など全教科をまんべんなく勉強する必要がある」と強調。その上で「もし勉強しなくても就ける職業があると考えていたるのなら、それは大きな間違いです」と訴えた。   (丸山格史)
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  高卒の就職状況は生徒達のお父さんやお母さんたちの時代とはまったくちがう。それは専門学校を卒業しても大卒でも一緒、失業率が低いといっても非正規雇用が半分を占めている。正規社員雇用を求めてしかたなくアルバイトをしているというのが非正規雇用の大半の実情です。本来なら、若年層の非正規雇用は実態から考えて失業にカウントしてもいいくらいです。正規社員の半分稼げるならいいほうですよ。収入が少ないので結婚は二の足を踏みますね。だから、ますます出来ちゃった婚、そして生活破綻が増えます。
 低学力の場合は、就職が限定されます。低学力層は嫌いなこと(勉強)を我慢してやれない者たちが多いから、そういう者たちは就職できても上司のいうことを素直に聞いてガマンすることができません。だから就職できても、高卒の半数が3年もちません。非正規雇用の者は不利な条件で正規雇用の社員が嫌がる仕事を半分以下の給料でやることになるので、多くが職を転々とすることになります。これでは仕事のスキルが身につかない。あせりながら、10年くらいがすぎてしまう。なかなかリカバリーできません、かわいそうです。
 先生や親の言うことを素直に聴いてきらいな科目の勉強すらできなかった者たちの中で、就職できて上司や雇用主の言うことを素直に聴いて、一生懸命に仕事ができる者はすくない。

 ブログ「情熱空間」がいい記事をアップしています。
*「就活学園スクロイド(表社長の職業観講演)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6840005.html
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・・・表共良さん(カーショップオモテ代表取締役)による職業観講演が行われたとの記事です。上が本日(2013.10.01)の釧路新聞、下が北海道新聞の記事です。・・・
責任感、職業観・勤労意識といったものの重要性。高校の先生もよく分かってらっしゃる。産業振興行政の方もよく分かってらっしゃる。それをこそ伝えなければならないんですこうして、子ども達と若者に、夢と希望と現実を、求められる人材像をこそ、熱く語り続けることが大切なんです。この記事を読み、産業振興行政と教育行政のメンバー総入れ替えを望むのは私だけでしょうかね?
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 小中学校の時期に挨拶することやガマンすることを躾けそこなったら、たいへんな苦労がその生徒の未来にまっています。

 非正規雇用が半数になりつつある、こんな世の中いいわけはありません。「小泉改革」の前から、わずか二十数年間で様変わりしてしまった世の中を変えるためには、まず中学校卒業時にしっかりした基礎学力を保障するということ。それすらなければ、何を武器に世の中にでるのでしょう。丸腰では百戦百敗

 全国最低レベルの北海道の中学生の学力、その北海道でも14支庁管内最低レベルの根室市の子ども達の学力、この企画からはなんとかしたいという思いが伝わってきます
 教育に必要なのは深い学識と高い志、そして熱き思い。
 啓雲中の校長先生、ありがとう。




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