<更新情報>
 21日午後2時35分 「余談-2:川喜多二郎」を追記

 弊ブログ投稿欄で情報の整理と文書作成の方法について4人で議論がなされました。ハンドルネームで紹介すると、koderaさん、後志のおじさん、ZAPPERさん、ebisuの4人です。論争がなされた場所は次の記事の投稿欄です。47個の投稿がありました。

*「#3454 総合体育館建て替えは必要か:不適切な検討体制」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12-1

 koderaさんの方法論をベースにした議論でしたが、それを外して議論したほうがよいことに今朝気がつきました。特定の方法論に焦点を当てると、思考が基本的なところ、本質的な問題から逸(そ)れてしまうことに気がついたからです。
 それで、基本的なところに立ち返りたいと思います。情報の整理には前段階があります。情報採集や収集の段階です。わかっている範囲で書いてみますが、わからないところもあるので、そこは(?)として置きます。

 情報採集や収集 ⇒ 情報整理 ⇒ (?) ⇒ 文書作成

 おおまかに見るとこの4つの段階がありそうです。第一段階の情報の採集と収集は当面の議論から外しておきましょう。
 情報整理が終わったところで、いきなり文章にはなりません、なんらかの過程をへて文章になりますが、そこのところがなんであるのかまだわたしにはわかっていませんので、情報整理から文書作成をつなぐ正体不明のリングとして第三段階を定義し(?)で表しておきます。
 さて、第四段階の「文書作成」も定義しておく必要がありそうです。文書には、短いもので短歌や俳句があります。詩もあれば小説あり、随筆あり、日記も、作文も、論文もあります。採りあげるのはビジネス文書です、その中でも、企画書、稟議書、提案書などの類に限定します。重要でないものを採りあげるつもりはありません。だから一般的な文書作成の話ではないのです。一部上場企業で課長職や部長職になったときに要求される文書能力と定義してもよさそうです。

 わたしはネットでの議論を利用して、協同作業をするつもりです。ネット社会ですから協同作業をするのに場所の制限はありません。一人で考えるより、他の人と議論することで思いもかけないところからスポットライトが当たり、問題が鮮明になることがあります。47個の議論でもそういうことがありました。人はそれぞれ自分の経験をもっており、思考形態もその経験に縛られています。だから、分野の異なる数人で議論するとバランスがとれて、思考もより深いところへ届きそうです。

 情報整理法と文書作成は別物であるという指摘が「後志のおじさん」からありました。もう少し敷衍して投稿欄へ再掲をお願いしたいと思います。
 この協同作業はネット社会でのひとつの社会実験例になります。ネット社会以前とはまったく異なる方法で場所の制限を越えて同時進行での議論が何をどのように産み出していくのかも興味の対象です。

< 余談-1 >
 わたしは「釧路の教育を考える会」や「北海道教育文化研究所」でのボランティア活動を通じて、基礎学力の問題と学力向上に焦点を当てて考えてきました。もちろん、私塾であるニムオロ塾でも「読み・書き・そろばん(計算)」が学力の基本であることを押さえた指導をしています。良書を選択してもう13年間やっている音読トレーニングはそのためのものです。文章読解力が学力の基礎をなしているので、そこに力を注いでいます。
 文章の読解とわかりやすい文書の間には大きな川があるように感じています。特定の語彙を使った短文練習や作文の段階から、小論文、そしてある程度のまとまりをもったビジネス文書の間には相当な隔たりを感じます。この点に関する議論が深まると面白いことになりそうです。
 わたしの経験では、取締役レベルの文書と部長職や課長職の文書では明らかに文書作成の平均的なレベルが違っていました。若い会社はその点はちょっと別で、知的レベルが低い取締役が1/3くらいいるというケースもありました。風雪に耐え抜いて生き残り、歴史が60年以上ある会社を念頭に置いて考えたいと思います。

< 余談-2:KJ法とPERT Chart >
 本棚を「捜索」してみたら、次の4冊が出てきました。
 川喜多二郎『発想法』 中公新書 1967年刊
 川喜多二郎『続・発想法』 中公新書 1970年刊
 川喜多二郎『「知」の探検学』 講談社現代新書1977年刊
 加瀬滋男訳『プログラム学習によるPERT入門』 日本規格協会 1964年刊(絶版)

 どの本も読んですぐに仕事で使ったので全部読んでいます。川喜多二郎のKJ方は知識を平面上で構造化する技法ですが、米国で開発されたジョブのスケジュール管理技法であるPERTと結びついています。一体のものと思ってよいでしょう。PERT(Programable Evaluation, and Review Technique)に関する専門書は当時日本橋丸善に6冊ほどありましたが、これが一番コンパクトで実習しやすい本でした。残念ながら絶版になっています。システム開発ではジョブスケジュール管理に不可欠の方法です。
 一から議論するよりも、確立されて部分は引用して説明したほうがわかりやすいので、必要な範囲で抜粋引用をしてみたいと思っています。川喜多の著作は、赤インクの万年筆で随所に線が引かれており、懐かしい気がします。当時(1978-84)はシステム開発技法と3種類のプログラミングの習得、そして統計解析テクニックを身につけるのに一生懸命でした。


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 小学生から中学生になると家庭学習時間帯は部活の影響で劇的に変わります。5-7時から9時以降に移ります。部活をやっている生徒の半数は疲れて勉強をする気力が失われ、テレビやライン、ツィッター、ネットサーフィン、ゲームに流れます。部活による生活時間帯の変化、これが中学生の学力にマイナスの影響を与えています。文武両道をやり抜くのは意志の強い生徒に限られます。
 ついでにわたしが意識してやってきた思考法を開示していますが、多くの人が似たようなことをやっているのでしょう。情報整理から文書作成をつなぐ第三段階(?)の手掛かりになりそうです、ぜひお読みいただきたい。

*#2167 中学生の生活時間の使い方と基礎学力 Dec. 30, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-31


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発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

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  • 出版社/メーカー: 中央公論社
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続・発想法―KJ法の展開と応用 (中公新書 210)

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