定期試験問題の使い回しについてプロとしてやってはいけないことだと明光義塾釧路愛国教室の塾長がブログで取り上げている。
 民間企業でこのようなイージーな仕事をしたらやる気を疑われ、賞与の査定でペケがつく。もちろん昇格は無理だし、続けてやれば降格や懲罰の対象になるだろう。この点もZAPPERさんのいうとおりだ。仕事をやる気がない者は民間企業では要らないのである。その会社の評判を落とし、信用を傷つけ、顧客に迷惑がかかる。すべからく仕事の手を抜いてはならぬ。
ここまでは学校の先生の問題である。
 塾側もやってはならぬことがある。定期テストの過去問を使って点数をかさ上げするような指導をしたら、生徒は育てたように育ってしまう。こんな癖をつけたら、何人かは社会人となったときに使い物にならない人格をつくり上げてしまう。中学時代に学習で「近道反応」という妙な癖をつけてはいけない。問題に正面から向かおうとせず、問題を先送りするような人間となってしまう。
 そういう人間でも職位が下なら権限が小さくて害はそれほど大きくないが、人材が枯渇している釧路や根室だとその手の人間が大きな権限をもつ場合がありうる。根室の現在がその通りだろう。権限を恣意的に利用する人間がいろんなところにはびこることになる。企業も経済団体も任意団体も市政も・・・いたるところに恣意性がはびこり町の活性を奪い、長期的な低迷や衰退を招いてしまうのだ。
 私塾は点数を上げるだけが目的ではない、実力を上げることが真の目的であり、点数が上がるのは結果に過ぎぬ。学習の基本をしつけることを通して、孤立を恐れず信念を貫ける人を創ることも私塾経営の楽しみの一つだ。
 だから、日常の学習の仕方をしっかり指導しておきたい。「近道反応」させずにしっかり育てた生徒たちの中から30年後の釧路や根室を担う人材が出れば幸いである。
 塾側も仕事の手を抜いてはいけないのである。しっかり基礎を理解させ、難しい問題にチャレンジさせてほんとうの力を涵養すべきなのだ。
 学習に対する基本姿勢を間違いのないものに育てておけば、社会人になってからも必要な知識を得るために独力でしっかり勉強するだろう。どのような困難にも逃げることなく正面から立ち向かう人格を創りあげたくて、ふるさとに戻って2002年12月に私塾を開いた。初心忘るべからず。

 
明光義塾釧路愛国教室ブログ「続・試験問題の使いまわし」
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51786806.html

----------------------------------------------------

 (続き)子ども達の学力向上を真剣に考えた場合、実際の「定期試験の過去問」を用いて対策授業をやるのは控えるべきです。(著作権からのアプローチにおいても問題があります)3点や5点得点を落としたとしても、それは「禁じ手」とするべきなんです。なぜなら、単に出題の傾向が合致して得点が上昇しただけであって、地力はむしろ下がってしまうからなんです。そして何よりも、勉強のインスタント化を助長してしまうからです。

ところが、事情通の某中学校の生徒の保護者の中には、この「定期試験の過去問」に執着する方が少なからずいらっしゃる。「えっ、おたくの塾では過去問を配らないんですか!」「1点2点が重要じゃないですか!」「○○会(学習塾の名)は、毎回過去問を配っていますよ!」って。「3点5点の定期試験の得点と、本当の実力とどちらを取りますか?」と質問をしたいのですが、そういった方には言っても通じないでしょうから、私もそれ以上は語らないことにしています。内心、「分かってないなぁ。その完璧主義こそが、子どもの力を削いでいるのに…」などと思いつつ。

さて、学校(教員)側は、多くの学習塾が「定期試験の過去問」を用いて対策をしていることを苦々しく思って(笑)いることでしょうが、まずは試験問題のあり方を考えていただきたいと思います。私自身は、「定期試験の過去問」は一切使用しません。教室としても同様です。しかし、それを個々の講師に禁じるものではありませんので、非常事態にはその使用もありかとも思っています。

学校にお願いしたいのは、第一に「子ども達の努力を無にするような問題の出題を、厳に慎んでいただきたい」というものです。基礎基本を無視しているかのごとく、重箱の隅をつつくような問題や、趣味性の高い問題を好んで出題する輩をきちんと指導していただきたい。第二に「作問者を持ち回りにするなどして、出題傾向が偏るのを防止していただきたい」と思います。

そして最後に。試験問題の使い回し。足並みを揃えない学力試験の実施。現場では非難されることは皆無なのでしょうが、それは社会一般には実に「非常識」な行動です。減給はおろか降格事由に該当するほどに非難されるべき行動です。釧路だから、新聞ネタにならないだけなんですよ。

●暴露話
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51585870.html

---------------------------------------------------- 

  • 【ebisuのコメント】

    「定期試験の過去問」を用いて対策授業をやるのは「近道反応」そのものですね。こういうのは癖になるから困るのです。
    定期テストの都度そういうことをやっていたら、それが習慣になります。習慣は繰り返しですから、その人の性格になります。
    まっとうな努力を嫌う大人に育つのです。
    だから日常の勉強の仕方をおろそかにしてはいけないのです。

    そういうイージーな中学生活を送ったら高校生活がしんどくなります。社会人になったらもっと大きな副作用が出ます。
    こうして仔細に見れば「定期試験の過去問」を用いて対策授業をやることは長期的には百害あって一利なしです。

    学力テストよりも簡単ですから、普通の問題集をきちんと解いて基礎的なことを理解していれば80点以上とれるはずです。
    ふだんからまっとうな勉強の仕方をしつけることこそが家庭・学校・私塾の共通の役割だと信じます。
    ニムオロ塾では「定期試験の過去問」を用いて対策授業をやったことは開塾以来一度もありません。

    ははは、ebisuも頑固ですよ。
    三木先生のご意見に賛成です。
  •  

    ----------------------------------------------------


    にほんブログ村