C中学校2年生の中間テストの平均点を科目別に並べるので、これを見てからブログ「情熱空間」の記事をお読みいただきたい。
        定期テスト 学力テスト(4月) 差
  国語 65.7     58.2      7.5
 社会 72.9       46.2     26.7
 数学 58.0       43.4     14.6
 理科 64.7       52.8     11.9
 英語 70.2       52.4     17.8
 合計 331.5    253.0     78.5

 (たまたま資料が手元にあっただけでC中学校をとりあげたことに他意はない)
 
 結果から見ると、社会と英語は問題の難易度が低すぎる。国語と理科もだ。学力テストの平均点と比べてみたらよくわかる。
 北海道教育文化協会の学力テストは全国レベルで見たら難易度が低いが、定期テストはそれよりもずっと低い。

 頭をあまり使う必要のない問題ばかり3年間もやらせ続けると脳は慣れてしまい怠けるようになってしまうから、脳の発達に影響が出ているのではないか。
 中学校の学力テストでは全国レベルとの差がまったくわからないが、高校生になれば意識せざるを得ない。易しい問題に慣れすぎて学力の地域差が拡大していることに気がつくのは高校1年生だ。
 根室高校普通科に進学した生徒達は進研模試を受けるが、数英の平均点は毎年20点台である。全国レベルではけっして高くはない進研模試で根高普通科の平均点がこんなに低いのは、易しすぎる北海道教育文化協会・学力テストに慣らされていたからだ。問題が標準レベルに近づいたとたんに得点は急降下してしまう。根室の中学生は全国レベルの高さを知らないまま高校生になり、現実を知る。そして高校2年生になると志望校のランクを下げ始める。偏差値40前後の大学への進学が増える。このクラスは全国に大学が100校あるとしたら、下から16番目である。ハンデを背負って這い上がるしかない。

 北海道教育文化協会の学力テストで五科目合計400点は、全国模試の偏差値では45程度(偏差値50が全国平均値)に過ぎない。
 2年前ぐらいから市街化地域の3中学校合計でも、400点を越える生徒は10人以下ということが多くなった。10年前は400点超が50人以上いた。学力上位層の激減は目を覆うばかりだ。

 成績上位層の生徒達は大学進学してほとんどが地元へ戻ってこない。根室を担うのは学力中位層以下が主力になっている。
 学力中位層や学力下位層なんとか底上げしないと、この町はますます衰退しかねない。2040年には根室市の人口が1.8万人になるという地域別人口推計が出されている。わずか26年で根室にある住宅の三軒に一軒が空き家になる。

 町が縮小するのは構わないが、夕張市のように財政破綻で町が寂れていくのはごめんだ。
 子ども達の学力問題も市の財政問題もこのままにしておいたらこの町を夕張市の二の舞にしかねない。そうなったら50年間は立ち上がれないだろう。ふるさとを守るのは根室に住んでいる私たちだ。やるのはいまでしょう?いまやっておかないと、根室の30年後に希望の灯がなくなる。

 先月から時事英語公開講座をはじめたのはわたしにできることのひとつ、団塊世代の一人としてやるべきことをいまやっておきたいとの思いからだ。根室と釧路の地域の成績上位層の育成に役に立つことを願っている。


http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6838584.html
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2013年09月30日

驚くほど易しい定期試験

「ベ××セの××ゼミ、あれってどうですか?」そうした質問をたまに受けます。とてもよくできた教材です。あれを自学自習、つまりは家で一人で学習を進めることができるならば、北海道であれば、はっきり言って塾いらず(と言うか、学校の授業いらず)です。釧路の中学生の学力レベルならば、あれを8割方、一人でこなせたなら間違いなく(学力点だけで言えば)湖陵普通科に合格できますから。

最近は、塾用教材(一般に書店では購入できない)も質が向上し、書店で売っている教材もまた、なかなか良いものが増えてきたように思います。(ただし、教材会社は明らかに塾用教材と市販教材に差をつけています。まぁ、そこは販売戦略ということなのでしょう)昔は、その教科書の内容にピタリと合った、いわゆる教科書準拠版の教材は少なかったのですが、現在は教科書準拠版もずらりとそろっていて、教科書内容に沿った家庭学習もしやすいものになっています。

こういうことです。教材自体は確実に進化している。イラストなども増え、解説も親切ていねいで分かりやすい。しかし、そうであっても自学自習ができない…。繰り返します。ベ××セの××ゼミは、とてもよくできたベーシック教材、つまりは全国的には「ど真ん中」の学力を想定した、家庭学習教材としてなかなか隙のない教材です。ところが、北海道の中学生にとっては難しすぎる…。「(そうした通信教材をとって)買い与えているのに、やらないんです」というお母さんがいます。それ、やらないんじゃなくて、やれないんですよ。

それでも、なぜか定期テストにおいては「そこそこの点数」を取れてしまいます。その理由。その定期テストの問題が、あまりにも簡単だから。親の感心は常に、全体の中の順位なんですよね。それと、全体の平均点。平均点を基準に上か下かを判断する。今も昔もそうしたものですよね。ところが今は、その平均点自体が、著しく低いか著しく高いといったものになりつつあります。以前のレベルで出題したならば30点そこそこ。驚くほど易しい問題の出題がなされたならば70点程度。で、今は後者が増えている。ここ、やはり何がしかのチェック体制が必要ですね。黙っていたなら、どんどんどんどん、驚くほど易化してしまいますから。

●作問力の低い教師
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/jijimonndai.html#Anchor-10366

《引用開始》
平均点の設定が出来ません

 絶対評価が導入されたためか、それとも、全国学力テストの影響か、誰でも出来る基本問題だけで定期テストを作っている教師の多いこと。子供さんの得点通知表をみて下さい。平均点が70点を超える科目があったりしませんか? 

 実は、実力を点数で判断出来るように、上から下までしっかりばらつきのあるテストを作成し、その状況で平均点を出すと、大抵、55~60点の間に平均点が収まります。そして、こういうしっかりしたテストを作り「きちんと勉強した者が点数を取る」という状況を作ると、ただ、それだけで、子供達の学力が高まっていきます。
 当然、平均点を予想し、実力が得点に反映されるテストを作るということになると、子供達一人一人の学力状況を把握していなければなりません。だから、子供達の状況を把握できず、十把一絡げの授業を行っている教師には、残念ながら無理な話。当然、昨年行ったテストを焼き回ししてお終い、という作問状況になります。

 ですから、子供さんの得点通知表を見るときに、子供さんの点数だけではなく、平均点もきちんとみて下さい。そして、平均点が65点後半より高い科目があった場合、それは「みんなが出来る」のではなく「テストが簡単」で、なおかつ、「学校の先生の問題の作り方が雑」もしくは「生徒のレベルを把握できない授業を行っている」と判断してください。
 そして、平均点の高いテストで少しばかり点数が取れていたとしても、上位校を狙っている生徒にとっては、その点数で満足してはいけない、と判断して欲しいと思います。
《引用終了》

この部分、「必ずやそうしたことになる!」と、平成14年時点(「ゆとり」の総仕上げの学習指導要領改定)で予言していましたもん、私。絶対評価によって内申がインフレ状態になり、子ども達の学力はなお一層低下を続け、しかし定期試験は簡単なものになる!理由は簡単。試験を簡単にし、通知表の評価を高いものにしてしまえば、誰も文句を言わない。そして、(それまでも横行していた)手抜き指導がよりその度合いを増し、《負のスパイラル》へと突入することが明らかだったからです。あの頃は、誰も私の話に耳を傾けてくれなかったですけれど…。

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