根室市内の市街化地域の3中学校は、数学の進度が遅い。いま三平方の定理をやっている。B中学校では一昨日「1,1,√2 」「2,1,√3」の比の三角形をやったばかりだった。三平方の定理の応用はこれからだ。まだ、「円」と「標本調査」の章が手つかずである。本来なら、12月中に終わって、冬休み明けからは総復習をやるべきなのだが、ふるさとに戻って塾を開いて10年たつが、12月に教科書全部を終えた学校はない。時間が足りず、録に問題演習もせずに終わるのが通例だ。
 以前の教科書では2次関数が最後の章だったが、あろうことかB中学校で2月中旬に「やれないから各自やっておくように」と仕事を放棄した先生までいらっしゃる。
 英語も似たようなもの。こういうことが常態化していたら、子ども達の学力が低下するのは当然のことだろう。低学力は「ルーズな授業でつくられている」側面もある
 2年生でやる確率の章をやり残し、3年生でやる学校もたまにあったがこれも論外だ。
 3年生は12月に教科書全部の単元を終了するようなスケジュールで授業をしようよ。1年生と2年生は1月で教科書を終わり、2月は総復習の問題演習をやろう。

 ブログ「情熱空間」が同じ話題を取り上げ、具体的に論じているので2本転載する。会津、什の掟の締め括りの句、"ならぬことはならぬのです"、を掲げておこう。
 放課後補習をみっちりやらないとこういうスケジュールは無理でしょう。仕事は正直に誠実にやりましょう。カーブはいらない、直球勝負をしてほしい。

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6212839.html
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2013年01月17日

これはもはや犯罪だ!「積み残しの実際(中3生数学)」

新学期が始まり、中3生は学年末試験の真っ只中です。北海道公立高校入試の学力検査日は、3月5日(火)です。その前に行われる北海道私立高校の学力検査日は、「A日程」が2月14日(木)~15日(金)、「B日程」が2月19日(火)~2月20日(水)で、釧路高専入試の学力検査日は2月24日(日)です。

さて本題です。高校(高専)入試ですから、言うまでもなく試験範囲は中学3年間の全範囲です。私立高校の入試のA日程から逆算したならば、最低限、何があろうと2月13日(水)までには絶対に教科書を終えてなければなりません。万が一終えていなければ、それはもはや犯罪に等しいもの、否、犯罪そのものでしょう。

ところが、今週から来週にかけて行われるその中3生の数学の学年末試験は、後半の単元を3つ残して(つまり、その前までが試験範囲)の中学校が大半です。本日(1月17日)現在、「円」「標本調査」「巻末」の単元がそのまままるごと手つかずで残っているわけです。1月の授業日は残り10日、2月13日までの2月の授業日8日を加えると計18日です。残り18日間で、難易度の高い3つ単元を教えきれるものでしょうか?ちなみにこれらの単元は、言うまでもありませんが入試の頻出事項です。(「巻末」には入試形式の融合問題が多い)

プリントを用いてお茶を濁す形で終了。教科書の例題だけを解いて「やったこと」にして終了。これが、はるか昔から連綿と続く釧路スタンダードです。実は社会科についても同様で、大半の中学校は公民の経済的分野、現在、その中の経済的分野の真ん中あたりを学習しています。2月13日までの18日間で教科書を終えることなど不可能です。(国語・理科・英語については特に問題はないようです)再度繰り返します。これはもはや犯罪ですよ。行事にかまけている暇などない!部活に打ち込んでいる暇などない!ちゃんと本来の仕事をしろ!

釧路市教育委員会殿。
進度・進捗状況調査をおこなうという話はどうなったのでしょうか?教科書を終えられずに高校入試へ向かわせる行為を、ただただ黙認するおつもりか?早急に調査をしなさい。あなたの所の参事が「そうした事実はない。絶対にない。ないのだから調査の必要もない」などと顔色を変えて全力で否定(実に見苦しいね)しようが、この地の中学校の現場ではこうしたことがごくあたり前に起こっているんだよ。世間一般に、それを不正若しくは犯罪と言うんだよ。

《追記》
弊教室では中3生塾生に限り、無料で理科・社会科の一斉授業(通年)を実施しています。新学習指導要領における中学校での公民の指導時間は100コマ(50分×100コマ=5,000分)ですが、私はそれを90分授業20回で消化(90分×20コマ=1,800分)します。私の約2.8倍の授業時間数を与えられていながら、なぜまともに教科書を終えることすらできないのかが、ただただ不思議でなりません。はっきり言ってアマチュア以下です。

《追記2》
ちなみに上記は、私が受験生だった30年前もまるで同じでした。数学は教科書を終えられずに終了。この地では、それが脈々と引き継がれているわけです。だからこの地の教師の多くは、「教科書は終えられないのが普通」「最後は端折ってすっ飛ばしてごまかせばいい」「それのどこがどう悪いの?」と思っているのです。はっきり言いますね。退職教員もまた同罪です。そう教えて育ててきたわけですから。

《追記3》
某中学校に赴任になった、かつての弟子(数学)が言っていました。「ウチの生徒は、どうせやっても分からないから、教科書の例題だけやっていればいい」「それ以上のことはしないように」「(それ以上のことをやられると)他の教師に迷惑がかかるから」そう教科主任とやらから言われたそうです。武士の情け。こうしたことで実名を挙げることは、これでもず~っと控え続けています。だから、とっとと改善しなさいって!我慢もそろそろ限界だよ。

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http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6216026.html
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2013年01月18日

適正進度を厳守せよ!(積み残しとすっ飛ばし)

時間にルーズな人がいます。約束の時間に必ず遅れてきます。ではその人のために(遅刻しないように)時間を変更しよう。そうして約束の時間を1時間ずらしたとしても、やはりその人は時間に遅れるものです。ああだこうだと理由をつけて。実はこれ、釧路・根室の義務教育現場にもそっくりそのままあてはまります。

教える内容を厳選して大幅に削減し、授業時間もそれに応じたものにしよう。以前のゆとり教育はそういったものでしたが、それでも「時間が足りない」などと言って授業の適正進度を保てない。では、教える内容を増やす代わりに、授業時間も大幅に増やしましょう。現在の学習指導要領ですが、やはり「時間が足りない」と適正進度を保てない。授業時間が増えようが減ろうが、結局は常に遅れるということです。

常々、積み残しとすっ飛ばしの問題を指摘していますが、これは本当に本当に重要な問題です。我が釧路・根室はまさに異常です。特に中学数学は一段と顕著で、高校入試までに「教科書が終わらないこと」がもはや標準と化しています。ここにメスを入れなければ、釧路・根室の子ども達の数学の力の向上はあり得ないと言えます。(ここでは中学数学を取り上げますが、中学社会科や小学校国語・算数についても同様です)

さて、大手一斉指導学習塾では、通常は2月から直前講習が始まります。よって、1月中に主要5教科が全終了しているとの大前提でカリキュラムが編成されています。つまり、学習塾の中3生の授業では1月中に全てを終えていなければなりません。(個々人のペースに合わせて進む個別指導の場合は異なります)1月中終了に間に合わないとなれば、休日を返上して補習を組んででも終わらせることになります。(2月に講習会と平常授業を同時並行する所もあります)3コマ分の授業ならば3コマを消化する。それを2コマや1コマに端折ることなど厳禁。講師が遅れを生じさせたのだから講師が責任を取る。ごくあたり前のことです。

前半部分は易しく、後半部分は難しい。中学数学の指導内容はそうした傾向にあるのですが、その易しい前半部分にことさらに時間をかけ、しかし後半の難しい部分は恐ろしいまでに端折って終えて(終えたことにして)しまう。今も昔も変わらない、釧路・根室における授業風景です。教師自身もまたそうして育ったので、そうすることに対しての罪悪感がない。端的に言うとそう結論付けることができると思われます。これこそが、この部分こそが大問題です。

肝心の教師自身が、《授業進度の遅れ=悪》との認識にまるで欠けています。「時間がなければ端折ればいい。親も文句を言わないし、どうせ教えても分からないのだから…」「できる子は、どうせ塾でやるのだろうし…」「できない子は、高校でやり直しをするのだろうし…」そうした甘えの前提が存在しています。いいですか、授業の適正進度が遅れること自体、それ自体が悪。それはいけないことなんだよ。まず、それを認識するようにしようよ。

適正な時間をかけて、適正な進度を保つこと。確かな学力の形成のための大前提ですよ。時間が足りないからと端折る。端折っちゃダメなんだよ。時間が足りない。5コマでやるべきことを2・3コマで終わらせてしまう。そういうことをやってはダメなんだよ。無自覚なのだろうけれど、それは卑怯なことだよ。卑怯なことはしてはならない適正な時間をかけての適正な進度の確保。大前提はそれ。「小学校の学習指導がひどいのでまともに進めることが難しい…」そうした反論が聞こえてきそうだけど、だったら補習をやんなって

適正進度を厳守せよ。適正時間を厳守せよ。行事にかける無駄な時間を排除せよ。それでも時間が足りなければ責任を持って補習をせよ。端折るな。ごまかすな。管理職は、その管理を徹底せよ。たったそれだけで、釧路(根室)の義務教育水準は飛躍的に上昇する

●これはもはや犯罪だ!「積み残しの実際(中3生数学)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6212839.html

《追記》
知り合いの現職高校教員のNさん(数学)からお寄せいただいたご意見です。Nさんの勤務校は道南のH市に隣接するいわゆる底辺校でした。高校側がどれだけすっ飛ばしのツケを負わされているかが伝わってきます。

(前略)授業進度は前任校の時はわやでした。2次関数(その教科書は最後の章にありました。)は××市内を受験する子に放課後講習をし、うちの学校を受ける生徒は「そんなのやらんでも高校の先生が親切丁寧に教えてくれる」と相手にされなかったり、また別の中学では3年では11月上旬に教科書終えて受験演習です。と言ってそこの生徒は軒並み入試点(数学)が5点未満とか。確かに50点以上も相当いたようですが、下を完全に見捨てて(うちのような0点でも入る学校があるからパッと見問題ないように見えるのですがこっちの気持ちにもなって欲しい。)(後略)


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*#2178 根室教育長と市教委がやるべきこと Jan. 17, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-17

 #2177 根室の教育行政の現状認識:他人事に聞こえる世迷言  Jan. 15, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-15-1

 #2163 全国学力テスト 根室市教委の見解は大丈夫かいな?(北海道新聞より) Dec. 27, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27

 


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